g-lad xx

FEATURES

特集:2022年7月の映画・ドラマ

2022年7月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をまとめてお伝えします。今月はレインボー・リール東京(映画祭)もありますよ!

特集:2022年7月の映画・ドラマ

(映画『C.R.A.Z.Y.』より)
 

 まさかの梅雨明け! 6月とは思えない、本格的な夏到来ですね。7月はさらに暑くなるのかな?と思いますが、週末のクラブパーティやプールパーティも楽しみつつ、涼しい映画館に出かけたり、おうちで映画やドラマの配信を観たりするのもよいかもしれません。というわけで、この7月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマをご紹介します。今月はレインボー・リール東京の映画祭もありますので、ぜひスパイラルホールでイベントの雰囲気を味わいつつ、映画も楽しんでください。
 ちなみに7月1日はファーストデイ。各館1100円〜1200円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『FLEE フリー』、『歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡』などもまだ上映中です。
(日付順。情報が入り次第、随時、追加していきます)
(最終更新日:7月20日)


配信中
ベイマックス!

 あの人気映画『ベイマックス』の「敵も傷つけないヒーロー」ベイマックスを主人公にした配信限定の新ドラマシリーズ『ベイマックス!』がディズニープラスで6月29日から配信スタート。架空都市サンフランソウキョウを舞台に、ケアロボットであるベイマックスが日常生活で困っている人を見つけて(ややおせっかいすぎるくらい)人助けに奔走する姿を描いてます。こちらの記事にあるように、第3話で初めて生理が来て困ってしまう女の子を助ける際に、スーパーで棚にずらりと並ぶ生理用品を見たベイマックスが周囲の人にオススメを聞くと、みんなでそれぞれのオススメ製品を紹介してくれるのですが、そのなかにトランスジェンダー男性の方もいて、LGBTQコミュニティから賞賛を集めています。そして、第4話では、健康上の理由で親から受け継いだ仕事を変えざるをえなくなった黒人の男の子が、ベイマックスのおかげで愛に目覚め、仲良しの男の子に声をかけるというゲイのストーリーが展開されます。(オリジナルからそうでしたが)日系の人や人種的マイノリティの子たちが多数登場するところもポイントです。「やさしい世界」がここにあります。

ベイマックス!
ディズニープラスで配信中


  
 
7月1日より公開
バズ・ライトイヤー

 みなさんご存じ『トイ・ストーリー』の人気キャラクター、バズ・ライトイヤーの誕生秘話を描いたスピンオフ的な作品です。『バズ・ライトイヤー』で同性カップルのキスシーン、ディズニー/ピクサー長編アニメとして初というニュースでお伝えしたように、「ゲイと言ってはいけない」法案をめぐるディズニーのチャペックCEOの対応への一連の批判のなかで、ピクサーの従業員がディズニーによる同性愛要素の検閲を告発したことから、制作の過程でカットされていた同性キャラクターどうしのキスシーンが本編に収められる(復活する)ことになったものです。1995年以来、ずっと『トイ・ストーリー』シリーズに慣れ親しんできた(『トイ・ストーリー4』で泣いたりした)方も少なくないと思いますが、そんな愛着のあるシリーズに、ついに同性愛シーンが登場するのか…との感慨を抱く方もきっといらっしゃることと思います。

<あらすじ>
パイロットのバズは、惑星でテスト飛行を行うための準備に1年間を費やしていた。そして仲間たちとのテスト飛行を終えた彼は、故郷へ帰ろうとするも、思わぬ事態が起きる。やがてバズは、友達のソックスと共に壮大な冒険を繰り広げていく…。

バズ・ライトイヤー
原題:LIGHTYEAR
2022年/米国/105分/G/監督:アンガス・マクレーン/声の出演:クリス・エヴァンス、キキ・パーマー、ピーター・ソーン、タイカ・ワイティティほか




7月2日 東京
ユンヒへ(特別上映)

 世間のホモフォビアゆえに過去に引き裂かれ、傷ついた二人が、家族のお節介のおかげで、20年の時を経て、国境を越えて再会し、再生する様を描いた、美しく、叙情的な映画『ユンヒへ』(レビューはこちら)。そのDVDの発売を記念して7月2日にシネマート新宿で特別上映が行なわれ、監督のイム・デヒョン、キャストの中村優子、木野花、瀧内公美、薬丸翔、プロデューサーのコウ・キョンラン(敬称略)が登壇することになりました。主演のキム・ヒエさんをはじめ韓国のキャストの皆さんに会えないのは残念ですが、日本の主要キャストが勢ぞろいする豪華企画です。『ユンヒへ』を観て感動したという方、まだご覧になっていないという方もぜひ。

