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COLUMN

ゲイ旅コラム:「住みたくなる街No.1」メルボルンの魅力

ついに同性婚が認められたオーストラリアで結婚することになったお友達の結婚式に参加するため、12年ぶりにメルボルンを訪れました。せっかくなので、現地のゲイシーンや街の魅力、プライドイベントの様子などもあわせてご紹介いたします。

ゲイ旅コラム:「住みたくなる街No.1」メルボルンの魅力

この3月、オーストラリアのメルボルンに行きました。昨年、オーストラリアでついに同性婚が認められ、現地在住のお友達が正式に結婚することになり、その結婚式に参加するため(12年ぶりに)訪れたのです。せっかくなので、現地のゲイシーンの様子や、プライドイベントのレポートなどもあわせてメルボルンの魅力をご紹介したいと思います。(後藤純一)

 

はじめに 〜メルボルンへの誘い〜


メルボルンのシンボル
フリンダース・ストリート駅
 みなさんがお気に入りの、繰り返し訪れているような旅行先はどこでしょうか? おそらく、沖縄、台北、バンコクを挙げる方が多いのではないでしょうか。これらに共通するのは、南国のあったかいリゾート地で、ゲイフレンドリーで、大きなゲイイベント(ビーチパーティとか、パレードとか、ビッグなパーティとか)も開催されている、ということですよね。 
 同じようにゲイフレンドリーで(同性婚なども認められていて)大きなゲイイベントが開催されたりしていても、カナダや北欧に熱心に通う方は、あまり聞いたことがありません。
 ヴィレッジピープルやペットショップボーイズは「GO WEST」と歌いましたが、日本ではどちらかというと気持ちが「南へ」向いている、南国に「楽園」を感じ、魅了されている方が多いと思います。
 この憧れの「南国」「楽園」のリストに、ぜひオーストラリアも加えていただきたいと思います。南半球なので、こちらが寒さでふるえる時季に、向こうでは夏のリゾートを楽しめます。冬に旅行するなら断然、Tシャツとハーパンを持ってオーストラリアへGO!です。しかもマルディグラのようなビッグなイベントも開催されていますし、ヌーディストビーチもあったりして、開放的な「ゲイの楽園」感が満載です。シドニーのマルディグラを体験するツアーがゲイ雑誌でたびたびフィーチャーされ、実際に訪れた方も、向こうに移住した方も少なくありません(私の友人・知人だけでも10名以上の方が移住しています)
 
 話は変わりますが、みなさん、一人で海外に行ったこと、ありますか? ツアーのようなお膳立てや保障されてる感、誰かと一緒という安心感(油断)がなく、様々な未知の事柄に全て独力で対処していかなければいけない状況は、不安や失敗と隣り合わせですが、一方で、心から自由を満喫でき、(いろんなダンジョンをクリアし、レベルがアップするような)ある種の達成感が得られ、格別なものがあります。旅行にせよ、住むにせよ、海外に行くことは、ガラパゴス状態の日本の呪縛から逃れ、自分の頭で考え、意見を言い、本当に自分がやりたいことをやれるようになる、そういうマインドや行動力が備わるきっかけにもなると思います。 
 「英語もそんなにしゃべれないし、やっぱり一人で海外行くのって不安…友達と台北やバンコクに行くくらいでちょうどいい」」という方も多いこととは思うのですが、ちょっとの勇気をプラスして、もし、初めて一人で海外に行ってみようという気になったら、ぜひ、メルボルンを候補の一つにしてみてください。実は英語が通じやすい(アジア圏だとお互いに英語のクセが強すぎて何を言ってるかわからなかったり…。オーストラリア英語は確かになまってますが、エイ→アイの変換に慣れれば(ゲイゲームズ→ガイガイムズ)、意外と聞き取りやすいです)ということもありますし、アメリカやヨーロッパよりも近くて行きやすいですし(時差もほとんどありません)、安全ですし、人々はおおらかで親切、そして、このあと詳しくお伝えしますが、メルボルンはとても旅がしやすい街なのです。


