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レポート:第32回GLAADメディアアワード(オンライン)
4月8日夜(現地時間)、第32回GLAADメディアアワードがオンライン開催され、サム・スミス、『Happiest Season』、『ボーイズ・イン・ザ・バンド』、『Disclosure』、『シッツ・クリーク』などが受賞しました。
4月8日夜(現地時間)、第32回GLAADメディアアワードがオンライン開催されました。GLAADはメディアでLGBTQが公正に描かれているかどうかを監視する団体ですが、毎年、ニューヨークやロサンゼルスで優れた表現に対して賞を贈る大々的な授賞式も開催してきました(2010年は『チョコレート・ドーナツ』のアラン・カミングがホストをつとめ、アダム・ランバートがライブを披露。毎年多くのLGBTQのセレブが出演します)
今回ホスト(司会)をつとめたコメディアン、女優、テレビ司会者、モデル、プロデューサーのニエシー・ナッシュは「私は…パンセクシュアル? クィアって言うべき?」と袖にいるスタッフに確認して見せるようなギャグを交えつつ、「私はセクシュアリティを隠したことがないから、カミングアウトしたことがないけど」と言って、妻のジェシカ・ベッツと昨年結婚した時の写真を披露し、幸せをアピールするという素敵なオープニングでした。
プレゼンターとしてケイティ・ペリーやジョジョ・シワ、米女子サッカー界のスターで2019年に結婚したアリ・クリーガー&アシュリン・ハリス、ドラマ『9-1-1: Lone Star』に出演するブライアン・マイケル・スミス(トランス男性)、ラファエル・シルヴァ(ゲイ)、ロナン・ルビンスタイン(バイセクシュアル)、ブレットマン・ロック(ハワイ在住のゲイの美容インフルエンサー)などが登場、ほかにも、『プロム』『ボーイズインザ・バンド』などに出演してきたアンドリュー・ラネルズや、『クィア・アイ』のカラモ・ブラウン、バイデン政権の大統領上級顧問に登用されたレジー・グリアといったオープンリー・ゲイのセレブも登場しました。
それから、グラミー新人賞にもノミネートされたラッパーのCHIKAや、レベッカ・ブラック、ジェシカ・ベッツといったクィア・アーティストのパフォーマンスも披露されました。
主な受賞結果は以下の通りです。
まず、音楽賞はサム・スミスに贈られました。サムは「毎年この賞を見ていたよ」「2020年はタフな年だったけど、音楽はいつも人々をつなぐ、希望になってきた」「とても感謝してる。いつかリアルで会いたいね」とコメントしていました。
映画賞(拡大公開部門)はクリステン・スチュワートとマッケンジー・デイビスが恋人を演じたクリスマス映画としてたいへんな反響を呼んだ『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』に贈られました。サウンドトラックを担当したジャスティン・トランターが、「クィア・クリスマスを祝福する素晴らしい作品に関われて、こんな賞をもらえて本当にうれしいよ! ありがとう!」と興奮ぎみに語っていました。
映画賞(限定公開部門)は『ボーイズ・イン・ザ・バンド』に贈られ、ジム・パーソンズやマット・ボマー、ロビン・デ・ジーザスが登場し、「私たちのコミュニティの歴史を描いた作品。マート・クロウリーがこれを作った時から比べると、時代は本当に大きく変化した」「LGBTQの受容を求める闘いは毎年大きくなる一方だ」「私たちのストリーをシェアしていこう」と語りました。
ドキュメンタリー賞は『Disclosure トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして』に贈られました(文句なしですよね)。主演のラヴァーン・コックス(トランス女性)と監督のサム・フェダー(当事者の方です)が「トランスジェンダーの置かれている状況を伝えた」「ハリウッドはもっとこうした企画を取り上げてほしい」とコメントしました。
コメディ賞は『シッツ・クリーク』に贈られ、ダン・レヴィがコメントしました。
ドラマ賞はトランスジェンダー俳優のイアン・アレクサンダーとノンバイナリー俳優のブルー・デル・バリオを起用した『スター・トレック:ディスカバリー』シーズン3に贈られました。
リアリティ番組賞は『WE'RE HERE~クイーンが街にやって来る!~』に贈られました。主演の3人、ボブ・ザ・ドラァグクイーン、エウレカ、シャンジェラが登場し、「小さな町から世界へ発信できたのはとても素敵なこと」「ハレルー!」とコメントしました。
また、今回初めて子ども向け作品の賞も設けられ、(どんな内容だったのかわからないのですが)『The Not-Too-Late Show with Elmo』が受賞。エルモが子どもたちに向けて「みんな特別な存在だよ」と語っていました。
そして最後に、デミ・ロヴァートが登場し、ナヤ・リヴェラへの追悼として「ナヤが演じたサンタナというキャラは、当時の私自身も含めてクローゼットにいた女の子たちにとって本当にインパクトを与えてくれた存在だった」と語り、そしてウィル先生、スー、ブリタニー、メルセデス、カート、ブレイン、ティナ、アーティ、キティ、ジェイク、ウェイド、そしてベッキー…『glee/グリー』の懐かしい面々が登場し、それぞれに彼女への思いを語り、本当に感動的なシーンとなりました(みなさん別々にオンラインで参加していたこともあり、パフォーマンスはありませんでしたが、胸が熱くなるような再会でした)。最後にナヤのお母様が登場し、感謝の言葉を述べたのも感動的でした。
第一線で活躍するLGBTQのタレントの層の厚さに圧倒されるとともに、ケイティ・ペリーのようなアライのセレブも出演し、アカデミーやゴールデングローブやエミー賞などに引けを取らないクオリティで番組が製作されていたことにも感嘆させられ(これがリアルに開催されてきたわけだけど、実際に参加したら本当にスゴい体験になりそう…と想像し)、また、GLAAD代表のサラ・ケイト・エリスが現在の米国のLGBTQの社会的課題について熱く語る場面もあり、寄付が呼びかけられ、LGBTQイベントとはこういうものだよね、ということがよくわかりました。ので、興味がある方はぜひ、ご覧になってみてください。しばらくはアーカイブに残っていると思います。
INDEX
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