ユンヒへ(特別上映)
日時:7月2日(土)16:40-
会場:シネマート新宿
※上映終了後に監督やキャストのみなさんが登壇します
チケット:こちら

ユンヒへ
原題:Moonlit Winter
2019年/韓国/105分/監督・脚本:イム・デヒョン/出演:キム・ヒエ、中村優子、キム・ソへ、ソン・ユビン、木野花、瀧内公美、薬丸翔、ユ・ジェミョン(特別出演)




7月2日より配信
天空の結婚式(字幕版)

 同性婚実現への思いをイタリアらしいドタバタなラブコメにしたハッピーな映画『天空の結婚式』が、Amazon Prime Videoで配信されます。原作はアンソニー・J・ウィルキンソンが書いた『My Big Gay Italian Wedding』。オフ・ブロードウェイで上演され、欧米のゲイコミュニティに愛された作品を、イタリア・コメディ映画界の旗手、アレッサンドロ・ジェノヴェージ監督が2018年、イタリアで有名な俳優サルヴァトーレ・エスポジトを主演に迎え、『天空の城ラピュタ』のモデルともなった観光地「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」をロケ地に選んで映画化、イタリアで大ヒットを記録したのが今作です。ところどころ「?」となるシーンもありますが(特にラスト)、あまり深く考えずに楽しみましょう。クマ系のサルヴァトーレ・エスポジトのセクシーな魅力にぜひハマってください。
 
<あらすじ>
ベルリンで俳優として活躍しているアントニオは、ある朝、愛するパオロにプロポーズ。結婚を決意した二人が直面する問題は、故郷に住む互いの親に了解を得ること。アントニオは復活祭にパオロや同居人を連れて故郷の村「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」へ帰省し、カミングアウト。母・アンナには受け入れてもらえたものの、村長を務める父・ロベルトは「冗談だろ?」と一笑に付し、猛反対。アンナは「結婚を認めないなら離婚よ」とタンカを切り、息子たちのために最高の結婚式を計画する…。

天空の結婚式(字幕版)
原題:Puoi Baciare Lo Sposo(You can kiss the groom)
2018年/イタリア/90分/監督:アレッサンドロ・ジェノヴェージ/出演:ディエゴ・アバタントゥオーノ、モニカ・グェリトーレ、サルヴァトーレ・エスポジト、クリスティアーノ・カッカモほか
7月2日よりAmazon Prime Videoにて配信スタート




 
7月6日 東京
逃走のレクイエム(上映+トークイベント)

 『逃走のレクイエム』は2001年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で『炎のレクイエム』というタイトルで上映されたアルゼンチン映画です。この映画の原作は、1960年代にブエノスアイレスで実際にあった銀行強盗事件に基づく『燃やされた現ナマ』(水声社)という小説。幼年時代の思い出、娼婦たちとの出会い、獄中生活、セックスとドラッグへの耽溺など、強盗団のメンバーたちそれぞれの過去をフラッシュバックの手法で描き出し、《社会を震撼させた衝撃的事件》をフィクションの力で描き出した傑作です。主役の美青年2人が恋人どうしであるというところがゲイ的な見どころです。
 この『燃やされた現ナマ』の日本語翻訳出版を記念し、翻訳者の大西亮氏を迎えた講演+映画『逃走のレクイエム』の上映というイベントが、インスティトゥト・セルバンテス東京で開催されます。無料です。

『燃やされた現ナマ』日本語翻訳出版講演&『逃走のレクイエム』上映
日時:7月6日(水)18:00-
会場:インスティトゥト・セルバンテス東京*オンライン配信はありません
入場無料、要予約(お申込みはこちら
言語:講演会(日本語)映画(スペイン語・日本語字幕付)
主催:インスティトゥト・セルバンテス東京、アルゼンチン大使館
協力:NPO法人レインボー・リール東京、水声社

逃走のレクイエム
原題:Plata quemada 英題:Burnt Money
2000年/アルゼンチン/監督:マルセロ・ピニェイロ/出演:レオナルド・スバラーリャ、エドゥアルド・ノリエガ、パブロ・エチャリ、レティシア・ブレディス、ドロレス・フォンシ