郵便投票の名残り。
同性婚にYES!
 さて、今回、私がメルボルンを訪れたのは、お友達の結婚式に参加するためでした。
 オーストラリアは1991年、同性婚はおろかドメスティック・パートナー法もデンマークでしか認められていなかった時代に、移民法を改正し、オーストラリア人が外国人の同性パートナーを迎え入れる(政府がInter-Dependency Visaというパートナーシップに基づくビザを発行する)ことを認めたという、素晴らしく先進的な国でした。日本からも、1996年に鳴海貴明さんという方がこの制度を利用してメルボルン在住の同性パートナーの元に移住しました(ほかにも何人も、オーストラリアに移住した方がいらっしゃいます)。二丁目の「Delight」で同性結婚式(おそらく日本初)とフェアウェルパーティが行われたことは日本のゲイ史の貴重な1ページとなりました。今回、その鳴海貴明さんとパートナーのデヴィッドさんが、出会ってから25周年を迎え、昨年末にオーストラリアで同性婚(結婚の平等)が達成されたことを受け、晴れて結婚することになり、お二人の一生に一度の結婚式に参加するため、メルボルンに行くことにしたのです。
 なお、こちらにまとめたように、オーストラリアでの同性カップルの権利の承認は、他の欧米主要国に比べると歩みが遅く(お隣りのニュージーランドにも先を越され)、複雑なものがありました。2016年、ターンブル政権が同性婚賛成派と反対派の双方に資金を与えて国民投票を行うと発表し、反対派による同性愛者への誹謗中傷を国が支援するのか!と非難され、これは回避されましたが、同政権は昨年、同性婚の是非を問う郵送式の自主投票の実施を強行し、結果、賛成多数となり、12月に国会で同性婚法案が可決され、ようやく実現しました。

 実は、私がメルボルンを訪れるのは今回が初めてではなく、12年ぶりです。ずっと貴明さんに(シドニーのマルディグラだけじゃなく)メルボルンの「MIDSUMMA FESTIVAL」というイベントも面白いよ、と誘われていたのですが、2006年2月、『バディ』編集部を退社した直後で時間ができ、運よく格安の航空券が買えたこともあり、思いきって行ってみたのでした。「MIDSUMMA FESTIVAL」は、マルディグラのように大規模で商業的(観光客向け)ではなく、ローカルなゲイコミュニティのみなさんがのんびりと開放的に楽しむような、あったかくて居心地のいいイベントで、とても気に入りました。またメルボルンに来たいなぁと思いました。で、今回、再び行く機会が訪れたというわけです。
 
 今回、この旅をコラムに書こうと思ったのは、せっかく南半球まで出かけてゲイ・ウエディングに参加したからには、みなさんにお伝えしたいと思ったのと、12年ぶりにメルボルンを訪れてみて、別にイベントがない時期でも楽しめるし、やっぱり素敵な街だなぁ、ゲイの旅行先として本当に魅力的だなぁと改めて実感したからです。
 というわけで、メルボルンの魅力を詳しくお伝えしていきます。一部、「MIDSUMMA」などについては、古い情報も混ざっておりますが、ご了承ください。
 
 


