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舞台『Lipsynca』の関係者へのインタビュー

ドラァグクイーンが活躍する舞台『Lipsynca』が幕を開けました。その出演者の方たち、企画・発案し、脚本を書いた仲谷さんら関係者の方たちにお話を聞くことができました。お芝居の裏話や、お芝居に込められた思いをより深く知っていただけると思います。

舞台『Lipsynca』の関係者へのインタビュー

出演者の方たちへのインタビュー

14日から幕を開けた舞台『Lipsynca~ヒールをはいたオトコ!?たち~』のゲネプロ終了後、出演者の方々へのプレス向け「囲み取材」がありました。そちらにも参加することができましたので、彦摩呂さん、鈴木蘭々さん、ドラァグクイーンのお二人などのコメントを中心に、その場のやりとり(インタビュー内容)をご紹介させていただきます。

——この舞台に賭ける意気込みを聞かせてください。(マスコミの方)

彦摩呂さん:目に見えない性の壁が低くなったんじゃないかな。ドラァグクイーンってカッコいいじゃんと思われたい。
鈴木蘭々さん:とにかく転換(袖での着替え)が大変でした。
プロデューサーさん:一瞬でドラァグクイーンになるために、磯村さんなんかはメイクしたアイマスクをかぶったりしてるんです。
フォクシー・オーさん:ドラァグクイーンって聞き慣れないかもしれないけど、楽しいって思っていただけたらうれしいです。
ナジャ・グランディーヴァさん:舞台でセリフを言うことってめったになくて。多大なご迷惑をかけてますが、そこを観に来てください(笑)。新しいドラァグクイーンの世界が広がる第一歩と思ってます。
プロデューサーさん:フォクシーさんとナジャさんは、本物のドラァグクイーンで、今回のお芝居の舞台である「デズモンド・グレー」は、フォクシーさんが大阪でやってる「do with cafe」というお店が元になってるんです。
彦摩呂さん:「do with cafe」は家賃滞納でつぶれたりしないので、ご安心ください(笑)

——彦摩呂さん、意外にダンスがお上手でしたが、もっとソロを踊られてもよかったのでは?(マスコミの方)

彦摩呂さん:遠い昔を思い出して(笑)。今回のダンスの練習で3キロやせたんですが、誰も気づかなくて(笑)

——Kimeruさんの頭についているビールの缶はどういう意味ですか?(マスコミの方)

Kimeruさん:これはメイクさんが用意してくれたもので、レディ・ガガがPVの中でやってる演出なんです。ちなみにこの衣装も、本物のドラァグクイーンの方からお借りしてるんですよ。
プロデューサーさん:劇中ではコシノジュンコさんが衣装提供してくださってます。

——ドラァグクイーンってゲイカルチャーなわけですが、今回の舞台でドラァグクイーンやゲイを演じられて、どのようにゲイに対するイメージが変わりました?(後藤)

彦摩呂さん:「男が男を好きになって、女が女を好きになって何が悪いのよ」というセリフがありましたよね。あれに尽きると思います。
鈴木蘭々さん:いろんなジャンルの方がいるんだなってわかりました。
Kimeruさん:僕はある方のPVに出たときにドラァグクイーンの方とごいっしょさせていただいたことがあって。ヒーローでもヒロインでもなくて独自の…カッコいいなあって憧れてました。
彦摩呂さん:「女性」を超えてるよね。
ナジャさん:女になりたいわけじゃなく、オシャレしすぎてこうなったって感じです(笑)


脚本を手がけた仲谷さんへのインタビュー

仲谷暢之さんは、吉本興業の『マンスリーよしもと』を中心に、エディター、ライター、構成作家として活躍し、吉本興業製作の舞台の構成なども手がけてきた方です。同時に、バニラノブ名義で『バディ』誌で「KANSAI GAY TIMES」を連載したり、大阪の「switch」や東京レズビアン&ゲイパレード2001のステージに姉様キングスを登場させたり、「PluS+」でもボランティアスタッフをつとめたりという活躍・貢献をしてきた方でもあります。仲谷さんこそが、この『Lipsynca』を生みの親であり、彼の熱意なくしてこの舞台はありえませんでした。そこで、お忙しいのは重々承知のうえで、簡単にインタビューをお願いしてみたところ、快くOKしてくださいました(拍手!)

——この舞台は仲谷さんの心意気、熱意があって実現したものだと思います。これをやりたい!と思ったきっかけ、そもそもの思いを聞かせてください。

仲谷さん:若い頃からずっと堂山で飲んだり、遊んだりしてて、「EXPLOSION」とかでドラァグクイーンのショーもさんざん見て育ってきたんです。そういうドラァグクイーンのショーの楽しさ、素晴らしさを何とかしておっちゃんやおばちゃんらにも伝えたいなあという思いでした。で、数年前にチャンスがあって、シモーヌ深雪&ナジャ&ダイアナという豪華クイーンをなんば花月の舞台に登場させてみたんです。

——素敵!

仲谷さん:ところが、内容に関しては理解があったものの「朝10時からあれを出すのはあかん。早すぎる」と吉本関係者から「待った」が入り、たった2日で打ち切りになってしまった。

——そうだったんですね…でも素晴らしくゴージャスな実験でしたね。

仲谷さん:それで、よっしゃ、リベンジしたる! ゲイのために芝居を作ろう! という気持ちで、この芝居の脚本を書き、理解のある人たちに協力をお願いして、吉本というパブリックな舞台での公演を実現させました。

——大阪公演は、ゲイのエンターテインメントと関西の笑いの融合みたいな、ニュータイプの吉本新喜劇のようなステージでしたね。とても面白かったです。

仲谷さん:ハイヒールリンゴさん(ゲイの息子を持つお母さんの役)の「男が男を愛して、女が女を愛して何が悪いねん! 人が誰かを好きになるのに理由は要らないやろ」というセリフに僕の思いが込められてます。本番を観たときは、うるっときましたね。

——わかります。今回は別の方が語ってますが、ちゃんとその思いは伝わってましたよ。

仲谷さん:で、その大阪の舞台を渡邉さん(プロデューサー)が観てくれて、「東京から発信するほうがもっといろんな人に伝わると思うんです」と言ってくれたこともあり、彦摩呂さんのお力添えもあって、今回の東京公演が実現することになりました。

——いろんな方たちの協力があって成り立ってたんですね。大阪公演と比べると、設定もギャグとかもけっこう違ってるけど、でも、イイタイコトは変わらないし、ちゃんとナジャさんたちの本物のドラァグ・ショーがたくさん観られて素晴らしかったです。

仲谷さん:そう言っていただけるとうれしいです。実際の舞台は、脚本の手を離れて演出家に委ねられてるので、けっこう原作と変わってる部分があります。もしかしたらゲイの方が観たとき、細かいところで違和感があるかもしれません。でも、世間の人たちが少しでも、ドラァグクイーンってカッコいいなあとか、ゲイでもいいじゃんって思ってくれたら、感無量です。

——たくさんの方に観ていただきたいですね。本当におつかれさまでした。どうもありがとうございました。