7月6日より放送
みなと商事コインランドリー

 漫画:缶爪さわ、原作:椿ゆずによるBL漫画『みなと商事コインランドリー』がテレビ東京でドラマ化されます。テレビ東京といえば『きのう何食べた?』ですが、今作も、もしかしたらゲイを描いたドラマとして人気になるかもしれません(観てみないと何とも言えませんが…)。主演はダンス&ボーカルユニット「超特急」の草川拓弥さんで、ゲイの湊の役を演じます。俳優の西垣匠が香月慎太郎役で共演します。

<あらすじ>
冷房も効かない古びたコインランドリー「みなと商事」を祖父から継いだ湊晃。都会のブラック企業で体を壊し地元に戻ったアラサーの湊は、地域に愛される店をのんびりと営んでいた。ある日、イケメン男子高校生・香月慎太郎が客として来店する。一緒に過ごす時間の中で年の差を越えて仲良くなる二人。そんな中、湊がゲイであることがふとしたことから慎太郎にバレてしまった。年齢や性別を超えて引かれ合う二人の恋の行方は…。

みなと商事コインランドリー
テレビ東京系にて7月6日(水)より毎週水曜24:30-(木曜0:30-)放送





7月8日 仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、西宮、福岡
ジョージ・マイケル:フリーダム <アンカット完全版>

 7/8に1日限り上映される『ジョージ・マイケル:フリーダム <アンカット完全版>』。世界のスターダムにのし上がったジョージの光と影が、音楽界の常識やルールを覆すべく自由を求めて闘い、真実の愛を希求し、苦悩・葛藤した姿が描かれ、本人のナレーションによって完璧なドキュメンタリー映画になっています。音楽界のレジェンドであるジョージ・マイケルというアーティストが、ゲイであり、最愛の恋人をエイズで失うという経験をしてきた人であり、ハッテントイレで逮捕されながらそれを逆手にとったPVを発表したり、恥じることなくゲイとしてのPRIDEを貫いた偉人であるということをぜひ知っていただきたいと思います。フレディ・マーキュリーの追悼コンサートでジョージが熱唱した「Somebody to Love」は伝説として語り継がれていますが、このライブにジョージがどれだけ思いを込め、心血を注いだかということも描かれていて、胸熱です。ミュージシャンとしてもゲイとしても偉大だったジョージ・マイケルが生前最後に手がけたドキュメンタリー映画をぜひ、ご覧ください。(レビューはこちら

ジョージ・マイケル:フリーダム <アンカット完全版>
原題:George Michael Freedom Uncut
2022年製作/119分/イギリス・アメリカ合作/監督:ジョージ・マイケル デビッド・オースティン/出演:ナオミ・キャンベル、クリスティ・ターリントン、シンディ・クロフォード、タチアナ・パティッツ、リンダ・エバンジェリスタ、ケイト・モス、スティービー・ワンダー、エルトン・ジョン、ナイル・ロジャース、マーク・ロンソン、リアム・ギャラガー、トニー・ベネット、メアリー・J・ブライジ、リッキー・ジャーベイス、ジェームズ・コーデン、ジャン=ポール・ゴルチエほか
7月8日(金)、1日限り上映(上映館はこちら




7月8日〜31日に配信
海に向かうローラ

 母の遺灰を撒くために、父親と海岸へと旅立つローラ。しかし彼女はかつて、少年“リオネル”だった──。『Even Lovers Get the Blues (2016)』でナミュール国際映画祭・批評家賞を受賞したローレント・ミケーリ監督が、外見の裏側にあるものを描く、繊細なロードムービー。父親のフィリップは、“息子”がトランスジェンダー女性であるという事実を受け容れられず、ローラと衝突してしまうのですが、過去の記憶や、道中での出来事を経て、ゆっくりと二人の関係が再構築されていくというのが、この映画の見どころです。「EUフィルムデーズ202」という映画祭で、オンライン配信されます。

<あらすじ>
ローラは18歳のトランスジェンダーの少女。唯一の友人であるサミールとシェルターハウスで暮らしている。ある日、母親が亡くなってしまったが、父親のフィリップは葬儀にローラを参列させようとしない。フィリップはローラのことを恥じ、彼女がもう”リオネル”ではない現実を受け入れることができない。5週間後に性別適合手術が予定されているローラ。その費用は母親が内緒で出してくれるはずだったが、彼女の手元にはそれもない。そればかりか母親の遺灰を盗んでしまうローラ。フィリップは「ベルギーの北海沿いの砂丘に散骨してほしい」という妻の希望を叶えるために、その遺灰を取り戻す。しかしローラは母とは決して離れないと誓う。やがて、父と娘は共に海岸に向かって車を走らせることになる。母の遺灰が入った壷と、問題のあった過去を抱える二人。悲しみと、互いの想いに向き合う時が来る…。