心のこもった、個人と個人のゲイウエディング

 まず、デヴィッドさん&貴明さんの結婚式の様子をお伝えします。

 お二人の結婚式は、ホテルの豪華な宴会場やチャペルなどではなく、郊外にあるアニーさんという友人のお宅の中庭で行われました(そこに行く途中で、同性婚に「YES」という意思表示をしたポスターを見かけたりしました)
 日曜の夕方、デヴィッドさんのご家族と、お二人のごく親しい友人、合わせて50人〜60人くらいの方々が集い、ワインを飲んだりしながら語らっていると、お庭と裏通りを仕切るシャッターがおもむろに開き、歓声が上がるなか、お友達にエスコートされてデヴィッドさんと貴明さんが入場してきて、式が始まりました。
 サイモンさんというゲイのセレブラント(結婚式を執り行う資格を持った方)がお二人の間に立ち、「旅行先のシドニーでひどい別れを経験して失意のドン底だった貴明が、二丁目の『KINSMEN』というゲイバーでデヴィッドに出会い、つきあいが始まった。数年後、デヴィッドがオーストラリアに帰ることになり、二人はパートナーシップビザの申請を決意し…」と、ノート数ページ分にわたって、二人のリレーションシップのヒストリーを語りました。貴明さんはデヴィッドさんの親御さんの介護もしていて、家族ぐるみのおつきあいをしていました。それから、「この結婚に異議のある方、いますか?」とお約束の問いかけが行われると、真ん前に座っていたご高齢の男性がやおら立ち上がり、びっくりしたのですが、「私はこのカップルを認めます。I do!」と語り、ちょっとジーンときました。改めてお二人が誓いの言葉(I do)を述べ、指輪を交換し、結婚証明書へ署名し、誓いのキスが行わ、祝福の拍手が贈られました。
 そのあと、貴明さんが日本語と英語でお礼を述べました(日本語はきっと、私への配慮です)
 続いて、デヴィッドさんがお礼を述べました。半分くらいしかわからなかったのですが、結構長く語ったあと、「ここまでが前置きです」とおっしゃって、会場から「マジで?」と声が上がり(笑)、デヴィッドさんが現在取り組んでいる研究(オーストラリアでゲイ解放運動が始まる以前、1940年代〜50年代のことを知る当事者の方たちにヒアリングをしているそうです)について語り、最後に、一歩一歩進んできて、ようやく結婚が認められるようになってよかった、と語りました。
 お宅を提供してくれたアニーさんもスピーチしました。幸せなときも、悲しいときも、二人はいつも寄り添っていたのを見てきた、と語り、「ソーセージロールとスシ」という比喩でマルチカルチュラル(文化的な多様性)な結婚のことも含めて祝福してくれました。
 それから、ブーケトスが行われ(その時は既婚の方が受け取ってしまったので、あとでやり直して、現地在住の独身の日本人ゲイの方がもらっていました)、ケーキ入刀というおきまりのセレモニーが行われ、あとはパーティ、ということになりました。
 メルボルンやシドニーにお住まいの日本人ゲイの方々も結構たくさんいらしていて、いろいろお話できて楽しかったですし、ふるまわれたお料理も(スシも)とても美味しかったです。
 ごくささやかな結婚式でしたが、日本の結婚式にまつわる約束事の堅苦しさ(「○○家」と大きく掲げられ、親族や上司に配慮し、席順に気を遣い、参加者はご祝儀を包み、黒い礼服に白いネクタイという格好じゃないと白い目で見られ、感動を誘うDVDが上映され、コース料理が出て、キャンドルサービスがあり、引き出物を持って帰り、みたいな)が一切なく、カジュアルで心地よかったです。「○○家」という概念がなく、あくまでも個人と個人との結婚であるという考え方が徹底していて、お二人のそれぞれが、そしてお二人の関係性がいかに素晴らしいかということを讃えることがメインになっていて、参列者一人ひとりが心からのお祝いの言葉をお二人に伝えたり、自由で、気さくで、笑顔があふれていました。お金とか立派さとかではなく、二人の関係性を家族や友人が承認し、祝福してくれることこそが結婚式の(あるいは人生の)幸せの本質なんだなあ…と肌身で感じました。本当に参加できてよかったです。

 


アットホームなプライドイベント「MIDSUMMA FESTIVAL」

 シドニーのマルディグラに比べるとほとんど知られていないと思いますが、メルボルンでは毎年1月〜2月に「MIDSUMMA FESTIVAL」というお祭りが開催されています(南半球なのでこの時期が「真夏」なのです)。シドニーのマルディグラと同様、1ヶ月近くにわたって、パレードやクラブパーティ、アート展、演劇などの催しがいろいろ繰り広げられます。2018年は約170のイベントが開催され、のべ20万人の参加者を得たそうです。

 私は2006年に「MIDSUMMA FESTIVAL」を体験したのですが、フィナーレがパレードではなく「CARNIVAL」という公園でのフェスになっていて、面白いと思いました(現在は「CARNIVAL」がキックオフイベントになっていて、フィナーレ的なイベントはないようです)
 古い情報で恐縮ですが、この「CARNIVAL」の模様をレポートいたします。

 2月半ばの日曜日、市内中心部のビル群を仰ぎ見る広大な公園に、5万人ものLGBTやその家族、友人が集い、芝生にレジャーシートやラグを広げて座り、ワインを飲んだりしゃべったり、ピクニックを楽しんでいました。園内には、企業や団体のブースが全部で100個くらい並んでいて、これを見て回るだけでも日が暮れそう…な上に、ステージもいくつかあり、ドッグ・ショー(お家で飼ってる自慢のワンちゃんの品評会、なかには「犬奴隷」を連れて来てる方も…笑)、バンド演奏、ファッションコンテスト、そして、メルボルンが誇るドラァグクイーンたちによる数々の素晴らしいショーも繰り広げられました(60歳超えのクイーンも堂々とパフォーマンスしてらして、感涙…)。のんびりしてて、アットホームで、素敵なイベントでした。
 「CARNIVAL」が終わると、同じ公園でT DANCE(T=TEA。早い時間にやるパーティのことです)がスタート。芝生の上にプラ板を敷いた特設フロアが設けられ、明るいうちからシャツを脱いだイケメンやマッチョ兄貴たちが裸でイェイイェイ踊ってました。やがてサンセットを迎え、夜のとばりが降りると、ライトが木々に向かって投影され、それがまたキレイで…素敵でした。踊り疲れたら周りの芝生にゴロンと寝そべって休むことができ、とってもキモチよかったです。周りを見ると、あちこちで軽いラブシーンが繰り広げられたり、友達どうしくつろいだり、いい雰囲気でした。ふと夜空を見上げると、南十字星が美しく輝いていて…「ああ、また来たいな」と心から思いました。
 
