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コスタリカのケサダ大統領が、2020年5月から同性婚できるようになると発表しました

2018年12月05日

 コスタリカの最高裁が同性婚を認めない法律は違憲であるとの判断を示したことを受け、カルロス・アルバラド大統領は11月23日、2020年5月26日からコスタリカ国内での同性婚が認められると発表しました。11月26日には同性婚を認めるよう求める最高裁判所の判決が公示され、公示から施行までの18ヵ月の期間内に、議会において民法の改正が予定されています。
 
 コスタリカには、米州機構(OAS)の司法機関であり、人権などの社会的問題を取り扱うInter-American Court of Human Rights(ICHR、アメリカ大陸人権裁判所)が設置されています。同裁判所は2018年1月10日、「政府は同性間の結婚における家族の絆に関連する権利を認識し、保障しなければならない」とし、同性婚やトランスジェンダーの性別変更を認めるよう加盟国に呼びかける、歴史的な判決を下しました。コスタリカ政府は裁決を尊重する通知を即座に行ないました。
 国際裁判所が決定したこの裁決は、コスタリカに留まらず、加盟20ヵ国へ遵守を求めるものです。ブエノスアイレスに事務所がある「正義と国際権利センター」は「全ての人々の権利を平等に保障し、LGBTが受けている差別や暴力の現実を克服可能にする規制と公共政策の策定にアメリカの国々を導くための重要な結果である」と評価しました。

 しかし、この判決が出た時期は、2月4日に控えた大統領選挙のキャンペーン期間と重なっていました。この大統領選では、同性婚の是非が最大の争点となりました。同性婚やLGBTを認めない姿勢だった国家復興党(PRN)のファブリシオ・アルバラド候補が、キリスト教福音派の後ろ盾を得て、世論調査で一気に最有力候補に躍り出ました。しかし最終的には、「平等な社会を目指す」と語り、同性婚支持を表明した中道左派・市民行動党(PAC)のカルロス・アルバラド氏が、4月1日の決選投票で勝利しました。
 大統領選挙後も、国内では同性婚承認に向けて、デモが度々行われていました。

 そしてこのたび、ICHRの判決を受けて同性婚の是非を審理していたコスタリカの最高裁が、同性婚を認めない法律は違憲であるとの判断を示しました。最高裁のフェルナンド・カスティジョ判事は、国会が18ヵ月以内に法改定を行わないならば「同性婚禁止規定は自動的に法的効力を失い、同性婚が正当と認められることになる」と説明しました。
 カルロス・アルバラド大統領は、国会が期限内に同性婚を認めるよう求め、期限が過ぎたら、現行の関連法は有効性を失うとの見解を表明、政府として「性的指向や性自認で差別されないことを保障する行動を進めていく」との決意を明らかにしました。

 中南米諸国では、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル、コロンビア、メキシコ(メキシコシティならびに複数の州)で同性婚が認められています。エクアドルとチリではシビル・ユニオンが認められています。コスタリカでも、2000年代から同性カップルの権利について議論が繰り広げられ、2013年に同性カップルに一部の権利を認める法制化がなされ、2015年には政府が同性婚法案を国会に提出していました。
 

 

 
ラテンアメリカ:アメリカ大陸人権裁判所、「平等結婚(同性結婚)」に有利な裁決を下す(Nambei News)
http://nambei.jp/2018/01/america-matrimonio-igualitario/

コスタリカ大統領選、決選投票で中道左派の与党候補が勝利(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/costarica-election-idJPKCN1H90AC

大統領、同性婚が2020年5月から可能と発表(JETRO)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/11/cb9a9606d337ab76.html

'Love will prevail': Costa Rica's same-sex couples can marry in 2020(ロイター)
https://www.reuters.com/article/us-costa-rica-lgbt/love-will-prevail-costa-ricas-same-sex-couples-can-marry-in-2020-idUSKCN1NL06T

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