海に向かうローラ
原題:Lola vers la Mer
2019年/ベルギー、フランス/90分/監督:ローレント・ミケーリ/出演:ミヤ・ボラルス、ブノワ・マジメル
「EUフィルムデーズ202」にてオンライン配信。視聴方法についてはこちらをご覧ください




7月9日 オンライン
最も危険な年

 米国のドキュメンタリー映画『最も危険な年』は、2015年に同性婚が実現した後、保守派がトランスジェンダーに攻撃のターゲットを変えた結果、米国社会がどのように揺れ動き、トランスの子どもたちとその親たちがどのような苦境に陥り、新たに闘いを始めたか、ということが克明に描かれた作品です。2016年、米ワシントン州では、トランスジェンダーのトイレ利用を制限する法案が議論されていました。トランスジェンダーの子を持つ親たちは、州法案の撤廃のために立ち上がり、自分たちの物語を語ることでトランスフォビアと闘います。親たちが闘う相手は、「不安」と「偏見」です。人々の無知が、偏見や不安を増大させることを描いたこの映画は、日本の現在を考えるヒントになるはずです。
 この作品の上映と遠藤まめたさんによる講演「トランスジェンダーの日本の現状」が行なわれるオンラインイベントが、神奈川県弁護士会、特定非営利活動法人SHIP、日本弁護士連合会(予定)の共催で開催されます。まだ映画をご覧になっていない方、この機会にぜひ。

神奈川県弁護士会オンライン映画上映会・講演会~トランスジェンダーについて知るために~
映画「最も危険な年」オンライン上映会+講演「トランスジェンダーの日本の現状」
日時:7月9日(土)14:00~16:15
配信方法:Zoomウェビナー
無料
300名様限定(先着順)
申込みはこちらから
共催:神奈川県弁護士会、特定非営利活動法人SHIP、日本弁護士連合会(予定)




<レインボー・リール東京>
7月9日、16日 東京
7月16日 大阪
アグネスを語ること

 1958年、性障害に関するUCLAの研究に参加したトランス女性のアグネス。彼女の存在は長年例外だと思われてきたが、2017年に他の参加者の未公開の記録が発見される。本作は、その記録の内容をトランスジェンダーの文化人が再現することで、トランスの歴史とその語られ方について再考を迫るドキュメンタリーで、『ノー・オーディナリー・マン』(第29回上映)のチェイス・ジョイント監督が短編映画『アグネス ~過去から今へ~』を長編化したものです。
 
アグネスを語ること
英題:Framing Agnes
監督:チェイス・ジョイント
2022|カナダ/アメリカ|75分|英語
公式サイト
[ドキュメンタリー] / [T]
後援:在日カナダ大使館
★日本初上映
7月9日(土)18:50- @シネマート新宿
7月16日(土)19:00- @スパイラルホール
7月16日(土)19:30- @シネマート心斎橋




<レインボー・リール東京>
7月10日、17日 東京
7月17日 大阪
遠地

 韓国の新鋭パク・グニョンによる叙情あふれる人間ドラマ。哀愁を帯びた牧場の映像美に魅せられる作品だそう。牧場、羊飼いとくれば2018年に映画祭で上映された名作『ゴッズ・オウン・カントリー』を思い出してしまいますが、この作品の主人公・ジヌをめぐる物語は、果たしてどのような展開になるのでしょうか? 彼の安住の地は見つかるのでしょうか?

<あらすじ>
姪を育てながら田舎の牧場で静かに羊飼いとして働いているジヌ。素朴ながらも満たされた生活を送っていた二人の元に、ジヌの大学時代の恋人と、姪の母親である双子の妹がやってくる。彼らの来訪によって生活が一変したジヌは、愛と家族にまつわる人生の選択を迫られることになる。

遠地
英題:A Distant Place
原題:정말 먼 곳
監督:パク・グニョン
2020|韓国|119分|韓国語
[ドラマ] / [G]
7月10日(日)18:50- @シネマート新宿
7月17日(日)16:40- @スパイラルホール
7月17日(日)19:30- @シネマート心斎橋