 この「CARNIVAL」以外にも、昼間、市内のあちことで開催されていたゲイアート展を観に行きました。ちょっとした路地にペインティングが展示されていたり、自動車のLEXUSの展示場の中にメールヌードギャラリーが設けられていたり、ちょっとビックリするようなスタイルで、興味深かったです。
 シドニーに比べると地味ではありますが、パレードも開催されているそうです(「CARNIVAL」とは時期がずれているので、見れませんでしたが)
 
 なお、今年の「MIDSUMMA FESTIVAL」の公式サイトを見ると、まず「ミュージカル『プリシラ』上演!」というのが目に飛び込んできて華やかだったほか、数ある催しの中には「DRAG A THON」という5時間ぶっ通しでドラァグクイーンショーをやるイベントや、THICK 'N' JUICYというベア系イベントグループが主催するクルーズ船での洋上サンセットパーティ、ADAMという全裸ビリヤード大会やプールパーティなど、実に多彩なイベントが盛り込まれていました。
 
 もしメルボルンに行くなら、やはりこの「MIDSUMMA FESTIVAL」の時期がオススメです。2018年の実績でいくと、1月第2日曜日が「CARNIVAL」で、1月第4土曜日がプライドマーチです。その間にもいろんなイベントがありますので、きっと楽しめると思います。
 
 

メルボルンのゲイシーン

 2006年にメルボルンを訪れた際は、サウスヤラという地区のコマーシャルロード沿いが第2のゲイタウンになっていて、「CARNIVAL」の前夜にフランキー・ナックルズがゲストで回していた「the MARKET」というクラブや、ドラァグクイーンのショーが素敵だった「XCHANGE」というバーがあったのですが、今はどちらもなくなってしまいました…。が、第1のゲイタウン、コリングウッドは健在です。
 コリングウッドは、シティからトラムまたは電車で10分〜15分くらいで行ける所です(距離的には、二丁目〜中野坂上くらい。歩けなくもない感じ)。もともと工場や倉庫が並ぶエリアで、夜は人がいないガランとした街になるのですが、そこにゲイバーやバスハウス(サウナ)、レザーショップなどのゲイベニューがポツポツと点在している感じです(日本のゲイタウンの雰囲気とは全く異なります)。でも、私が泊まったホテルの隣のバーでは、土曜の夜にパーティが行われ、カイリーが大音量で流れ、レザープライドフラッグが掲げられ、男の子たちがキスしたりしてましたし、またちょっと歩くと別のレストランでイカニモな二人がデートしてたり、レインボーを掲げたタトゥーのお店があったり、ルポールの写真(クラブイベントのポスター)がバーンと目に飛び込んできたり、そこかしこにゲイタウンの香りが感じられました。
 そんなコリングウッドにある施設を中心に、メルボルンのゲイ関連のお店をタイプ別にご紹介していきます。2〜3日あれば全部回れます。

 まずは、入りやすいところでショップ系のご紹介をいたします。

 コリングウッドの隣のフィッツロイという地区になるのですが(以前はサウスヤラにあったはず)、「HARES&HYENAS」というセクシュアリティ関連の本を多数扱った本屋さんがあります。オーストラリアでは2000年前後に『blue』という超ハイクオリティなメンズグラビアマガジンが発売されていて、いま在庫があるかどうかはわかりませんが(2006年にはまだありました)、写真集の類などもきっと充実していると思います。
HARES&HYENAS
63 Johnston St, Fitzroy

