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【婚姻平等訴訟】東京二次訴訟が結審、判決は11月28日

2025年05月20日
【婚姻平等訴訟】東京二次訴訟が結審、判決は11月28日

「結婚の自由をすべての人に」東京二次訴訟の控訴審第3回口頭弁論が20日、東京高裁で開かれ、結審しました。東亜由美裁判長は判決期日を11月28日に指定しました。すでに全国5地裁で違憲判断が出ていて、11月に高裁判決が出そろうことになります。

 
 北は北海道から、南は沖縄まで、全国から集まった支援者がレインボーフラッグを持って応援するなか、原告と弁護団のみなさんが東京高裁入りしました。
 今日の弁論では福田理恵さんと藤井美由紀さん、ケイさんの3人の控訴人(原告)が意見陳述しました。
 藤井美由紀さんは、福田さんとニューヨークで法的に結婚しましたが、そのときには母が亡くなっていて、伝えることもできなかったと、もし日本で結婚できていたら母に伝えられたのではないかと語り、こみあげてくる涙をこらえながら、婚姻平等は誰の幸せを奪うものでもありません、特別な権利を望むものでもありません、ただ異性婚と同じ平等な法的保護を求めています、これ以上待てません、未来の人たちにとっても早く、今変わってほしいです、と訴えました。
 福田理恵さんはニューヨークで結婚した後、帰りに乗った日本の航空会社の機内で入国書類を配っていた客室乗務員に「家族なら一緒に税関申告できる」と言われ、「アメリカでは結婚している」と伝えたところ、何も言わずに別々の申告書を差し出され、「一度平等を味わった私にとって、この差別の不条理は耐えがたいものでした」と、怒りと悲しみが入り混じる気持ちだったと振り返りました。異性愛者は当たり前に結婚できて安心感や社会からの承認を得られるということを経験できるのに、それがない私たちは大きな差別を強いられている、日本では結婚を通して得られる幸福と安心が奪われていると痛感します、未来を変える一歩になるような判決を出してください、と訴えました。
 ケイさんは、裁判が始まってからパートナーの方と別れてしまったそうですが、なぜ法廷に立ち続け、闘い続けるのかということを意見陳述にあたって問い直して、出た答えを7分に詰め込んだそうです。制度から排除されてきたことで、自分が、社会に自分のことを語れず、アイデンティティを傷つけられてきた、婚姻できないということは制度上の不便さだけではなく、存在を公的に認められていないことである、好きな人と生きる権利を国が承認しないことによって私の人生が無かったことにされる、婚姻制度は特定の誰かがいるかいないかに関わらず、全ての人に保証されるべきであり、私自身の尊厳を取り戻す闘いでもある、と語りました。
東京二次訴訟 控訴審 第3回期日報告会より)

 代理人弁護士の方たちによると、今回、違憲判決を求めるのは当然として、さらに、まだどの裁判所も認めていない立法不作為による国家賠償請求についても強く求めたそうです(慶應義塾大の駒村圭吾教授(憲法学)による「すでに違憲は明白であり、長期間是正されずにいるのだから、国賠法に基づく違法も認められるべき」との意見書も提出したそう)。国賠が認められるためには「違憲の明白性」と「長期間の懈怠(けたい。怠ること)」という二つの要件を満たす必要がありますが、札幌地裁の違憲判決から4年が経過しており、国会にはすでに同性婚を法制化する法案も提出されているにもかかわらず、国(政府)は一向に議論を進めようとせず、「注視」を繰り返すばかりなので、十分、長期間の懈怠に該当するとの考えです。国会が動かないことに対して楔を打つねらいです。
 したがって、11月の判決で注目されるポイントは、このようなところになります。
憲法違反
・明確な違憲判決を下すか? どの条文に違反?
・性的指向だけでなく性自認に基づく差別と言うか?
・現行制度の利用を認めないことが違憲と言うか?(別制度を許容しない?)
国賠法
・違憲の明白性、長期間の懈怠という二つの要件を満たすか?
・損害賠償請求を認めるか?
東京二次訴訟 控訴審 第3回期日報告会より)


 気になる今後の動きですが、弁護団の方たちによると、東京一次や他地域と一緒に最高裁での弁論に臨めるかどうかは最高裁の態度次第(どこまで待つか)だそうです。まだ判決も出ていないので上告するかどうかもわからないと、そしてもし11月に完璧な違憲判決が出て、損害賠償請求が満額認められるかたちで勝訴したら、こちらは上告できないことになる(完全勝訴ならそうなりますよね。というか、そうなるといいですね)、おそらく国が上告するだろう、と話していました
 
 11月28日の判決は、違憲かどうかだけでなく、国家賠償が認められるかどうかも注目されます。
 東京高裁101号法廷(広い部屋です)で11時から判決が言い渡されます。最後の高裁判決の傍聴を希望する方はとても多くなると予想されますが、応援したいという方はぜひ。また近くなりましたら、詳細をお伝えします。
 
 
参考記事:
同性婚訴訟 6件目の2審判決は11月28日 2審で最後 判断注目(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250520/k10014811211000.html
【速報】同性婚東京第2次訴訟の控訴審が結審…判決は11月28日に 同種訴訟は2審の5件全てで「憲法違反」の判断(日テレ)
https://news.ntv.co.jp/category/society/d2e095cb92264909800aa6675c6f6f66
「結婚の自由をすべての人に」同性婚 東京第二次訴訟の控訴審が結審 判決は11月28日(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1926100
同性婚東京第2次訴訟、高裁判決は11月(共同通信)
https://nordot.app/1297478799892513682?c=302675738515047521?c=302675738515047521
同性婚訴訟11月判決 東京第2次、高裁で結審(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD20AE00Q5A520C2000000/
無言で渡された入国書類に感じた、日本で「妻と妻」になれない悲しみ。結婚の平等裁判、東京2次の高裁判決は11月28日Together(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_682ad842e4b0d60696ed8624

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