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レポート:Tokyo Pride 2025(1)広場のにぎわい
東京では初のプライドマンスの開催となった「Tokyo Pride 2025」が7日・8日、代々木公園イベント広場で行なわれました。2日間合わせたのべ動員数は過去最高の約273,000人に上り、8日のプライドパレードにはおよそ1万5000人が参加し、「Same Life, Same Rights」のテーマの下、渋谷や原宿の街を行進しました。初日のレポートをお届けします

昨年までGW辺りに開催され、TRPの略称で親しまれていた東京レインボープライドが、杉山文野さんが共同代表を退いて新体制となったことを受けて、TRPなどのイベント、コンテンツの総称を「Tokyo Pride(トウキョウプライド)」に改め、2025年6月に開催することがアナウンスされたのは昨年11月末のことでした。そのときの記事(こちら)にも書いたように、もともと2000年代の東京のパレードは東京プライドパレード(主催団体はTOKYO Pride)という名称でした(世界的に見てもニューヨークであればNYC PRIDE、ロンドンであればPride in Londonで、まず「Rainbow」は入っていません。PRIDEと言えばLGBTQだとわかるからです)。紆余曲折あって、毎年安定的・継続的にパレードを開催しようとする人たちによって2011年、新たに東京レインボープライドという団体が結成され、2012年のGWに第1回TRPが開催され、以後、TRPは見事に毎年開催されてきただけでなく、こんなに大規模に成長しました。今回のリニューアルによって、イベント名がもともとの本来的な(世界的にも通じやすい)Tokyo Prideに戻り、開催時期も、もともとの本来的な(世界的にも通じやすい)プライド月間になったことは、とても納得のいく、筋の通った改正でした。
それだけでなく、世界の多くの都市で、プライドが1日だけのイベントではなく、プライドマンスの1ヵ月(南半球のシドニーやメルボルンであれば2月、3月の1ヵ月)にわたって多数のイベントが開催されるかたちになっているのと同様、代々木公園でのパレード&フェスティバル、プライドナイト(アフターパーティ)、クィアアートエキシビション、ユースプライド、ヒューマンライツカンファレンスといった多数のイベントを6月のプライドマンスの間に開催するというのも、とても納得のいくスタイルでした。
また、「Same Life, Same Rights」というテーマにも表れているように、これまで以上に平等な権利を求めていく構えや人権を重視する姿勢が打ち出されました(例えば、公式サイトや会場で参加者の皆さんへのお願いを大きく掲げ、互いに敬意を持って接することや、差別やハラスメントが起こらないようにとの呼びかけを行なっています)
こうした改革を経た「Tokyo Pride 2025」がどんなイベントになるのか、コミュニティの方たちにどう受け止められるのか、果たして、今まで通り参加者が大勢集まって盛り上がるのか、梅雨時期だけどパレードに雨が降ったりしないのか(そこがいちばん心配でした)などなど、期待や不安が入り混じるような気持ちだった方たちもいらしたのではないでしょうか。
前日からのクィアアートエキシビションの開催に続き、いよいよ6月7日(土)、「Tokyo Pride 2025」プライドフェスティバルが開幕しました。
初日の模様をレポートします。
イベント広場のにぎわい
11時に原宿駅に着いて、代々木公園に向かって歩きはじめると、もうレインボーなものを身につけたプライドに向かう人たちの人並みができていて、スゴいと思いました。イカニモ系なゲイの方たちも結構たくさんいました。
何度も何度も(30年近く)通った代々木公園イベント広場の入口には「Tokyo Pride 2025」の立派なゲートができていました。(天気予報は曇りだったような気がしますが)かなり日差しが強く、この日差しがずっと続いたらヤバいかも…と思うくらいの暑さでしたが、幸い、だんだん曇ってきてちょうどよくなりました。雨が降るよりは全然いいです。最高です。
今年も、おそらくは東京以外からもたくさん来られていたのでしょう、「あなたたち今までどこにいたの?」と思うようなイカニモ系のモテそうな方たちがわんさかいらっしゃいました(だからといって何があるわけでもなく、ただ眺めているだけなのですが、それでも眼福でした…)。二丁目でも見かける若いゲイの方たちがたくさん遊びに来てインスタにたくさん写真を上げてるのはとてもいいなぁと、プライドイベントを素直に楽しめる方たちがこんなにたくさんいるのは希望だなぁと思いました。すれ違う若い方たちがふつうに「LGBTQ」と言っていることや、Marriage For All Japanのブースで弁護士さんが話してるのを真剣に聞いてる方たちの姿などもグッときました。