 レザーショップ「Eagle Leather」。日本では見ることができない、本格的なレザーやラバーのアイテムがズラリと並んでいて、壮観です。ジョックストラップやアンダーウェアなども(お値段は張りますが)日本では買えないようなタイプのものがたくさんあって、しげしげと眺めてしまいました。物々しい雰囲気とは全く異なり、お店の方はいたって朗らかで親切です。もちろんカードも使えます。二丁目の「ルミエール」や上野の「BIG GYM」みたいなショップは見当たりませんので、コンドームやラブオイル等はここでゲットするとよいでしょう。月〜土は22時まで、日曜は19時までで、意外と早く閉まってしまうので、ご注意を。
Eagle Leather
80 Hoddle St, Abbotsford

 もう1軒、同様のお店として「MANNHAUS」があります。こちらもコリングウッドにあります。Webサイトを見る限り、店舗の情報がほとんどなく、閉店したのかな…と思ってスルーしていたのですが、実は「Eagle」よりも広くて充実しているお店なんだそうです(行けばよかった、と後悔)
MANNHAUS
Level 1, 139 Langridge Street Collingwood

 続いて、ゲイバーをご紹介します(バーと言っても日本のスナックのようなお店ではなく、クラブのような広いお店です)

 老舗のゲイバーで今も人気を誇っているのが「THE PEEL(ピール)」です(Peel St.とWellington St.がぶつかるコーナーにあり、わかりやすいです)。週末ともなると入場を待つ長蛇の列ができます(IDチェックがあるため。ゲイの列とストレートの列があり、ゲイが優先です。間違ってストレートの列に並んだら「向こうの列のほうが早いよ!」と教えてくれて(親切!)、並び直しました)。エントランスフィーはなくて、キャッシュオンデリバリーでドリンクを注文するスタイルです(お得!)。それでいて本格的なクラブで、とても音がイイです。マドンナ、ブリトニー、カイリー、ケイティみたいな定番の曲が次々かかり、マッチョなオネエさんが狂喜乱舞していたり、ドラァグクイーンが優雅に踊ったりしています。バーカン前にはソファがあり、広めの中庭にもたくさんの人たちがいて、ビリヤードができる部屋(メルボルンでは、どこでもビリヤード台があります)もありました。本当は2階がバックルームになっているそうなのですが、残念ながら上がれませんでした。
THE PEEL
Cnr Peel & Wellington St, Collingwood

 いろんなバーが軒を連ねる繁華街、スミス・ストリートにある新しめのバーが「SIRCUIT(サーキット)」です。若い人のお店なのかなぁと思いきや、世代も幅広く、「リライト・マイ・ファイア」などの懐かしめの曲もかかったりしてました。野良女装の方などもいて、ステージではドラァグクイーンのショーもあり(シドニーに比べるとやや大味な感じ。嫌いじゃないです)、面白かったです。こちらも特にイベントがなければ入場無料で出入り自由なので(喫煙は外になります)、気軽に行けます。多種多彩なイベントも企画されています。
Sircuit Bar
103-105 Smith St, Fitzroy

 電車のコリングウッド駅の出口を出て階段を降りたすぐ目の前にあるのが、レザー系、ベアー系の方が集まる老舗のバー「THE LAIRED HOTEL(レアード)」です。こちらはクラブというより、中庭でくつろぎながら飲んだり語らったりする感じです(中庭の屋根をパタパタっと何かが走る気配が…聞くと、あれはオポッサムだ、とのことでした)。毎月第1月曜にアンダーウェアパーティ、第2土曜にレザーナイト、第4土曜にベア系パーティが定期開催されているほか、8月の真冬にはレザーウィークが、MIDSUMMAではHIVチャリティとしてジョックストラップ・コンテストが開催されたりしています。
THE LAIRED HOTEL
149 Gipps St, Collingwood

 もう1軒、コリングウッドに隣接するリッチモンドというゲイのベッドタウン(中野のような街)の中に「DT's」というゲイバーがあります。ローカルでアットホームな雰囲気で、いろんなドラァグクイーンの方たちのショーが見られたりします。古き良き時代のゲイバーという感じです。
DT's
164 Church St, Richmond

 それから、クルージングスポットをご紹介します(マンションの一室みたいなタイプではなくて、どこも24のような大きな施設です)

  「ピール」のはす向かいにある「Wet On Wellington(ウェット)」が、メルボルンを代表するバスハウス(ゲイサウナ)です。店内に本格的な25mプールがあり(「MIDSUMMA」シーズンの全裸プールパーティの会場)、ジャグジーやサウナ、カフェレストラン、喫煙ができるラウンジ、テラスなどもあるゴージャスな施設で、いろんなタイプの人で賑わっています。
Wet On Wellington
162 Wellington St, Collingwood
 