<レインボー・リール東京>
7月11日、18日 東京
7月18日 大阪
ロザリンドとオーランドー

 『キャンディレイン』(第18回上映)のチェン・ホンイー監督が、舞台演出家のウェイ・インチェンと組んで、シェイクスピアの喜劇『お気に召すまま』をオール女性キャストで大胆に脚色した映画です。台北の西門が舞台ですし(しかも近未来風になっているそうです)、オール女性キャストと言いつつ、わりとボーイッシュな女子だったりして(アイコンに[T]とあるので、トランス男性かもしれません)そこはかとなく宝塚風味も漂い、『お気に召すまま』をアレンジしてるというところも面白そうなので、おすすめしてみました。
 
<あらすじ>
近未来の台北・西門町。行方不明の父親を捜すために外国から戻ったロザリンドは、レーシングドライバーのオーランドーと出会い、互いにひと目惚れ。しかし、真実の愛を信じていないロザリンドは男性に変装し、オーランドーの気持ちを試すことに…。

ロザリンドとオーランドー
英題:As We Like It
原題:揭大歡喜
監督:チェン・ホンイー(陳宏一)、ウェイ・インチェン(魏瑛娟)
2021|台湾|107分|北京語, 台湾語
[ドラマ] [コメディー] [ロマンス] / [L] [T] ★日本初上映
7月11日(月)18:50- @シネマート新宿
7月18日(月祝)18:20- @スパイラルホール
7月18日(月・祝)19:30- @シネマート心斎橋




7月11日
ゲームボーイズ SEASON2

 2020年5月よりYouTubeで配信され話題となった、フィリピン発のリモートBLドラマ「ゲームボーイズ SEASON 1」。トータル2000万回以上再生され(※2021年11月30日時点)、コロナ禍で落ち込む世界中の人々を魅了したSEASON 1は、第10回国際エミー賞キッズアワード(実写部門)へのノミネートを筆頭に、90ものアワードにノミネートされ、49の賞を受賞。勢いが止まらない大ヒットドラマ「ゲームボーイズ」シリーズ待望の続編がCS衛星放送で日本初放送されます。
 フィリピンのオンライン映画史上最高興行収入を記録し、2022年1月に日本でも公開された映画版『ゲームボーイズ THE MOVIE 〜僕らの恋のかたち〜』のストーリーを軸に、映画版では描き切れなかった各登場人物の心情にもフォーカス。パンデミックを乗り越えて期間限定の同棲生活を送ることになった主人公のガブとカイロを中心に、困難に立ち向かいながらもカップルとして成長していく二人の姿や、家族や親戚、友人に対する思いや葛藤を描きます。さらには友人たちの間に芽生える恋愛感情やそれぞれが抱える悩みを乗り越えていく様子など、異なる登場人物の視点からも物語をより深く堪能することができます。
 恋愛やセクシャリティ、家族との関係性に苦悩しながらも自分らしくあろうと必死でもがく若者たちの姿や、幾重にも降り注ぐ困難に真正面から立ち向かっていくガブとカイロに、心奪われること間違いなし! 自分たちの未来のために答えを求めて奔走する、強い絆で結ばれた二人から最後まで目が離せない、胸キュンストーリー!

<あらすじ>
パンデミックの中、オンラインを通じて心を通わせてきたカイロとガブは、期間限定で同棲生活を始める。しかし、愛情をストレートに表現する積極的なガブに対し、奥手なカイロはなかなか先へ進む覚悟が決まらないでいた。そんなある日、幸せなひとときを過ごす2人の前に、ガブの元恋人・テレンスが突然現れる。楽しい生活は一転し、やがて、愛し合うカイロとガブに思いもよらない困難が降りかかる―。

ゲームボーイズ SEASON2(全8話)
7月11日(月)23:00 ほか
CS衛星劇場にて放送
2020年/フィリピン/監督:イヴァン・アンドリュー・パヤワル/出演:ココイ・デ・サントス、イライジャ・カンラス、アドリアンナ・ソー、カイル・ヴェリーノ、ミギー・ジメネッツ、キッチ・ミネモト




<レインボー・リール東京>
7月12日、17日 東京
7月19日 大阪
サブライム 初恋の歌

 思春期の少年のセクシュアリティの目覚めを繊細に描いた青春ドラマ。ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門出品作です。

<あらすじ>
海辺の小さな町に住む16歳のマヌエルは、親友たちと組んだロックバンドでベースを弾いている。バンドのメンバーの一人であるフェリペとは、幼い頃から固い友情で結ばれていた。ガールフレンドとの初体験を迎えようとした時、マヌエルはフェリペに対する友情とは異なる気持ちに気づくが、関係が壊れることを恐れて一歩を踏み出せず…。

