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レポート:第28回レインボー・リール東京

7⽉6⽇(土)~7日(日)に東京ウィメンズプラザで、7月12日(金)〜15⽇(月祝)にスパイラルホールで第28回レインボー・リール東京が開催されました。今年も、この映画祭でしか観られないであろう貴重な作品がたくさん上映され、大勢の方が会場を訪れ、楽しんでいました。

レポート:第28回レインボー・リール東京

第28回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)が2019年7⽉6⽇(土)~7日(日)に東京ウィメンズプラザで、7月12日(金)〜15⽇(月祝)にスパイラルホールで開催されました。今年も、この映画祭でしか観られないであろう数々の貴重な作品が連日、上映され、大勢の方たちが会場を訪れ、映画やイベントの雰囲気を楽しんでいました。スパイラルホールでのオープニングイベント、ホワイエの様子、クロージングイベントを中心に、レポートをお届けします。(後藤純一)


オープニングイベント

 7月12日(金)、表参道「スパイラル」の入り口に今年もレインボーフラッグが掲げられ、第28回レインボー・リール東京が幕を開けました(前の週にも東京ウィメンズプラザで『QUEER×APAC 2019 〜アジア・太平洋短編集〜』などが上映されていました)
 
 今年のオープニング作品として上映された『マリオ』はチケットがソールドアウトになっていて、会場は満員の観客の熱気に包まれていました。
 恒例のオープニングイベントでは、今年もドラァグクィーンのブルボンヌさんが司会をつとめ(軽快な語り口で場を盛り上げてくれました)、トークショーが行われました。
 最初に、代表の宮沢さんに代わって副代表の石丸さんがご挨拶し、その後、プライドハウス東京の松中権さん、そして、先日現役プロスポーツ選手として初めてカムアウトした女子サッカーの下山田志帆さんが登壇し、上映作品『マリオ』について語りました。セクシュアルマイノリティに寛容な女子サッカー界のこと(メンズというセクシュアリティが認められているそう)、ドイツと日本の違いなど、プロスポーツ界でのLGBTのリアリティについてのお話がとても興味深く、充実したトークショーになりました(詳しくはこちら
 

会場の様子

 今年もスパイラルホールのホワイエには、冷たいドリンクを提供するカウンターが設けられ(フリーです。今年もフレシネのシャンパンがふるまわれました。かれこれ20年以上、協賛してくださっています)、雨のなか、外に出ることなく、椅子席でゆったり座りながら上映が始まるのを待ったりすることができました。
 また、niji-depotのレインボーアクセサリーなどが販売されているキオスク(映画祭公式のブース)や、東京都が運営するHIV情報ラウンジ「ふぉー・てぃー」、世界のお茶「ルピシア」、保険の「R&C」などのブースも出展されていました。
 ほかにも、ゲストの方が写真を撮れる(インスタ映えをねらえる)パネルが設けられていたり、中村中さん、せやろがいおじさん、李琴峰さんら著名人の応援コメントが展示されていたり、いろんなフライヤーが置かれていたり。上映までの待ち時間を楽しく過ごすことができました。
 





クロージングイベント

 映画祭最終日、今年は「レインボー・リール・コンペティション」は無かったのですが、日本作品として『アスリート ~俺が彼に溺れた日々~』が上映され、主演のジョーナカムラさん、こんどうようぢさんをはじめ、田崎礼奈さん、いちるさん、そして監督の大江崇允さんが登場し、トークセッションが行われました。詰めかけたファンのみなさんも大満足だったことと思います(詳しくはこちら

 それから、クロージング作品の『クィア・ジャパン』でも、田亀源五郎さんをはじめとするキャストのみなさんと監督さんが登場し、トークショーが行われ、盛り上がりを見せました。両作品とも立ち見が出るほどの人気で、大盛況でよかったなと思いました。


 

今年の映画祭を振り返って

 今年も『マリオ』『トランスミリタリー』『1985』『カナリア』『アスリート ~俺が彼に溺れた日々~』『クィア・ジャパン』といった作品を大スクリーンで観ることができて、本当によかったです。
 毎年、ここでしか観ることができない貴重なクィアムービーの数々を上映してくださって、みんなで笑ったり泣いたりしながら、格別の映画体験を与えてくださって…感謝しかありません。
 
 そういえば、以前映画祭で上映されて評判を呼んだ幻の名作『ウィークエンド』が、ついに劇場公開されることになりましたね(予告編が流れていました)。一昨年の『カランコエの花』、昨年の『ゴッズ・オウン・カントリー』もロードショー公開が実現しました。映画祭上映作品が一般公開につながる機会も着実に増えていて、喜ばしい限りです。

 ボランティアベースで運営され、毎年続けていくのが本当に大変だと想像されるレインボー・リール東京ですが、運営スタッフの方やボランティアスタッフのみなさんに、おつかれさまでした、ありがとうございましたと申し上げたい気持ちです。

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