 「サーキット」から「ピール」に行く途中(Peel St沿い)にあるのが「CLUB 80(クラブエイティ)」で、こちらはサウナではなく、4階建ての巨大なヤリ部屋(着衣で靴を履いたまま)です。バーカウンター、トムオブフィンランドの絵が飾ってあるラウンジスペース、ビリヤード台、映画鑑賞室などもあったりします。ロンドン発信のTROUGHというクラブパーティの会場にもなっています。
CLUB 80
10 Peel St, Collingwood

 1軒だけシティにあるバスハウスが「Subway Sauna」です。メルボルンのシンボル、フリンダースストリート駅の昔の駅舎を再利用したお店群の一角にあります。サウナのほか、結構広めのジャグジーなどもあります。ベアー系兄貴やノンケっぽい紳士が多いようです(「ウェット」が新宿系だとするとこちらは上野浅草系といったところでしょうか)
Subway Sauna
13/363-397 Flinders St, Melbourne

 バーだと「ピール」がそうですし、サウナはどこもそうですが、入店の際にIDの提出を求められますので、パスポートを持って行ってください(もちろんですが、失くさないようにご注意ください)
 バーでもサウナでも、日本人ツーリストだからと萎縮する必要はありません。「ピール」の入場待ちの列に並んでたときに、前にいた若い白人のリーマンさんが「これって何の列?」「どんな店?」と話しかけてきて(なんとなく紛れ込んだ方だったようです)、街にとけこめた感じがしてうれしかったのですが、メルボルンではそれだけアジア人が普通に受け入れられているのです。どこに行ってもたくさんいるし、差別されるということはまずないと思います。
 じゃあ、現地の人と出会いはあるのか、デキるのか?と聞かれると、それは実力と運次第かな…と。日本人の全員が外専ではないように、オージーも全員がアジア人好きというわけではありませんし、メインは張れないかもしれませんが(それってどこの国でもそうですよね)、たぶん日本でモテるような方は、向こうでもデキると思いますし、日本だとありふれてるようなタイプの人でも向こうでは希少価値として重宝される可能性もあります。もしかしたら、運命的な出会いがあり、将来はオーストラリアに嫁入り…なんてことも夢じゃないと思います。
 特筆すべきは、メルボルンはたぶん、世界的に見てもガタイがデカイ人が多い街だということです。ちょっと日本ではお目にかかれないような、ヒュー・ジャックマンみたいに背が高くてマッチョなイケメンとか、超人ハルクみたいにゴツくてデカいクマさんなどなど…(全体的に毛深い人は多いです)。骨太がっちり好きな方、GMPD専、クマ好きな方は、行く価値があると思います。
 
 最後に、ゲイビーチの情報です。実際には行っていないのですが、Web上の情報を簡単にまとめてお伝えします。
 シティから程近いPort MelbourneのSandridge Beachというビーチは、ゲイの方がたくさん集まるそうです。公認のヌーディストビーチではありませんが(シドニーもそうですが、オーストラリアには州政府公認のヌーディストビーチがあります。いい国ですね)、日が暮れてファミリーがいなくなると、脱ぎ始めたりするようです。
 公認のヌーディストビーチとしては、Mount Eliza地区のSunnyside Northがあります。シティから40kmくらい離れた場所で、Frankstonという街まで電車で行き(1時間ちょっと)、そこからバスで7〜8km先のCobb Rdというバス停で降りて10分ほど歩くと到着するようですが、やはり車で行くほうがよさそうです。手前がノンケエリア、奥がゲイエリアだそうで、「初めてのヌーディストビーチ体験をするなら最高の場所」とのコメントが見られます。開放感を味わってみたい方は、チャレンジしてみてください。
 メルボルン近郊には全部で4ヶ所の公認ヌーディストビーチがあるそうです(詳しくはこちら)。Sunnyside Northも結構遠いですが、それ以外のビーチはもっと遠い場所にあるので、なかなか行くのが厳しそうです…

 


