features

その他の記事

特集:第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)

第26回レインボー・リール東京が7⽉8⽇(土)~17⽇(月祝)の10日間、シネマート新宿とスパイラルホールの2会場で開催されます。今年も、この映画祭でしか観られないであろう貴重な作品が多数、上映されます。特集をお届けします。

特集:第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)

(『ファーザーズ』より)

 

昨年、第25回を機に名称をレインボー・リール東京と改めた東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。25周年となる今年の第26回レインボー・リール東京は、7⽉8⽇(土)~17⽇(月祝)の10日間、シネマート新宿とスパイラルホールの2会場で開催されます。今年も日本初公開で、この映画祭でしか観られないであろう貴重な作品が多数、上映されます。ゲイイベントがいちばん盛り上がりを見せる季節、ぜひ映画祭にも足をお運びください。(後藤純一)

 

 

第26回レインボー・リール東京 概要


 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭は1992年に中野の小さな会議室でスタートし、1996年からは現在の表参道・スパイラルホールで開催されるようになりました。毎年多くのファンの方に愛され、観客動員数はのべ10万人を突破し、LGBTだけでなく一般の映画ファンなどからも高い支持を集めています。今年、めでたく25周年を迎え、ゲイコミュニティのイベントととしての最長記録を更新します。
 そんな東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が昨年、25回という節目に際し、名称を「レインボー・リール東京」と改め、新たなスタートを切りました。スパイラルホールでのオープニングに際しては、レスリー・キーさんの「PHANTOM」や早見優さんのビデオメッセージが上映され、1階のスパイラルガーデンで華やかなレセプションパーティが開催されました(詳しくはこちら
 今年も、7月の海の日を含む3連休を中心に、大勢のゲイの方、レズビアンの方、いろんな方が集まって、映画をいっしょに観て笑ったり泣いたり(拍手が起こったり)、トークイベントを楽しんだり、ホワイエでブースを見て回ったり、冷たいドリンクを飲んだり(フリーです)、時にはステキな出会いもあったり(?)、充実した休日を過ごしていただけることと思います。

第26回 レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)
7月8⽇(土)~7月14日(金) @シネマート新宿
7月14日(金)~7月17日(月祝) @スパイラルホール  
チケット:1回券(日時指定)前売1,400円 当日1,700円、スパイラル4回券(日時指定なし・前売り限定・使用条件あり)5,200円、スパイラルパス引換券(限定100枚)前売12,000円 当日14,000円(チケットの詳細はこちら

今年のオススメ作品


 レインボー・リール東京では、海外の映画祭で話題になったようなセクシュアルマイノリティ(クィア)をフィーチャーした珠玉のドラマやドキュメンタリーを厳選して上映されます。ほとんどが日本初上映で、この映画祭でしか観ることができない名作・感動作にたくさん出会えます。
 今年の海外長編作品としては、孤児を養子として育てるゲイカップルを描き、タイの映画賞に多数ノミネー トされた感動のファミリードラマ『ファーザーズ』や、フィリピン人と台湾人の国境を超えた友情と自分探しを描いた『迷い子たちの物語』などアジア系の作品が目立っています(アジアンクィア映画祭に行かれていた方などはよくご存じだと思いますが、アジア映画はとてもエモーショナルな傑作が多いです。昨年上映されたタイ映画『チェッカーで(毎回)勝つ方法』もそうでした)。ニューヨークのクィアカルチャーの今を捉え、『パリ、夜は眠らない』を彷彿させる『キキ ―夜明けはまだ遠く―』、フランスの巨匠アンドレ・テシネが監督した『17歳にもなると』も観ておきたいですね。