サブライム 初恋の歌
英題:Sublime
監督:マリアーノ・ビアシン
2022|アルゼンチン|100分|スペイン語
[ドラマ] [青春] [ロマンス] / [G]
後援:アルゼンチン共和国大使館/インスティトゥト・セルバンテス東京
7月12日(火)18:50- @シネマート新宿
7月17日(日)21:05- @スパイラルホール
7月19日(火)19:30- @シネマート心斎橋




<レインボー・リール東京>
7月13日、18日 東京
7月20日 大阪
フィンランディア

 メキシコのオアハカ州のフチタンは、古代より連綿と続く母系社会で、ゲイが少しも差別されない(むしろ歓迎される)ことで知られています。そんな街で暮らす「第三の性」ムシェの人々は、『VOGUE』の表紙を飾ったことでも話題になりました。今作は、ムシェの色鮮やかな文化をマジックリアリズム的にとらえた映像美が光る作品だそうです。
 
<あらすじ>
スペイン人ファッションデザイナーのマルタは、民族衣装の流行に目をつけた上司の命令でメキシコのオアハカに送り込まれる。デザインの盗用のため市場でリサーチを始めた彼女は、刺繍で生計を立てる「ムシェ」(第三の性)の人々と出会い、差別を受けながらも情熱的に生きる彼らの姿に感化されていく…。

フィンランディア
英題:Finlandia
監督:オラシオ・アルカラ
2021|スペイン, メキシコ|97分|スペイン語
公式サイト
[ドラマ] [ファンタジー] / [T]
後援:駐日スペイン大使館/インスティトゥト・セルバンテス東京
★日本初上映
7月13日(水)18:50- @シネマート新宿
7月18日(月祝)16:10- @スパイラルホール
7月20日(水)19:30- @シネマート心斎橋

 


<レインボー・リール東京>
7月16日 東京
7月18日 大阪
大いなる自由

 主人公を演じるのは『ヴィクトリア』(2015)や『未来を乗り換えた男』(2018)でドイツ映画になくてはならない存在となったフランツ・ロゴフスキ。第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した本作は、世界各国の映画祭で上映され話題を呼びました。

<あらすじ>
戦後ドイツ、性的指向を理由にハンスは繰り返し刑務所へと送られる。刑法175条によって男性同性愛が禁止されるなか、ハンスは愛する自由を刑務所で探し求めていく…。

大いなる自由
英題:Great Freedom
原題:Große Freiheit
監督:セバスティアン・マイゼ
2021|オーストリア/ドイツ|116分|ドイツ語、英語
公式サイト
[ドラマ] [ロマンス] / [G] ★日本初上映
※性描写・暴力描写が含まれます
7月16日(土)20:50- @スパイラルホール
7月18日(月祝)11:30- @スパイラルホール





<レインボー・リール東京>
7月17日 東京
沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜

 二丁目の「九州男」のマスター・かつきさんのカミングアウトをめぐる涙と笑いのドキュメンタリー映画で(レビューはこちら)、YouTubeで無料公開された後、ピンクドット沖縄やaktaで上映&トークショーが行なわれるなどしています。つい先日、ニューヨーク国際映画賞でベストドキュメンタリーを受賞しました(おめでとうございます)。そんな、世界に羽ばたいた名作が、あらためてスパイラルホールの大スクリーンで上映されることになりました。まだご覧になっていない方はこの機会にぜひ!

<作品解説>
大好きな家族には、いつかカミングアウトしたいと思ってた」と語るのは、新宿二丁目の老舗ゲイバー「九州男」の二代目店主、かつきママ(川田美輝さん)。自分らしく生きるために、故郷の沖縄を離れた20代後半。それから10年後、両親にゲイであることをカミングアウトし、戸惑わせ、悩ませた。そして今は「一番仲がいい」と言えるまでになった。現在の家族のカタチになるまで、一体どんな対話があったのか。どうやって分かり合えたのか。故郷の沖縄県那覇市を巡りながら、家族・友人らとカミングアウトした当時を振り返り、今だから言える気持ちを語り合う。

沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜
英題:Okinawa Coming out Chronicles “Mama” Katsuki’s Hug-Filled Road Trip
監督:松岡弘明
2021|日本|103分|日本語
[ドキュメンタリー] / [G]
7月17日(日)14:00- @スパイラルホール





