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ぷれいす東京学習会『知っておこう「サル痘」』

6月4日(土)、ぷれいす東京が「サル痘」についてのオンライン学習会を開催しました。YouTubeにアーカイブが保存されていますので、ぜひご覧ください。

ぷれいす東京学習会『知っておこう「サル痘」』

 「サル痘」の感染に性的指向は関係ありませんし、性感染症でもありませんとのニュースでお伝えしたように、米国や欧州で確認された「サル痘」患者のなかになぜか同性と性的接触を持つ人(Men who have sex with men=MSM)が目立っています。HIVにせよ新型コロナウイルスにせよ、性的指向を選んで感染するウイルスなどというものはないのですが、現状、MSMの間で感染が広がっているのは事実ですし、また、22日現在、シンガポールや韓国でも感染が確認されたため、日本にも遅かれ早かれ入ってくるだろう…そうなったとき、やはりゲイ・バイセクシュアル 男性の間で感染が広がるのでは…と不安を覚える方も少なくないと思います。
  
 韓国では、コロナ禍の初期に梨泰院のゲイクラブでクラスターが発生してゲイバッシングが起こっています。今回のサル痘に関してもすでにネット上で「同性間での性的関係によってサル痘が広がった」というホモフォビックな書き込みが広がっています。高麗大学九老病院感染内科のキム・ウジュ教授は、「伝染病の危険度は感染力と死亡率によって決定されるが、健康な人が感染すると重症率が低いが、感染者が増加し免疫力の低い人が感染すると重症化して死者が出る可能性がある」「感染者に対する差別が広がると、発症した人が隠れるようになって統制できなくなるだろう」と述べています。(WOW!Korea「また感染病?サル痘の韓国での初確認でよみがえる恐怖=韓国報道」より)
 日本でも同様に“ゲイの病気”という偏見・誤解によって世間がゲイバッシングを始めるようになると、感染防止の対策が遅れたり、誤ったり、発症した人が病院に行きづらくなって、より感染が広がる結果に…ということが危惧されるため、国や防疫の専門家、医療関係者などが正しい知識を持って事に当たることが重要ですし、僕らもまた、正しい知識を持ち、病気を過度に恐れないこと(もしサル痘かもしれないと思うような症状が現れた時にすぐに病院に行けるようになること)が大切だと思います。
  
 6月4日(土)、ぷれいす東京さんが「サル痘」についてのオンライン学習会を緊急開催してくださいました。サル痘とはどういう病気なのか、どのように感染するのか、どういうことに気をつけたらよいのか、といったことを、英国留学経験のある村松崇氏(東京医科大学病院 臨床検査医学科・医師)と仲村秀太氏(琉球大学医学部感染症・呼吸器・消化器内科学講座・医師)が解説してくださっています(また、性感染症に詳しいKARADA内科クリニックの佐藤院長がコメンテーターとしていろいろ質問しています)
 YouTubeにアーカイブが保存されていて、どなたでも視聴できるようになっていますので、ぜひご覧ください。
 
 観る時間のない方のために、簡単にポイントをまとめると、
・「サル痘」自体は昔からあったが、これほどまでにアフリカとの関連がなくアウトブレイクしているのは初めてで、世界に緊張が走っている
・現時点でかかった方の大部分がMSM(HIV陽性者の割合が高い)。大部分は軽症で、死亡例はなし
・水ぶくれの中がちょっと凹んでいるような特徴的な発疹ができる。膿っぽい液体がたまる水泡
・感染経路は接触感染と飛沫感染。理論的には空気感染もありえるが、これまで事例はない
・感染力は、はしかやコロナほど強くない
・傷口を含む粘膜との接触、寝食をともにする接触は感染しやすい
・1m以内の接触でも感染しうるが、マスクなどコロナの予防ができていれば防げる
・過去の7例を見ると、顔、体幹、手のひらや足の裏、陰部などに皮疹ができる。痛みを伴う潰瘍性皮疹。全例とも完全回復
・HIV陽性者がサル痘に感染した場合の情報は限られている。薬を飲んでなくて免疫不全が進行している人が、重く出たり、亡くなっている。英保健安全保障庁(UKHSA)の声明としては、特に何か対策をする推奨はないが、CD4価が低い人はリスクが高い
・天然痘ワクチンが効果あり
・治療薬は3種類。日本では未承認
・現時点では、症状が出ないと他の人に移す可能性はないと言われている。無症状で感染させることは考えにくい
・大部分が軽症で死亡例なしということは重要。HIV陽性者でも同じ
・性行為で感染するかどうかという点について言うと、性行為に限らず、飲み会などでもベタベタ体に触ったりするなら感染しうる。接触の程度が鍵になってくる
・唾液にもウイルスが含まれているので、皮膚が触れ合ってなくても、飛沫で移る可能性はある。ただ、コロナよりは感染力が低いので、同居家族などずっと一緒にいるとかでなければ、さほど心配することはないだろう
といった感じです。

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