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エルトン・ジョンの半生を描いたミュージカル映画『ロケットマン』が公開決定

2019年03月29日

 大ヒットを記録してなおロングラン上映を続ける『ボヘミアン・ラプソディ』に続き、今度はエルトン・ジョンの半生を描いたミュージカル映画『ロケットマン』が製作され、日本でも今年中に公開されることが決定しました。偉大なゲイ・アイコンを演じるのは『SING/シング』『キングスマン』シリーズのタロン・エガ-トン、監督は『ボヘミアン・ラプソディ』を完成させたデクスター・フレッチャーです。『ボヘミアン・ラプソディ』よりもゲイゲイしい作品になりそうです。
 
 エルトン・ジョンは、グラミー賞を5度受賞し、「ローリングストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大なアーティスト100組」にも選ばれ、「僕の歌は君の歌(Your Song)」や映画の表題曲「Rocket Man」、「Goodbye Yellow Brick Road」など数々の名曲を世に送り出し、ヒットさせ、シングルとアルバムの総売上が全世界で3億枚を超えると言われるレジェンド的なシンガー・ソングライターです。若い頃はライブでド派手な衣装を着たり、コスプレしたりして観客を沸かせてきました。
 ダイアナ妃との交友も有名で、彼女が亡くなった時は、葬儀で「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」を歌っています。
 ディズニー映画『ライオン・キング』では主題歌「愛を感じて(Can You Feel The Love Tonight)」を手がけ、アカデミー賞にも輝きました。
 1976年にバイセクシュアルだとカムアウトし、84年に女性と結婚したものの、4年後に離婚、ゲイでいるほうが本来の自分らしいと語りました。エルトンは1991年にフレディ・マーキュリーが亡くなった後、エイズ患者の支援やHIV予防啓発などを目的とするエルトン・ジョン・エイズ財団(Elton John AIDS Foundation)を設立し、コンサートで使用した衣装をオークションにかけて売上げをチャリティにしたり、セレブを集めたイベントを開催したり、精力的に活動を続けてきました(寄付金の合計は2億2500万ドル以上に上るそうです)。2005年にはイギリスでシビルユニオンが承認されたのを受けて長年のパートナーであるデヴィッド・ファーニッシュとシビル婚の式を挙げ、2010年には養子を授かり、2014年にはいよいよイギリスで同性婚が正式に認められため、改めて結婚しました。
 
 今回の映画『ロケットマン』は、『ボヘミアン・ラプソディ』や『キングスマン』のスタッフ・キャストが、誰もが一度は耳にしたことのある世界的大ヒット曲に乗せて伝説的ミュージシャンの半生を圧倒的なイマジネーションで描くミュージカル超大作であり、男どうしのラブシーンも盛り込まれ、『ボヘミアン・ラプソディ』よりもゲイゲイしい作品になりそうです。予告編を見ると、エルトンのド派手なコスチュームやゲイテイストがよくわかると思います。

 世代を超えて愛されてきた音楽史に残るカリスマを演じるのは、『キングスマン』シリーズのエグジー役で世界的人気を誇るタロン・エガートン。大ヒットしたミュージカル・アニメ映画『SING/シング』でエルトンの「I'm Still Standing」を歌い(ゴリラの役)、その甘い美声で観客を虜にしました。そんなタロンが今作では、過酷なヴォイス・トレーニングを経て、劇中でのエルトンの楽曲を吹き替えなしで歌いきるという熱演ぶりを見せています。
 そして、数々の名曲をエルトンと共作した作詞家のバーニー・トーピンの役にはジェイミー・ベル(『リトル・ダンサー』)、エルトンの母・シーラの役にはブライス・ダラス・ハワード(『ジュラシック・ワールド』シリーズ)、エルトンのマネージャーで、後にQUEENを見いだしたことでも知られる敏腕音楽プロデューサー、ジョン・リードの役にはリチャード・マッデン(ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』)が起用され、実力派キャストが集結しています。
 監督は、『ボヘミアン・ラプソディ』で製作総指揮を務め、ブライアン・シンガーが降板した後、監督を代行し、作品を完成させたデクスター・フレッチャーが務めています。
 脚本は、『リトル・ダンサー』で第73回アカデミー賞脚本賞にノミネートされたリー・ホール。
 プロデュースは、『キングスマン』を監督したマシュー・ヴォーン(『白鳥の湖』のマシュー・ボーンではありません)。エルトン自身もプロデューサーに参加しています。

 伝説的なアーティストであり、偉大なゲイのロールモデルでもあるエルトンですが、過去には、薬物とアルコールの依存症で、リハビリ施設に入院していた時期もありました。映画は、その事実から逃げ、汚点として隠してしまうのではなく、逆にエルトンがリハビリ施設に入るシーンを冒頭にもってきているそうです。主演のタロンは「僕が今作で一番気に入っているのも、まさにそこなんだ。世界中で愛されている有名人の彼が、自分が最も脆い状態にあった時を、迷いなく見せるんだから。それは、エルトンの誠実さと強さの証明と言っていい」「この映画は主として彼の人生や活動を祝福するためのものだけれど、調子のよくない人が回復していく物語でもあるんだ」と語っています。
  
 全米公開は5月31日。日本での公開は2019年とだけアナウンスされており、具体的にいつかはまだ決まっていないようですが、公開が楽しみですね。



『ロケットマンROCKETMAN

2019年/イギリス・アメリカ合作/監督:デクスター・フレッチャー/出演:タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデンほか

(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.


 

依存症、同性愛も恐れず描く。エルトン・ジョン伝記映画を主演俳優が語る(Yahoo! ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20190326-00119588/

Elton John(エルトン・ジョン)の半生を描いたミュージカル映画『ロケットマン』、2019年に日本公開決定(タワーレコード オンライン)
https://tower.jp/article/news/2019/03/25/tg006

エルトン・ジョンの映画『ロケットマン』の監督、映画にはどんな禁止事項もないと語る(NME)
https://nme-jp.com/news/70560/

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