<レインボー・リール東京>
7月18日 東京
7月21日 大阪
ボクらのホームパーティー

 自主映画を制作している川野邉修一さんが2020年に製作した初の長編作品です。2017年に「凪」という短編映画を製作した際、ゲイであることをオープンにしたほうがよかったかもしれないと思う出来事があり、この作品では自分のセクシュアリティと向き合いながら映画を製作することを決めたんだそう。そして、「商業映画では描かれることが少ないゲイの人々の日常を描きたい」ということで、「ゲイのホームパーティ」を描くことに。オーディションで総勢100名の俳優からメインキャスト7人を選出し、幅広いフィールドで活躍する俳優陣が、年齢も性格も見た目もバラバラな個性豊かなキャラクターを演じる作品となりました。今年3月の大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で上映されましたが、東京で大々的に上映されるのはおそらくレインボー・リール東京が初めてです。
 
<あらすじ>
都内で開かれたゲイオンリーのホームパーティ。集まったのは、大学生の智也、ゲイバー店子の将一、ゲイクラブ店員の直樹とその友達の正志、カメラマンの健一、そしてパーティー主催者カップルの彰人と靖。飲んで、食べて、騒いで、笑って、泣いて、また飲んで、楽しいパーティーは永遠に続く…はずだった。それぞれが日頃心に溜め込んでいたウップンが爆発し、パーティは最悪の結末を迎える展開だったが…

ボクらのホームパーティー
英題:Our House Party
監督:川野邉修一
2022|日本|80分|日本語
[ドラマ] / [G]
7月18日(月祝)14:00- @スパイラルホール
7月21日(木)19:30- @シネマート心斎橋





7月19日〜8月5日 配信
ヤング&ワイルド Part 1

 ノーマルスクリーンがユースをテーマにしたプログラムを初めて企画。世界の7本の短編映画・映像を集めてオンライン上映します。
「インスタ、ともだち、恋人、きょうだい、親。身近だったり大切な存在… でも、だからこそ付き合い方が難しい!こともある」「ここで紹介する作品は、それぞれがこの世の中を生き延びる姿が繊細に、そして大胆に描かれています」(特設サイトより)

ヤング&ワイルド Part 1
期間:2022年7月19日〜8月5日
オンライン上映:特設サイト
無料(可能な方はぜひカンパをお願いします)
主催:ノーマルスクリーン






7月22日より配信
Anything’s possible

 ブロードウェイの『キンキーブーツ』で主役のドラァグクイーンを演じてトニー賞に輝き、ドラマ「POSE/ポーズ」でエミー賞主演男優賞を受賞、2019年のアカデミー賞授賞式で「タキシードドレス」を着用して以来、ファッションアイコンとして世界的に有名になったビリー・ポーターですが、そんなビリー・ポーターが初めて監督を務めた映画『Anything’s possible(原題)』がアマプラで配信されます。「Z世代のみずみずしい青春ロマンスを描いた本作は、従来のラブストーリーとは一味違う、それ以上に青春時代に経験する恋愛の楽しさ、優しさ、そしてほろ苦さを感じられる作品となっている」とのこと。主演のケルサを演じるエヴァ・レインは、いま最もZ世代の支持を得ているLGBTQサイト「them」に寄稿しているトランスジェンダーのコラムニストです。カル役を務めるのは「ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド」に出演している注目の若手俳優、アブバクル・アリ。「アリー my Love」やブロードウェイの「ハミルトン」にも出演していたレネー・エリス・ゴールズベリーも出演します。

<あらすじ>
ケルサはトランスジェンダーでありながら自信に満ち溢れた高校3年生。ある日、同じクラスのカルがケルサに恋心を持っていることがわかる。カルは周りの目を気にしながらも勇気を出して、ケルサに告白するが…。

Anything’s possible
2022年/米国/監督:ビリー・ポーター/出演:エヴァ・レイン、アブバクル・アリ、レネー・エリス・ゴールズベリーほか
Amazon Prime Videoで7月22日より配信



 
7月24日 東京
沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜

 二丁目の「九州男」のマスター・かつきさんのカミングアウトをめぐる涙と笑いのドキュメンタリー映画で(レビューはこちら)、ニューヨーク国際映画賞ベストドキュメンタリー受賞作品、そして先日のレインボー・リール東京でも上映&トークショー&ライブが行なわれましたが、そんな名作がシネマート新宿で一夜限りの上映&監督とかつきママの舞台挨拶&下地正晃さんの素敵なミニライブというイベントとして新宿に帰ってきます。まだご覧になっていない方、かつきママや下地さんのファンの方もぜひ!