 また、女優・東ちづるさんが企画からキャスティング、プロデューサーまでを務めた記録映画『私はワタシ 〜overtherainbow〜』や、クィアムービーの支援・振興を目的に設立されたAPQFAA(AsiaPacificQueer Film Festival Alliance)に加盟する映画祭が推薦する短編6作品を集めた『QUEER×APAC 〜APQFAA 傑作選 2017〜』など、日本を含むアジア・太平洋地域の新しい才能もフィーチャーされています。
 ほかにもレズビアン作品やコンペ作品など、たくさんの作品が上映されます。あまり期待せずに観てみたらとんでもない名作だったということがあったりする、そういうところも映画祭の醍醐味だと思いますので、公式サイトで上映作品およびスケジュールをチェックして、ぜひ、映画祭に足を運んでみてください。

『ファーザーズ』
7/8(土)19:00〜@シネマート新宿
7/15(土)15:55〜@スパイラルホール

 交際13年のプーンとユクは、孤児の少年を養子として引き取り、育てている。小学校に上がった少年は、同級生から父が二人いることをからかわれ、実の母について興味を持ち始める。そんな時、一家のもとに児童権利保護団体のスタッフが現れ、プーンとユクは少年のために大きな決断をすることを迫られるが…。
 偏見にさらされながらも家族愛を貫こうとするカップルを描き、タイの映画賞に多数ノミネートされた感動のファミリードラマ。

『ファーザーズ』英題:Fathers|監督:パラトポル・ミンポーンピチット|2016|タイ|96分|タイ語 ★日本初上映


『キキ ―夜明けはまだ遠く―』
7/10(月)19:00〜@シネマート新宿
7/15(土)11:30〜@スパイラルホール

 セクシュアルマイノリティの中でもマイノリティである有色人種の若者たち。現在のニューヨークで、彼らは社会の抑圧と闘いながら独自のパーティーシーン「キキ」を形成している。4年間にわたって撮影された本作は、圧巻のダンス映像に加え、数多くのインタビューからアンダーグラウンドのカルチャーに迫る作品。2016年ベルリン国際映画祭でテディ賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、世界の映画祭で高く評価された必見の一作。

『キキ ―夜明けはまだ遠く―』英題:Kiki|監督:サラ・ジョルディノ|2016|スウェーデン、アメリカ|94分|英語 ★日本初上映


『迷い子たちの物語』
7/12(水)19:00〜@シネマート新宿
7/15(土)13:45〜@スパイラルホール

 妊娠した恋人をマニラに置いて台北を訪れたフィリピン人の整備工アレックスは、偶然出会った台湾人の医大生ジェリーと意気投合する。二人は母との関係に悩んでいた。母に置き去りにされたアレックスと、ゲイであることを保守的な少数民族の両親に告げられずにいるジェリー。二人はジェリーの家族に会いに彼の故郷・宜蘭へ向かうが…。
 フィリピンのクィア映画界の革新者ホセリト・アルタレホスが国際共同製作に初挑戦した野心作。

『迷い子たちの物語』英題:Tale of the Lost Boys|監督:ホセリト・アルタレホス|2017|台湾、フィリピン|90分|英語、タガログ語、中国語、アタヤル語 ★日本初上映


『17歳にもなると』
7/15(土)20:25〜、7/17(月祝)19:40〜@スパイラルホール

 ワガママなダミアンは17歳。母と一緒にフランスのピレネー山脈近くの街で軍人の父の帰りを待っている。ダミアンと農家の養子トマは衝突を繰り返していたが、トマの母が入院したことで、ダミアンの母がトマを一時的に引き取ろうと提案する。
 フランスの巨匠アンドレ・テシネが『トムボーイ』(第20回上映)の監督セリーヌ・シアマを脚本に迎えて手がけた青春ラブストーリー。2016年ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作。7/17の上映の際、クロージングイベントがあります。

『17歳にもなると』英題:Being 17|原題:Quand on a 17 ans|監督:アンドレ・テシネ|2016|フランス|116分|フランス語、スペイン語 ★日本初上映