メルボルンの街の魅力


『プリシラ』やってました

バーバリーも虹仕様

アブソリュートの広告

マーケットの一角

馬車も走ってます

広場はカモメだらけ

国立ヴィクトリア美術館
とてもよかったです

草間彌生展も大人気

アジアンフードがgood!
 ここからは、旅行先としてのメルボルンの街の魅力をお伝えします。

 メルボルンは、シティと呼ばれる市の中心部に歴史的建造物も現代的でオシャレな建物も、美術館も、公園も、マーケットも、中華街もカフェも、ブランドのお店も、いろいろ集まっていて、それでいてとても美しい街です。ちょっと郊外に行けば、ビーチもあるし、動物園などもあります(コアラを抱いたりすることもできます)。郊外まで行かずとも、シティを1日ぶらぶら歩くだけで、とっても楽しいです。
 オススメは、ピカソとかマチスとかルノワールとかの絵画も無料で観れちゃう国立ビクトリア美術館と(たまたま私が行ったときは草間彌生展もやってました)、その分館であるイアン・ポッター・センター(アボリジニの作品からコンテンポラリーまでオーストラリア国内のアーティストの作品を展示)のハシゴです。その一帯が公園になっていて、鳩じゃなくカモメがわらわらいたりするのも楽しいです。
 あとは、メルボルンを旅行する人が必ず行く場所として、クイーンヴィクトリア・マーケットがあります。文字通り市場なのですが、食料品だけでなく、着る物や、お土産になりそうな雑貨(カンガルーのタマタマの部分を使った栓抜きとか)など、何でも売られていて、見てるだけで楽しいです。フードコートも充実しているので、ランチも兼ねてお出かけするとよいでしょう。
 
 個人的にとても気に入ってるのは、台北がMRT(地下鉄)に乗ればだいたいどこにでも行ける便利な街であるように、メルボルンもトラム(路面電車)でだいたいどこにでも行けるということです。台北の悠遊カード(Easy Card)のように、mykiというカードをピッとやることで簡単に乗れます(しかも、シティのエリア内は無料です)。タクシーを使わずに済みますし、とてもお出かけしやすいうえに、外の景色も見れて、趣もあって、最高です。
 トラムのほかに、郊外へ向かう電車もあるのですが(コリングウッドも電車で行けます)、私が乗った時は、車内に大きなトンボがまぎれこんでいて(初秋でしたので)、若い女性が「あらあら」という顔で追ったり、駅に着いてドアが開くやおじさんが「行け、そこだ!」と脱出を応援したり、なんともほのぼのとした雰囲気でした。
 
 それから今回は、シティをぶらぶらしていて、レインボーカラーのアブソリュート・ウォッカのビルボードがあったり(プライドシーズンの名残ですね)、バーバリーのショーウィンドウがレインボーだったり(新宿でもやってましたね)、フリンダースストリート駅の駅前で同性婚に「YES」を呼びかける落書きが残っているのを見かけました。短髪でお揃いのタンクトップを着て手をつないで歩くレズビアンカップルもいました。LGBTフレンドリーな街の面影を発見するだけで、散策の楽しさが倍増します。
 
 それから、ご飯について、お伝えしましょう。オーストラリアの料理は大味で美味しくない(しかも高い)イメージがあったのですが、今回はカフェでホットサンドとかミートパイを頼んだら、ふつうに美味しかったので、見直しました。あと、トルコ料理や中華料理のお店に行ったのですが、これが大正解でした(オーストリアはアジア系の移民をたくさん受け入れていて、メルボルンにもたくさんのアジア人がいますし、中華街とかもあって、アジアンフードが充実しています)。オージービーフ食べたい!とステーキのお店に行くのもよいのですが、運が悪ければゴム草履のような硬くて味のないステーキが出てきたりしますし、アジアンフードのお店を狙うとハズレない気がします。ちなみに、日本食も結構たくさんあります。寿司やラーメン、「IZAKAYA」という看板も見ました。今回、時間が合わなくて行けなかったのですが、「サーキット」の隣りに「新橋」というお蕎麦屋さんもあります(牛丼とかもメニューにありました)
 
 宿泊については、残念ながらあまり気持ちが上向きになるようなことが言えません。正直、ホテルはとても高いです。そして、シティに集中していて、コリングウッドにはほとんどありません。でも、夜遊びしたあと歩いて帰るということを考えると、やはりこのエリアのほうが便利だろうと考え、ネットで調べたら、「レアード」や「EAGLE」の近くに「City East Motel」という安宿(1泊8500円くらい)があったので、今回はそこに泊まることにしました。シャビーな雰囲気ではありましたが、フロントの方(みなさんアジア系)も親切で、昼前の早い時間に到着したにもかかわらず空いてる部屋に入れてくれて、助かりましたし、すぐ近くにコンビニもあって(あのエリアでは奇跡的なことです)、悪くありませんでした。Google等では出てこないのですが、実は前述のゲイバー「レアード」もホテルだったりするので、アリかもしれません。ゲイのスタッフの方が応対してくれて、アットホームな体験ができるかもしれませんし、系列店である「CLUB 80」が入場無料という特典もあります。1泊約10000円〜です。
 
