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JOCが杉山文野さんを次期理事候補として承認、LGBTQコミュニティのメンバーとして史上初の快挙

 日本オリンピック委員会(JOC)は今月の役員改選に向けて開かれた10日の理事会で、元フェンシング女子日本代表でトランス男性の杉山文野さんら30人の次期理事候補者を承認しました。25日の評議員会で正式に選任されます。LGBTQコミュニティのメンバーがJOCの理事に選ばれるのはおそらく史上初の快挙です(おめでとうございます)
 

 JOCはIOCの日本の窓口として、また、日本における五輪ムーブメントを推進する組織として五輪・パラリンピックやアジア大会などの国際総合競技大会への選手派遣事業を行なう組織です。長く日本体育協会の一委員会でしたが、1989年に独立した法人となりました。
 JOCは昨年12月、組織の新陳代謝を促し、顔ぶれに多様性を持たせるため、役員候補者の選考規定を改定し、理事在任を原則最長5期10年としました。そのため、今季限りで退任する方もいらっしゃいます。この6月の役員改選に向け、選考委員会が30人の理事候補を提出しており、10日の理事会で承認されました。女性理事の候補者が全体の40%以上となったこと(現在は女性が5人)が報じられています。
 そして今回、元フェンシング女子日本代表というアスリートとしての肩書きも持つ杉山文野さんが、理事の一人に抜擢されました。東京レインボープライド共同代表など様々なLGBTQ関連の活動の実績も、JOCが目指す多様性に貢献することとして評価されたのではないでしょうか。
 
 
 なお、杉山文野さんは9日、フジテレビで放送された『フューチャーランナーズ』に出演し、トランスジェンダーとしての苦労や、パレードのこと、お子さんを授かったことなどについて語っていました。
 
 また、杉山さんは同日、日本外国特派員協会で「L.G.B.T.Q  Rights for the Tokyo Olympics 2020 and Beyond」と題された会見にも臨みました。
「日本の現役アスリートで性的マイノリティであることをカミングアウトしている人はほとんどいません。それは、“いない”のではなく、“言えない”からです」
「日本社会でのLGBTQに対する理解は劇的に進んだと感じています。同性パートナーシップも全国で100を超える自治体に広がり、民間企業でも様々な取り組みがスタートしています」
「一方で国の法整備は圧倒的に遅れている。それが課題だと思います」
 

 今後、日本のスポーツ界がLGBTQ、特にトランスジェンダーの方にとって、もっと参加しやすいものに変わっていくうえで、杉山さんが果たす役割の大きさは、計り知れないものがあると期待されます。素晴らしいです。
(東京レインボープライドは大丈夫なのか…という心配はありますが…今後の杉山さんのコメントを待ちましょう)

 
参考記事:
LGBT杉山さんらJOC理事へ 三屋会長やパラ田口さんも(共同通信)
https://nordot.app/775766860936445952?c=39546741839462401
トランスジェンダーのJOC理事誕生へ 女性4割も実現(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP6B6VQDP6BUTQP02T.html

東京オリ・パラ前に「差別」なくす法整備を(日テレ)
https://www.news24.jp/nnn/news91bhw1zgtzhvxzum7q.html

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