『僕の世界の中心は』
7/14(金)20:00〜、7/16(日)13:40 〜@スパイラルホール

 サマーキャンプから帰ってきたフィルは、双子の姉妹と母の間に険悪な空気を感じ取る。家での居心地が悪くなり、残りの夏休みを女友達のカットと遊び歩くフィル。新学期が始まると、そこには謎めいた新入生のニコラスが。カットの忠告をよそに、フィルはニコラスと恋に落ちるが…。
 軽快でポップな演出と重厚な家族のドラマが融合。2015年東京国際映画祭で最優秀男優賞(『ヒトラーの忘れもの』)を受賞したルイス・ホフマンが主演。7/14の上映の際、オープニングイベントがあります。

『僕の世界の中心は』英題:Center of My World|原題:Die Mitte der Welt|監督:ヤーコプ・M・エルヴァ|2016|ドイツ、オーストリア|115分|ドイツ語、英語 ★日本初上映


『私はワタシ ~over the rainbow~』
7/16(日)18:25〜@スパイラルホール

 痛み、苦悩、ファンタジー、希望…。企画・キャスティング・プロデューサーの東ちづるさんが40人以上のセクシュアルマイノリティにインタビューし、言葉を紡いだ記録映画。『バディ』や『G-men』の創刊やHIV陽性者ネットワーク「JaNP+」などで活躍してきた長谷川博史さんを軸に、ピーターさん、はるな愛さん、清貴さんなどの著名人や活動家たち、生きづらさを感じる人たちのメッセージが次々と届けられ、心に染みる。もやもやしないフラットな、唯一無二のドキュメンタリー!
 上映の際、トークイベントが予定されています。

『私はワタシ ~over the rainbow~』英題:I am what I am. – Over the Rainbow –|監督:増田玄樹|2017|日本|75分|日本語|制作:一般社団法人Get in touch


『QUEER×APAC ~APQFFA傑作選2017~』
7/14(金)19:00〜@シネマート新宿
7/16(日)11:30〜@スパイラルホール

 アジア・太平洋地域でのLGBT映画の支援・振興を目的として2015年に設立されたAsia Pacific Queer Film Festival Alliance (APQFFA)。このアライアンスに加盟する映画祭が推薦する短編映画の中から6作品をピックアップして上映。各国の新しい才能に注目!

『始まりの駅』
 HIV感染の危険があるセックスをした後にPrEP(曝露前予防)を始め、3ヵ月後のスクリーニング検査を待っているジーヤン。彼は憧れの人が開催する演技クラスに参加することになったが、不安を隠しきれず…。(2016|アメリカ、中国|監督:タオ・ジア)

『晴れ舞台』
 子供の頃、同じ学校の生徒からいじめや嫌がらせを受けていたサード。数年後、成長したサードはトランス女性として舞台に立つ。観客の中にいる母は、果たしてサードの真の姿を受け入れるのか?
(2016|パキスタン|監督:アミナ・マリク)

『誕生日パーティー』
 弁護士としてバリバリ働くブルックは祖父入院の知らせを受け、5年ぶりにオアフに帰郷する。しかし、家族の様子がどうもおかしい。早く職場に戻るようにと矢のような催促を受ける中、彼女は真相を突き止めようする。(2016|アメリカ|監督:ジャナ・パク・ムーア)

『ある日』
 家路を急ぐカビールとアルナブにとって、その夜はいつもと変わりない夜だった。道端で警官に引き留められるまでは。次第にエスカレートしていく警官の差別的な尋問。そこに思いがけない助っ人が現れて…。(2016|インド|監督:スリカント・アナンスクリシュナン、ヴィクラント・ドテ)

『モモ』
 ソヒはドイツへ留学する元恋人と再会し、二人で飼っていたネコのモモを引き取ることにする。しかし、ソヒと同棲している現在の恋人ユジンは、元恋人との思い出をよみがえらせるモモを飼うことに反対する。(2016|韓国|監督:チャン・ヨンジュ)

『ダム』
 10年ぶりに再会した旧友同士。二人は若い頃によく訪れていたダムを再訪する。年老いた二人に残された時間は少ない。長年の思いを思い出の場所で分かち合うことができるのだろうか?(2016|オーストラリア|監督:ブレンドン・マクドナル)