<作品解説>
大好きな家族には、いつかカミングアウトしたいと思ってた」と語るのは、新宿二丁目の老舗ゲイバー「九州男」の二代目店主、かつきママ(川田美輝さん)。自分らしく生きるために、故郷の沖縄を離れた20代後半。それから10年後、両親にゲイであることをカミングアウトし、戸惑わせ、悩ませた。そして今は「一番仲がいい」と言えるまでになった。現在の家族のカタチになるまで、一体どんな対話があったのか。どうやって分かり合えたのか。故郷の沖縄県那覇市を巡りながら、家族・友人らとカミングアウトした当時を振り返り、今だから言える気持ちを語り合う。

沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜
2021年/日本/103分/監督:松岡弘明/出演:川田美輝(かつきママ)とご家族・ご友人、城間幹子那覇市長




7月29日公開
C.R.A.Z.Y.

 『ダラス・バイヤーズクラブ』などで知られるジャン=マルク・バレ監督の2005年の長編デビュー作で、1960~70年代のカナダ・ケベックを舞台に、保守的な家庭で育った青年の葛藤と成長を、シャルル・アズナブール、デビッド・ボウイ、ローリング・ストーンズなど時代を彩った名曲の数々に乗せて描き出した青春ドラマ作品。あの「ロッテントマト」で100%を叩き出し、本国カナダでは大ヒットを記録しました。ジャン=マルク・ヴァレ自身が「一生に一本でいい、こんな映画を作りたい、作らなければと思う映画に出会うことがある。『C.R.A.Z.Y.』も、そんな映画の一本であると思いたい」という言葉を寄せていた作品で、トロント国際映画祭最優秀カナダ映画賞、イリス賞13部門受賞ほか、多くの映画祭で高評価を獲得し、「カナダが生んだ映画史に残る名作」とも評されています。ジャン=マルク・バレ監督が昨年亡くなったことを受けて、この名作『C.R.A.Z.Y.』の念願の日本での劇場公開が決定しました。宣伝では触れられていませんが(日本の映画業界にありがちな同性愛要素の不可視化ではないでしょうか…)、海外では『C.R.A.Z.Y.』と言えば、ゲイの男の子の成長を描いた映画としてコミュニティに熱く支持されてきた作品です(「最高のゲイ映画」30位にランクインしたりもしています)。貴重な上映の機会です。お見逃しなく!
 
<あらすじ>
5人兄弟の4男として育ったザックは、キリストと同じ12月25日に生まれ、「特別な子」と呼ばれながらクリスマスのミサへの参加を義務付けられてきた。軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、それぞれ文武に秀でた兄2人、問題だらけの次男を観察しながら幼少期を過ごす。やがて思春期に足を踏み入れる1970年代。ザックは父親と同じく音楽を愛し、父のことも愛していたが、やがて自身のセクシュアリティに目覚め、絶対にゲイは認めないという父親との関係に苦悩するようになる…。

C.R.A.Z.Y.
2005年/カナダ、モロッコ/129分/PG12/監督:ジャン=マルク・ヴァレ/出演:ミシェル・コテ、マルク=アンドレ・グロンダン、ダニエル・プルールほか




7月29日配信スタート
シングル・アゲイン

 『SEX AND THE CITY』を大ヒットさせたクリエイターのダーレン・スター(ゲイの方です)が新たにニール・パトリック・ハリス(『ママと恋に落ちるまで』『マトリックス レザレクションズ』)を主演に迎えて贈るゲイのラブコメ・ドラマ。40代にして突然シングルに戻ったゲイが、大都会ニューヨークで再び幸せになれるのか?というお話です。『マトリックス レザレクションズ』では悪役を演じたニールですが、今回は、自身も40代のゲイでありコメディ俳優でもあるニールが面目躍如というか、水を得た魚のように生き生き、楽しく独り身のゲイを演じていると思われます。ダーレン・スターといっしょにこの作品を手がけているジェフリー・リッチマン(ゲイの方です)も『モダン・ファミリー』の共同エグゼクティブ・プロデューサー兼脚本家で、いわばゲイ・コメディの達人ですので、間違いなく面白いと思います。7月29日(金)からNETFLIXで配信されます。

<あらすじ>
ニューヨークで不動産業を営み、自分の人生を完璧だと思っていたマイケルだが、交際17年目で突然、長年付き合った彼氏が家を出ていってしまい、思いがけずシングルに。40代にして人生と恋愛をやり直す道を模索しはじめるのだが…。

シングル・アゲイン
出演:ニール・パトリック・ハリス、ティシャ・キャンベル、ブルックス・アシュマンスカス
原作・制作:ダーレン・スター、ジェフリー・リッチマン
NETFLIXで独占配信


INDEX

SCHEDULE