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『ピンクナルシス』オマージュな「Crave」などYears & YearsのMV

『It's A Sin』に主演したオリー・アレクサンダー(Years & Years)がアルバム『ナイト・コール』をリリース。その中に収められた楽曲のMVをご紹介します。

『ピンクナルシス』オマージュな「Crave」などYears & YearsのMV

 英国でエイズ禍に翻弄されるゲイの若者たちの群像を描いたドラマ『It's A Sin』で主役を務めたオリー・アレクサンダー。もともと「Years & Years」名義で音楽活動をしてきたポップ・スターですが、ソロプロジェクトになってからは初となるアルバム『ナイト・コール』が2/16にリリースされました。全編アップテンポなダンス・ミュージックで構成されたポップなアルバムの収録曲の中から3曲のMVをご紹介し、Years & Yearsの魅力に迫ります。
 
 昨年11月、LGBTQコミュニティへの支援としてハンガリーで開催されたMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードのステージに、ゲイであるオリーもプレゼンターとして出演し、「家族は家族です」(「Love is love」が同性婚実現への合言葉となっているのと同様の意味)とスピーチし、喝采を浴びました。フロントロウ「同性婚の合法化は「第一歩」、LGBTQ+アイコンであるイヤーズ&イヤーズのオリーが語る同性婚や最新作『ナイト・コール』」によると、授賞式の前、ハンガリーで同性カップルが養子を迎えられるよう支援する草の根の活動を始めた人たちに会い、彼らが使っている#FamilyIsFamilyというハッシュタグを広めるために、プレゼンテーションで「家族は家族です」と宣言したんだそう。
 そんなオリーが今回、「Years & Years」がソロプロジェクトになってからは初となるアルバム『ナイト・コール』をリリースしました。ほとんどの楽曲がコロナ禍の間に作られた曲で、みんなが孤独や孤立感を感じていた時期だからこそダンスミュージックを、と感じ、全編アップテンポな曲になっています。「聴く人たちをどこかへ連れて行ってくれる、逃避行のようなアルバム」です。すでにご紹介したカイリー・ミノーグとのコラボ曲「A Second To Midnight」以外の、3曲のMVをご紹介します。
 とってもポップでキラキラ感もあるダンス・チューン「Starstruck」は、聴いたことがある方も多いのでは? 「君に夢中。あきらめないよ」という若干ストーカー的な(Starstruckは芸能人の追っかけという意味)歌詞なのですが、MVは、自分自身に夢中なちょっとキモいオリーと、それを嫌がって逃げ回るオリーの、コミカルな映像になっています。なお、『Starstruck』は最近、日本のSIRUPとコラボしたREMIXが発表されたことでも話題です。
 「Crave」は、このアルバムの中でもオリーのいちばんのお気に入りの曲だそうで、MVは『ピンクナルシス』へのオマージュも感じられるような幻想的な映像。リル・ナズ・Xの「MONTERO (Call Me By Your Name)」と同様のテーマで、同じくらい大胆にゲイのエロティシズムを描いていて、とても素敵です。
 「Sweet Talker」のMVは、博物館に迷い込んだオリーが、アーサー王よろしく剣を引き抜き、甲冑を着た中世の騎士と戦ったり、不思議の国のアリスを思わせるシーンやクィアな舞踏会のシーンもあったりして、とてもポップで楽しい映像です。
 今までYears & Yearsの音楽に触れたことがなかったという方も、これを機にぜひ、聴いてみてください。

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