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『ヘアスプレー』のアンバーがゲイの若者を救うために立ち上がりました

2010年10月04日

 先日、同性の恋人と過ごしている様子をルームメイトにネット上で生中継されるといういやがらせにショックを受け、ニュージャージー州のゲイの学生が自殺するという痛ましいニュースをお伝えしました。この事件のほかにも、テキサス州ヒューストンやカリフォルニア州テハチャピの中学生のゲイの男の子がいじめを苦に自殺したりという事件が相次いでいます。(詳しくはこちら

 相次ぐ10代の同性愛者による自殺を何とか食い止めようと、MTVと女優のブリタニー・スノウがタッグを組み、「Love is Louder」というプロジェクトをスタートしました。

 ブリタニー・スノウは3年前に日本でも話題になったミュージカル映画『ヘアスプレー』で主役のトレイシーに対抗する生意気な(マイノリティをいじめる)ブロンド少女、アンバーを演じた女優です。人気ドラマ『ゴシップガール』のスピンオフ作品の主演を務めるなど、アメリカのティーンの間ではかなりの人気です。

 若いLGBTのための自殺防止ホットラインを運営している「Trevor Project」(毎年著名人をゲストに招いたチャリティ・クリスマスパーティを開催することで有名です)など、複数の団体の協力を得て実現した「Love Is Louder」は、絶望感に苦しむ10代の若者に愛と希望のメッセージを広めることが目的です。このプロジェクトについて、ブリタニー・スノウがMTVニュースの取材に応じました。
「そもそもは、最近の自殺のニュースがきっかけだったの。自分が耳にしている事実に心が痛んでもちろん他のみんなと同じように、すごく悲しく思った」とスノウは語りました。
「ツイッターだとかいろんなサイトでも、そういったニュースに怒り、動揺して、悲しんでいる人が大勢いたわ。でも、その気持ちを、救いの手をどこに差しのべたらいいか、わからないようだった」

 そこでブリタニー・スノウは、大学生の自殺防止を呼びかける団体「ジェド・ファウンデーション」のエグゼクティブ・プロデューサーを務める友人のコートニー・ノウルズに連絡を取り、「ただアドバイスを与える以上のもの」を企画できないかと持ちかけました。彼女たちは何かムーヴメントを起こそうと話し合い、「Love Is Louder」が誕生しました。

Love Is Louderはムーヴメントなの。自殺したくなったり、ただ悲しかったり、仲間外れにされたり、いじめられたり、どこにも行く場所がないと感じているティーンに呼びかけるの。同じ経験をした人がティーンを支援したり、体験談を共有できたりする場所よ。自分は独りじゃないんだ、自分の経験や希望を話せる場所があるんだ、と気づいてもらえたらいいな」

 そんなブリタニー・スノウ自身も、かつていじめられた経験があるそうです。
「自分自身、経験があるからわかるの。私は中学と高校でいじめられていたから、それなりにつらい経験の持ち主よ。それに高校時代には、とても仲のよかった友だちが自殺してしまって
「私はキッズやティーンが孤独を感じて将来に希望を持てなくなる気持ちがよく理解できるの。私からのアドバイスは、世の中には支援システムがあるということ。そして、そこには同じ経験をした人や、今も経験している人がたくさんいるんだということよ。とにかく抱え込まないで、あなたを愛し、支援してくれる人がいるんだということを知る必要があるわ」

 もしヘルプが必要なときは、サイトにアクセスし、TwitterやFacebook、MTV公式サイトなどを通じてリアルタイムにメッセージを送り、呼びかけることもできるようです。

 ティーンのシンボルである(ゲイにもきっと人気があるだろう)ブリタニー・スノウが自分の味方となり、サポートしてくれている、そう感じられるだけでもずいぶんたくさんのティーンたちが勇気づけられ、救われるのではないでしょうか。

 『ヘアスプレー』のアンバーはずいぶん憎たらしい役でしたが、ブリタニー・スノウ自身は本当に素敵な人。このプロジェクトによって、少しでも10代のゲイの自殺が少なくなることを祈ります。(後藤純一) 

 

 

ブリタニー・スノウ、相次ぐ10代の自殺を受け新プロジェクト(@niftyニュース)
http://news.nifty.com/cs/entame/moviedetail/mtv-20101004-18283/1.htm

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