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レポート:Tokyo Pride 2025(2)初日のステージ

東京では初のプライドマンスの開催となった「Tokyo Pride 2025」が7日・8日、代々木公園イベント広場で行なわれました。2日間合わせたのべ動員数は過去最高の約273,000人に上り、8日のプライドパレードにはおよそ1万5000人が参加し、「Same Life, Same Rights」のテーマの下、渋谷や原宿の街を行進しました。初日のレポートをお届けします

レポート:Tokyo Pride 2025(2)初日のステージ

 「Tokyo Pride 2025」プライドフェスティバル1日目、レポート:Tokyo Pride 2025(1)広場のにぎわいに続き、プライドステージの模様をレポートいたします。

プライドステージ:前半

 12時にプライドステージがスタートしました。
 MCをつとめるのは、ご存じオープンリー・ゲイのタレント、小原ブラスさんと、共同代表の山田なつみさん。大阪のレインボーフェスタ!でもそうでしたが、小原さん、関西人らしい笑いをまじえたトークで楽しませてくれました。
  
 ステージの前半は、公募で選ばれたアーティストによるパフォーマンスです。
 それほどメジャーではない方たちかもしれませんが、新鮮な驚きがあったり、当事者だからこその思いやPRIDEがにじむパフォーマンスに感動させられたりして、素晴らしかったです。観れて本当によかったです。

 最初は、日本で唯一の女性どうしの社交ダンスサークル「ラティーナ」のみなさん。そのようなサークルがあることを知らず、とても新鮮だったのですが、参加している方たちの多さにも、ダンスのクオリティの高さにも驚かされました。1曲目は宇多田ヒカルさんの名曲「First love」で、ペアになってのエレガントで美しいダンスを披露。2曲目はクィアのアンセム「This is me」でダイナミックな群舞を披露。静と動のコントラストが素晴らしかったです。喜びや愛やPRIDEが表現されていたと感じました。



 続いては、シンガーソングライターの川森晶望音(かわもりあみね)さん。ピアノ弾き語りで披露してくれた「Let’s Get Bear Truth」(頭文字をとるとLGBT!)という歌が、隠しても隠さなくても一緒なら僕は僕の道を進む、とか、みんな変だよ普通はないよそれでいい、とか、毎日自由だらけ邪魔する奴らは蹴り飛ばせ、とか、実にクィアでPRIDEを感じさせる歌で、引き込まれました。MCでは自分自身もジェンダーに悩んで心ない言葉を浴びせられたりしたと語っていらして、身につまされました。そうした辛い経験を乗り越えて明るく前向きに表現していこうとする姿勢がとても素敵で、応援したくなりました。


 深夜/xinyaは、新宿二丁目系シンガーソングライター・かつ江さんが率いるバンドです。かつ江さんは2018年の第50回Living Together のど自慢で拝見して以来の気になる存在(Xもフォローしてます)。最初に演奏された「僕のような人」という歌で、いきなり泣きそうになりました。東京には僕のような人たちが集まる街があるという。僕のような人たちが踊ったり話したり。恋をしたりセックスしたり。この街は大きすぎて僕はまだ頬張れないよ。といった歌詞で、田舎から出てきたはいいけどすぐに二丁目になじめるわけじゃなく…という経験をした(自分もそうでした)何十万人もの「僕」の胸に響く歌だと思いました。続けて「二人で朝までビヨンセを」「シティ・ボーイ」「ラブソング」を熱唱。バンドとしての演奏を聴くのは初めてでしたが、ソロのときよりも音の厚みや迫力があって、見た目的にも映えていて(ドラムの方がちょっと祭り装束テイストでセクシーでした)よかったです。これからもゲイにこだわった歌作りをしてほしいですし、またこのステージで聴きたいです。


 前半のトリはスタジオさつきぽんのみなさん。「トランス女子をもっとポップに!」を掲げ、音楽やパフォーマンスを通じて自由と多様性を表現する歌手・さつきぽんを筆頭にしたクリエイティブチームです。西原さつきさんは「乙女塾」の創立や、映画『息子のままで、女子になる』への出演、ドラマの監修、講演など多方面で活躍している方ですが、このステージでは思いっきりアイドル的なパフォーマンスを披露し、瞬さんなど他のトランス女性の方たちもバックで踊ったりしてて、素敵でした。Perfumeの楽曲っぽいエレクトリックポップで聴きやすかったです(ご自分で作ってるんでしょうか。スゴいです)。MCでは「私たち、声がコンプレックスなので」「人前で歌うのが不安だったけど、こうして皆さんに応援していただけてうれしいです」と語り、会場から温かな声援が送られました。


 あれは、2001年のことじゃった…東京レズビアン&ゲイパレードで前日祭「GLORY」というイベントがあってな…まる一日ゲイインディーズミュージシャンのライブとドラァグクイーンのショーが繰り広げられたんじゃよ、と語りたくなりますが(「日本昔ばなし」の声で)、2000年代、パレードやレインボー祭りとともにゲイインディーズミュージックシーンが俄然盛り上がった時期があり(『VG-men』にライブの模様が収録されたり、パレードのG-menフロートでもライブが行なわれました)、TLGP2001「GLORY」でも、たくさんのアーティストがゲイらしさやレズビアンらしさ、愛や生き様やPRIDEを表現し、とても素晴らしいステージになりました(私は企画とMCをつとめました)。あれから20年以上経って、こうして、あのときと同じ舞台で川森さんやかつ江さんのような方が歌ってくれたことには、感慨を覚えずにはいられませんでした。クィアらしさを歌うアーティストが現れ、歌い続けてくれていることがうれしいですし、きっと今後もそういう方が現れ、あのステージに登場するだろうと思えることが、うれしいです。
 今回、このようなアーティストのみなさんをステージに登場させたTokyo Prideの方たちにも拍手を贈りたいです。おそらく(演奏の上手さとかよりも)クィアネスやPRIDEが重視されていたと思います。そのスタンスに心から賛同します。
 
(取材・文・写真:後藤純一)

 

プライドステージ:後半

 しばらくのインターバルののち、後半のステージイベントが始まりました。ここからはカケジクさんのレポートでお送りします。
 
 トップバッターは、東ちづるさん率いる「まぜこぜ一座」。東さんとコメディアン&マジシャンのマメ山田さんの漫才のようなやり取りにほっこり。シンガーの悠以さんの唄声とダンサーの大前光市さんの全身で訴えかけてくるダンスで観客の皆さんを魅了。最後は客席の皆さんと一緒に「Let's!まぜこぜ!」の掛け声を唱和しました。




 続いては、Pride Festival初登場のHarrisさん。ハイヒールのブーツでキレッキレのダンス!でもMCではとってもお茶目な感じでギャップがかわいかったです。後半はTOMO KOIZUMIさんのカラフルなコスチュームを身につけてのパフォーマンス。最後はメイクさんもステージに登場し、Harrisさんがこのチームを本当に大切にされている事が伝わってきました。



 3番手は八方不美人。スケジュールの都合でドリアン・ロロブリジーダさんが欠席のため、エスムラルダさんとちあきホイみさん2人でのステージ。「カワイイ」「53歳のアイドル」のエスムラルダさんと「色っぽさ、艶やかさ」「熱唱系シンガー」のちあきさんそれぞれの個性が強く打ち出された圧巻のステージでした。



 そして本日ステージのトリはAisho Nakajimaさん。黒いコスチュームのダンサーさん達を従えて白い衣装で登場。鍛え上げられた肉体でセクシーかつパワフルなステージ!でもしゃべるととてもキュートな感じで素敵な笑顔を見せてくれました。


(取材・文・写真:カケジク)

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