そして今年も、まるで同窓会のように、ひさしぶりに会う友人・知人がたくさんいました(東京ではレインボー祭りがなくなって、そういう同窓会的にいろんな人に会えるイベントはこの代々木公園のプライドだけになってしまいました)。名物のポケモンさんにも会えて、うれしかったです。
ここで、レズビアンのカケジクさんが撮ってくれた、会場で見かけた素敵な人たち(ブース以外)の写真を一部、ご紹介します。(全写真のフォトアルバムはこちら)
会場を埋め尽くした出展ブース
今年もイベント広場だけじゃなくケヤキ並木もめいっぱい使って企業や団体、自治体、大学、大使館などのブースがたくさん並んでいました。限られた時間ではとてもじゃないけど回りきれないくらいでした。回転するターンテーブル?に人が乗って360度で撮影できるアトラクションをやってるところとか、気前よくモノをくれるブースとか、数々のフォトブースとか、JTの喫煙所(最新の電子タバコを格安で買えておまけまでくれるというたいへん太っ腹なサービスをしてくれてました)、なかには携帯の充電ができるブースなどもあって、みなさん、まるで万博のようにいろんなアトラクションやお得感を楽しめたと思います。超人気で人が殺到して長蛇の列ができているようなところは写真を撮るのが難しく(たくさんの人たちに許可を撮らないといけないので…)、ここでご紹介できなかったのが残念です。
フードコートもすごくて、今回は青森のホタテとか鮎の塩焼きなども売ってました。吉野家の初出店も、旨いものを早く食べたい私には助かりました(小盛り・味噌汁なしで500円。七味が200円。決して安くはなかったです)。写真は撮ってないのですが、女性カップルが出店してたアイスサンド、とても美味しかったです。
それから、企業がLGBTQ団体に協賛して出展されているブースがちらほらあったのは、とても素晴らしいことだと思いました。一方、とあるLGBTQのプロジェクトを運営している方は、もう当事者(企業)のブースがほとんどないので頑張って出し続けたい気持ちはあるけどいつまで続くか…と語っていて、苦労が偲ばれました。そういえば今年は二丁目やゲイカンパニーのブースもほとんど見かけなかったですよね…(ALAMAS CAFEくらいだったのでは)。そこはさびしいなと感じました。
というわけで、全体から見るとごく一部ではあるのですが、後藤とカケジクさん(*の印をつけています)によるブース写真をご紹介します。(テキストは後藤です)
今年もaktaやぷれいす東京、各地の団体などHIVコミュニティとコラボした特大ブースを出展していたヴィーブヘルスケア。全部を回るとレインボーカラーのおみくじを引けるようになっていました。
JAPAN PRIDE NETWORK(JPN)のブースでは、応援したい(推したい)団体への募金で各団体のオリジナルロゴステッカーや場内で楽しめるガチャガチャの参加権がもらえるという企画などをやってました。
INDEX
- 7/19、日本最大規模のゲイフェス「SUMMER BLAST」が7会場で開催!
- 特集:参院選2025
- レポート:“ArcH” Grand Opening Party
- 特集:レインボーイベント2025(下半期)
- レポート:「CHOICE」vol.2
- レポート:西湘クィアプライド2025
- 特集:2025年7月の映画・ドラマ
- レポート:Bling Bling Night Presented by HOTEL GROOVE SHINJUKU
- レポート:Tokyo Pride 2025(4)2日目のステージ
- レポート:Tokyo Pride 2025(3)プライドパレード
- レポート:Tokyo Pride 2025(2)初日のステージ
- レポート:Tokyo Pride 2025(1)広場のにぎわい
- 特集:プライド月間の企業の取組み
- レポート:神戸レインボーフェスタ2025(2)
- レポート:神戸レインボーフェスタ2025(1)
- 特集:2025年6月の映画・ドラマ
- 特集:第32回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
- 特集:プライドマンス2025東京
- レポート:名古屋レインボープライド2025
- 2025年夏のクィア・アート展