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ジャシー・スモレット暴行事件を受け、ナオミ・キャンベルらセレブリティが続々とサポートを表明

2019年01月31日

 2019年1月29日未明(現地時間)、アメリカで一大センセーションを巻き起こしたTVドラマ『Empire 成功の代償』でゲイ役を演じた(自身もゲイであることをカムアウトした)ジャシー・スモレットが、シカゴで2人組の男に襲われ負傷、病院へ緊急搬送されました。何かの薬品を浴びせたり、首にロープを回したとも報じられています。
 警察は「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」の可能性を視野に捜査中です。
 この痛ましい事件に対して、監督のリー・ダニエルズや共演者のナオミ・キャンベルをはじめ多くのセレブたちからジャシー・スモレットへ支援の意を表明するコメントが次々に発表されました。
 
 『Empire 成功の代償』シーズン1は、3人の息子のうち誰が音楽界の巨大企業「エンパイア」の後継者に選ばれるのか?を中心としたストーリーでした。ジャシーが演じた次男のジャマルは、音楽の才能もあり、人格的にも優れていて、最も後継者にふさわしい資質を持っている人物ですが、父親ルシウスは「自分の会社を「オカマ」に継がせるなんて「恥」でしかない」と言い放ち、あからさまにつらく当たっていました。しかし母親のクッキーは「ゲイが社長になって何が悪いの」と対立します。そして…
 『Empire 成功の代償』は、映画『ムーンライト』に先駆けて、「男らしさ」へのこだわりが強い黒人社会でゲイであるというのはどういうことか?をリアルに描き、アメリカ社会に一石を投じた作品でした。
 オープンリー・ゲイであり優れたR&Bシンガーであるジャマルは(おそらくカミングアウトしたR&Bシンガー、フランク・オーシャンをモデルにしていると思われますが)時代を象徴するヒーローとなり、多くの有色人種のゲイたちを勇気づけました。
 
 覆面をした2人組の暴漢は「レイシズム(人種差別)およびホモフォビア(同性愛嫌悪)をあらわにした中傷の言葉を叫びながらジャシーに近づいた」といいます。
 黒人を憎み、ゲイを憎む差別主義者が、ジャマル=ジャシーがヒーローとされ、成功を収めていることに対し、憎悪をつのらせ、暴行に及んだのだとしたら、絶対に許してはいけない、最悪なヘイトクライム(憎悪犯罪)※です。
 
※ヘイトクライム(憎悪犯罪)とは、人種、民族、宗教、性的指向、性自認などに関する特定の属性を持つ個人や集団に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる、嫌がらせ、脅迫、暴行等の犯罪行為です。1998年、ワイオミング州でマシュー・シェパードというゲイの学生が惨殺される事件が発生したことをきっかけに世論が動き、2009年にマシュー・シェパード法=ヘイトクライム規制法が成立しました。ヘイトクライムに対して通常の犯罪よりも重い刑罰を科す法律です。
 

 この痛ましい事件を受け、FOXが「Empireファミリーのひとり、ジャシー・スモレットが、凶悪事件に巻き込まれたことに、悲しみと怒りを感じます」との声明を発表したほか、多くのセレブたちからジャシーへの支援、連隊の意を表明するコメントが、続々と発せられました。

・リー・ダニエルズ(『Empire』クリエイターでオープンリー・ゲイの方)
「君はこんな目に遭うべきじゃない。誰もがだ。首にロープをかけられるなんて。漂白剤を浴びせられるなんて。暴言を吐かれるなんて。アメリカはこんなことが許される国ではない。性的指向に関係なく、お互いに思いやるべきだ。人種差別主義者は存在するべきではないし、彼らが君にしたことも許されることではない。ジャシー、顔を上げるんだ。君と共にいるよ。すぐに駆けつけるよ。またアメリカの最悪な日になってしまった」

