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結婚の平等を正面から問う裁判が行われることになりました

2018年11月14日

 毎日新聞によると、来春、東京など複数の地域の同性カップルが一斉に同性婚訴訟を起こすことになりました。同性カップルが結婚できないのは法の下の平等を定めた憲法に反するなどとして国に損害賠償を求める(海外で行われてきたような)裁判となる見込みで、同性婚の合憲性を正面から問う訴訟は国内で初めてです。 
 
 日本では、同性カップルが婚姻届を自治体に提出しても受理されません(ご参考:青森のレズビアンカップルが市役所に婚姻届を出しました)。民法などに禁止規定があるわけではありませんが、憲法24条が「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」と謳っており、政府はこれを根拠に「同性婚の成立を認めることは想定されていない」との答弁書を今年5月に閣議決定しています。
(なお、日本学術会議は「憲法24条の「両性」は男女の意味ではあるが、同性の結婚を制限するものではない」と明言しています)
 
 2015年以降、同性パートナーシップ証明制度を導入する自治体も増えてきていますが(全国で約200組のカップルが登録)、遺産相続や所得税控除などで法律上の配偶者と同等の扱いを受けられるものではありません。2015年7月には、同性婚を望む当事者455人が人権侵害を訴え、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てています。

 今回、提訴を予定しているのは全国各地のゲイカップルやレズビアンカップルです。弁護団は「憲法24条は、婚姻が当事者個人の合意のみに基づくことを確認する趣旨で、同性間の婚姻を禁止してはいない。同性婚を認めないのは憲法14条の法の下の平等に反する」と述べています。裁判で原告側は、時代の変化に合わせた法整備を怠った国の不作為などを問う方針だそうです。
 
 同性カップルの権利をめぐる裁判としては、40年以上連れ添ったパートナーの火葬に立ち会えず、共同経営の会社も親族に奪われるという不条理に対し、ゲイ男性が裁判を起こしたりや、同性のパートナーを殺害された遺族の方が、犯罪被害遺族給付金の支給が認められず、裁判を起こしたり、日本人の同性パートナーと長年暮らした外国人男性が退去強制処分の取消しを求めた訴訟などがあります(現在も係争中です)

 映画『アゲンスト8』や『The Freedom to Marry』を見ると、アメリカでも同性婚をめぐる裁判は一筋縄ではいかなかったことがわかります(最初に同性婚が提唱されてから約30年かかっています)。もしかしたら長く、つらい裁判になるかもしれませんが、いつかきっと、結婚したくてもできない人たちがいるということは法の下の平等に反すると司法が認め、結婚の平等が達成される日が来ると信じ、この裁判を見守って行きましょう。
 



裁判 「同性婚認めぬのは違憲」複数カップル一斉提訴へ(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20181114/k00/00m/040/188000c


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