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アート展レポート「YAGUY SHINGO EXHIBITION」「SHOCKING PINK DISCRIMINATION」

「YAGUY SHINGO EXHIBITION」と「SHOCKING PINK DISCRIMINATION」の2つの個展のレポートをお届けします。どちらも素晴らしかったです!

アート展レポート「YAGUY SHINGO EXHIBITION」「SHOCKING PINK DISCRIMINATION」

特集:2021年初夏のアート展でもご紹介していた2つの個展のレポートをお届けします。どちらも、とてもゲイテイストで、アーティストの方の思いが込められた作品展で、素晴らしかったです。(後藤純一)



YAGUY SHINGO EXHIBITION

 SHINGOさんの個展が行なわれているのは、蔵前にある、一見古めかしい雑居ビルだけど中に入ってるのはおしゃれなショップだらけというビルの3Fにあるギャラリー。SHINGOさんはオリンピック・イヤーに向けてアスリートの肉体美を表現するような作品をたくさん描いたそうで、その中から選ばれた作品が展示されています。どの作品も男性の裸体を描いたもので、バルクアップして丸みを帯びた肩だったり、お尻だったり、マッチョやガチムチな体型をデフォルメしたような肉塊を、あまり生々しくない色味や風合い(かすれていたり)で表現しつつ、赤だったり黄色だったりという原色の強い背景色と組み合わせているのが、セクシーでもありアーティスティックでもあると感じます。
 2枚組のいちばん大きな作品(ちょっと襖絵のように見えるかも)の中央に描かれている「丸」はウイルスで、その周りに炎が燃えているのですが、これは「プロメテウスの火」なんだそう。期せずして、今の社会状況を見事に表す作品になっている感もあります。
 展示作品ではないのですが、ペン立てとして使っているマグカップに世界のクマさんが描かれていますので注目してみてください。とてもゲイテイストでカワイイです。
 SHINGOさんはほとんどずっとギャラリーにいて、来られた方をお迎えしているそうです(たいへん気さくな方です。楽しい時間を過ごせました)。静かに観たいという方も、お話したいという方も、どちらもウエルカムです(感染対策もきちんとされています)
 GW期間中など、ふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。



 
YAGUY SHINGO EXHIBITION
会期:2021年4月10日(土)〜5月9日(日)12:00-18:00 →緊急事態宣言を受けて、4月25日(日)で終了となるそうです
※土日祝のみ営業
会場:ギャラリーYOYO(台東区蔵前4-14-11ウグイスビル307)

 


Taka Nomura 個展「SHOCKING PINK DISCRIMINATION」

 aktaで開催中のTaka Nomuraさんの個展。ガツンとやられました。
 最初にぜひ、「SHOCKING PINK DISCRIMINATION」と書かれた個展の説明・案内のパネルを、目を凝らして見てみてください。下の方に(老眼の私には辛かったくらい)ごくごく薄い色の小さな字で文章が書かれています。それは、会社で「偏見ない人だから大丈夫だと思って」ってアウティングされた話とか、ロコツにゲイをバカにした発言とか、結婚しないの?圧力とか、おそらくTaka Nomuraさんがこれまでに経験してきた「DISCRIMINATION(差別)」です。
 これを読んだうえで展示されている絵を観ると、作品の一つ一つから、ゲイとしての憤りが伝わってくるようでした。映画『BPM』を観た時と同じような、胸が張り裂けそうな気持ち…(そういえば、絵の下につけられた作品名のパネルがピンクトライアングルになってました。まさに、ですね)。ただのゲイテイストでセクシーな絵ではない、怒りの表現であり、GAY PRIDEの表現だと感じました。二丁目のaktaという場所で、このような展示が行なわれたことの意義は計り知れないものがあると思います。
 ぜひまたTaka Nomuraさんの作品を観たいです。

 
Taka Nomura 個展「SHOCKING PINK DISCRIMINATION」
会期:2021年4月1日(木)〜4月18日(日)
会場:コミュニティセンターakta
開館時間:木金土18:00-22:00、日祝15:00-20:00
休館日:月・火・水曜
※現在、開館時間等が流動的になっているため、事前にご確認ください
※館内の新型コロナ感染予防対策にご協力をお願いします

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