・ヴィオラ・デイヴィス 
「なんてこと! これがまさに、LGBTQコミュニティが守られるために、戦い続けなければならない理由そのものよ。差別に対する暴力は、自分のことのように真剣に考えないといけないわ。ジャシー、あなたを抱きしめているわ。あなたは愛されているのよ」

・ウィルソン・クルーズ
「言葉では足りないけど、このことを知っておいてほしい。ジャシーは私たちの子ども、兄弟で、"LOVE"という言葉だけではとても表すことができない。君と一緒に立ち向かうし、早く回復することを願っている。絶対に無視で終わらせられないことだ。私たちの仲間を攻撃したら、絶対に我々全員で返すから。覚えておけ」

・ケリー・ワシントン
「神様! ジャシーのために祈りと正義を!」

・ミンディ・カリング
「昨晩ジャシーの身に起こったことを聞いて、恐ろしく思っているし、気分を害しているわ。残念なことに、このようなヘイトクライムはあまりにも頻繁に起こりすぎている。犯人を必ず見つけないと。ジャシー、愛を込めて」

・オリヴィア・マン
「ジャシーは、白人男性二人組に漂白剤をかけられ、首をロープで絞められた。彼がアフリカ系で同性愛者だから標的にされたの。これこそが、同性愛者、人種差別者を容認してはいけない理由よ。ジャシーの命こそが大切だから」
 
・サラ・ラミレス
「ジャシーがこんな目に遭うのはおかしい。誰の身にも起こってはダメよ。見るからに褐色系で、バイセクシャルで、移民で、世間に素性が知られている私はこう言うわ。"ヘイトクライムも、同性愛者差別も、クィア差別も人種差別も、MAGA(注:トランプ大統領が発した言葉「Make America Great Again」の略)も全部最低!」

・ナオミ・キャンベル
「『Empire 成功の代償』の撮影中に起きた最も素敵な出来事は、ジャシー・スモレットと出会えたことだった」

・ヤラ・シャヒディ
「(ショックのあまり)言葉を失ってしまったけれど、ひとつだけ言えるのは『あなたに対する差別は、私たち全員に対する差別でもある』ということ。あなたには私たちがついている」「明るい未来を暗示する人に影を落とすことはできない。素晴らしい人間、アーティスト、そして人道主義者であるジャシーにたくさんの愛を」

・エレン・デジェネレス
「ジャシーは4年ほど前、私の番組に出演してくれた。彼と彼の家族にたくさんの愛を贈りたい」 

・ゼンデイヤ
「憎しみに満ちた暴力行為の標的にされたジャシーに、正義がもたらされることを願っている。ジャシーに愛を送り、彼の一日も早い回復を祈っているわ」 
 
 ジャシーは、肋骨を一本折ったそうですが、幸い大事には至らなかったそうです。
 2月2日(土)にウェストハリウッドの「トルバドール」(ボブ・ディランをはじめ多くのシンガーソングライターがライブを行ってきた聖地的なライブハウス)で予定されていたコンサートも、一度はキャンセルとなったものの、予定通り開催されることになったそうです(よかったですね)

 『Empire 成功の代償』シーズン2の終盤、ジャマルが銃弾に倒れ、シーズン3では、精神的ショック(PTSD)によって人前に立つことができなくなるという姿が描かれました。現実のジャシーがそのようにならないことを祈ります。そして、犯人が一刻も早く逮捕され、憎悪犯罪として厳罰を課され、このような痛ましい事件が二度と起こらないことを望むものです。
 
 


ジャシー・スモレット暴行事件を受け、ナオミ・キャンベルやゼンデイヤがサポート表明(ELLE ONLINE)
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a26094548/jussiesmollett-attack-190131-hns/

『Empire』ジャシー・スモレット、トランプ支持者によるヘイトクライムの被害に!セレブらがコメントを投稿(海外ドラマNAVI)
https://dramanavi.net/news/2019/01/empire.php

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