 ちなみに英誌『エコノミスト』の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニットがまとめた2017年の「世界で最も住みやすい都市」ランキングで、メルボルンはなんと、7年連続で首位(世界一)となっています。社会が安定していて犯罪が少なく、環境や文化、インフラなどさまざまな角度から総合的に見て、最も暮らしやすいと判断されたのです。メルボルンはまた、住民の4人に1人が外国生まれという多民族都市でもあります。
 実際、メルボルンで暮らしている日本人ゲイの方も何人もいらっしゃいますし、現地で9monstersを開いたら結構な数の日本人の若い方たちが出てきたので、おそらく留学やワーホリでメルボルンに住んでる方も多いのでしょう。
 私も(もう遅いですけど)ワーホリが可能な国の中だったらカナダかオーストラリアがいいなぁと思ってました。20代の方、まだ間に合いますので、人生の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?
 
★メルボルンのフォトアルバムはこちら

 

おまけ:シドニー&ケアンズ

 せっかく行ったことがあるので、おまけ情報として、シドニーとケアンズのことも簡単にお伝えします。

 シドニーにはぜひ、マルディグラのパレード&アフターパーティ(毎年3月第1土曜日)のタイミングを目がけて行っていただきたい、パレードの観覧席(ものすごく混むので、場所取りしようとすると疲れちゃいますし、それでいてあまり見れなかったりしそうです)とアフターパーティのチケットも確保していただきたい、と思います。理想は、それらがセットになったツアーで行くことですが…最近はツアーがあまり開催されていないようです。世界一華やかと言われるパレードを、何万人ものゲイたちがシャツを脱いで踊り狂うパーティ(今年はシェールが来たように、毎回著名なアーティストがゲストライブを行います。私が初めて参加した1997年はチャカ・カーンでした)を、ぜひ体験してみてほしいと思います。
 シドニーのゲイタウンといえば、パレードの出発地でもあるオックスフォードストリートが、ゲイバーやショップやカフェが並び、素敵なゲイタウンだったのですが、そのシンボル的な存在だった「midnight shift」が閉店するなど、だんだんさびしくなってきているようです。それでも、第2のゲイタウンであるニュータウンに『プリシラ』のショーで有名な「インペリアルホテル」(『プリシラ』のバスの出発地。一時閉店して、いまは場所が変わったようです)があったりしますし、ヌーディストビーチもありますし、クラブイベントも多いはず。なんだかんだ言ってもシドニーのほうがゲイシーンの規模は大きいし、たとえマルディグラ・シーズンでなくても楽しめると思います。個人的な印象としては、メルボルンのほうがアットホームだったり、アジア人でも受け入れられやすいかな、とは思います。
 シドニーのゲイライフについては、現地の方が書いている「SYDNEY GAZE」というブログが詳しいので、ぜひ読んでみてください。
 
 オーストラリア北東部・クイーンズランド州のケアンズは、世界最大のサンゴ礁・グレートバリアリーフでのダイビングや、キュランダの世界最古の熱帯雨林(世界遺産)の観光の拠点として有名ですが、実は「TurtleCove(タートルコーブ)」というゲイリゾートもあります。ケアンズの街から車で30分くらいの場所にあり(ドライブの途中で野良カンガルーを見ました)、プライベートビーチ(clothes-optional=服を着なくてもOK)、プール、ジャグジー、レストランなどが揃った、素敵で快適なリゾート施設です。約10年前、私が行った時は、部屋に入ってカーテンをシャーっと開けたら目の前に全裸の男の人が立っていて、ビックリしました。ジャグジーは温水で、夜でも入れますし、永遠に入っていられる気持ちよさでした。ビーチサイドにはハンモックもあって、のんびりできました。
 ケアンズの街自体はとてもコンパクトで、ゲイバーはないのですが、ゲイフレンドリーなバー(クラブ)やレストランなどがあります(今はクルージングスポットもあるようです)。10月にプライドイベントが開催されるほか、5月に「タートルコーブ」でリゾートイベントも開催されているようです。

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