REVIEW
映画『glee/グリー ザ・コンサート3Dムービー』
ドラマ『glee』のキャストが、劇中さながらのパフォーマンスを披露するコンサートツアーの模様を収めた映画『glee/グリー ザ・コンサート3Dムービー』。ライブの興奮はもちろん、3人のティーンをフィーチャーしたミニ・ストーリーとあいまって、涙なしには観ることができない、映画ならではの感動をプレゼントしてくれます。
TM & (C) 2011 Twentieth Century Fox. All rights reserved.
そして、この映画版のオリジナルコンテンツとして、3人の若者たちをフィーチャーしたミニ・ドキュメンタリーがところどころに挿入されます。1人は体の障害をもつ女子高生、もう1人は発達障害の女の子、そしてもう1人がゲイの男の子。3人とも本当にシリアスな悩みを抱えていましたが、今は本当に生き生きとしています(特に1人目の女の子のエピソードは感涙モノ。詳しくはぜひ、映画で観てください)。この3人のリアルな物語と『glee』のライブが絶妙にシンクロしていき、楽曲に新たな意味が生まれ、感動を喚び起こすのです。(このあたりで泣けた人はきっと多いんじゃないかな…と思います)
最初から最後まで一環して、この映画には、僕らが最高にハッピーなクラブパーティやパレードやNLGRのようなコミュニティイベントに参加したときのような「祝福感」が満ちています。『glee/グリー ザ・コンサート3Dムービー』は、すべての「負け犬」に捧げる応援歌であり、讃歌なのです。プロデューサーのライアン・マーフィとすべてのキャスト&スタッフに心からの感謝と拍手を贈りたい気持ちです。
ぜひ、世界中のすべての人に観てほしいと思います。これ以上10代のゲイが自殺したり、ひどいいじめを受けないように…という意味でも、アメリカの教育省は(そして日本の文科省も)この映画を全国の学校で上映するべきでは?とさえ思いました。
札幌から福岡まで全国の主要都市で上映されていますが、2週間限定公開のため、上映は10月7日(金)までとなっています。というわけで、この週末はぜひ、『glee/グリー ザ・コンサート3Dムービー』へ!
2011年/アメリカ/監督:ケヴィン・タンチャロエン/製作総指揮:ライアン・マーフィ/出演:リー・ミッシェル、コーリー・モンテース、アンバー・ライリー、クリス・コルファー、ディアナ・アグロン、マーク・サリング、ケヴィン・マクヘイル、ヘザー・モリス、ナヤ・リヴェラ、ジェナ・アシュコウィッツ、ハリー・シャムJr、ダーレン・クリスほか/配給:20世紀フォックス映画/上映時間:1時間24分/10月7日までTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で上映
INDEX
- ホモフォビアゆえの悲劇的な実話にもとづく、重くてしんどい…けど、素晴らしく美しい映画『蟻の王』
- 映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』
- アート展レポート:shinji horimura個展「神と生きる漢たち」
- アート展レポート:moriuo個展「IN MY LIFE2023」
- 「神回」続出! ドラマ『きのう何食べた?』season2
- 女性たちが主役のオシャレでポップで素晴らしくゲイテイストな傑作ミステリー・コメディ映画『私がやりました』
- これは傑作! ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』
- シンコイへの“セカンドラブ”――『シンバシコイ物語 -最終章-』
- 台湾華僑でトランスジェンダーのおばあさんを主人公にした舞台『ミラクルライフ歌舞伎町』
- ミュージカルを愛するすべての人に観てほしい、傑作コメディ映画『シアターキャンプ』
- 史上最高にゲイゲイしいファッションドキュメンタリー映画『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』
- ryuchellさんについて語り合う、涙、涙の番組『ボクらの時代 peco×SHELLY×ぺえ』
- 涙、涙…実在のゲイ・ルチャドールを描いた名作映画『カサンドロ リング上のドラァグクイーン』
- ソウルにあったハッテン映画館の歴史をアニメーションで描いた映画『楽園』(「道をつくる2023」)
- 米史上初のゲイの大統領になるか?と騒がれた人物の素顔に迫る映画『ピート市長 〜未来の勝利宣言〜』
- 1920年代のベルリンに花開いたクィアの自由はどのように奪われたのか――映画『エルドラド: ナチスが憎んだ自由』
- クィアが「体感」できる名著『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』
- LGBTQは登場しないものの素晴らしくキャムプだったガールズムービー『バービー』
- TORAJIRO 個展「UNDER THE BLUE SKY」
- ただのラブコメじゃない、現代の「夢」を見せてくれる感動のゲイ映画『赤と白とロイヤルブルー』
SCHEDULE
記事はありません。