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ギリアド・サイエンシズがツルバダの予防投与(PrEP)としての承認を厚労省に申請しました

2024年02月29日
ツルバダのPrEP利用の承認申請が行なわれれました

 ギリアド・サイエンシズが28日、抗HIV薬のツルバダを、HIV感染を防ぐための予防投与(PrEP)としても承認するよう厚生労働省に公知申請※しました。承認されれば国内で初めてのHIV感染症の予防薬となります。

※1 日本における医薬品について、外国での承認・使用実績および根拠となる資料が入手できる際に、科学的根拠に基づいて公知であると認められれば、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく効能または効果等の承認が可能となる制度のこと

 ギリアド・サイエンシズのツルバダは、抗HIV薬として治療に用いられてきましたが、海外では10年以上前からPrEPにも使用され、十分な実績があるため、公知申請にも適していました(なお、PrEPにはツルバダだけでなくもう1つ、デシコビという薬も使われますが、そちらは比較的新しく、海外での使用実績の期間が短いため、まずツルバダを、ということのようです)
 厚労省は日本エイズ学会からツルバダを予防薬として認めるよう要望を受けていて、昨年、ギリアド・サイエンシズに対して開発要請※していました。
 
※2 海外で承認されていながら日本では承認されていない「国内未承認薬」については、国内での薬事承認を得るまでに長い年月を要する「ドラッグ・ラグ」が問題視されてきました。2010年に薬価制度として「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」が試行的に導入されるとともに、厚労省は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(以下、検討会議)を設置し、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促進してきました。国内未承認薬については、開発要望を募集し、応募があった開発要望については、検討会議で医療上の必要性を評価するとともに、製造販売承認申請に必要な試験の妥当性や公知申請への該当性を確認する等の検討を経たうえで、開発企業を募集または開発要請を行なう流れになっています

 ギリアド・サイエンシズは28日、厚労省に対し、ツルバダを予防薬としても使えるように承認申請したと発表しました。
 薬事承認されると、これまでいわばアンダーグラウンドな状態に置かれていたPrEPが、晴れて公的に認められた予防法として堂々と利用できるようになります。
 しかし、厚労省は予防投与については公的医療保険を適用しない方針で、ツルバダが予防投与(PrEP)として承認(適応追加)されたとしても、保険適用の対象にはならないそうです。保険が適用されなければ恐ろしく薬価が高くなり、ほとんどの人は自費で買うことが難しいだろうと予想されます。
 国立国際医療研究センター(東京)エイズ治療・研究開発センターの水島大輔治療開発室長は、「承認されれば、医師らが予防法として情報提供しやすくなる。感染リスクが高い人が確実に服用するには、公費助成の仕組みも必要だ」と話しています。

 
 なお、こちらの記事によると、ツルバダのPrEPへの適用が承認されると、これまで多くの人が利用してきたツルバダのジェネリック薬が日本で買えなくなるそうです(厚生局が「国内に代替品のない薬剤に関してのみ、輸入を許可する」というルールの元、業者へ輸入許可を出しているためです)。そうすると個人輸入に頼らざるをえなくなり、品質保障の面の不安もありますし、輸入量に制限があり(上限1ヵ月分まで)、また、到着まで2週間ほどかかることから、安定的に薬をキープするのが難しくなりそうです。新薬のデシコビのジェネリック薬については、これまで通り購入可能であるため、ツルバダの薬事承認後はデシコビジェネリックに切り替える方が増えるのではないかと予想されます(本当は予防適応していただくのがいちばんなんですけどね…)
 その辺りのことは、また追って情報をお届けしたいと思います。
 
  

参考記事:
HIV治療薬「ツルバダ」“予防投与”でも承認申請 承認されれば国内初(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1026799
HIV治療薬「ツルバダ」、予防投与でも申請…承認国では「適切な服用で99%感染予防」(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240229-OYT1T50065/
HIV治療薬、感染予防で追加申請(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240301/ddm/012/040/058000c
HIV治療薬「ツルバダ」の予防投与 ギリアド社が適応追加を申請(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASS2X5WBVS2XUTFL00W.html

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