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レポート:第26回レインボー・リール東京

7月8日(土)から17日(月祝)まで、シネマート新宿と表参道のスパイラルホールで「第26回レインボー・リール東京」が開催されました。今年も厳選された良質なクィアムービーが多数、上映され、本当に有意義な時間を過ごすことができました。レポートをお送りします。

レポート:第26回レインボー・リール東京

 2017年7月8日(土)、二丁目に程近いシネマート新宿で『ファーザーズ』が上映され、第26回レインボー・リール東京が開幕しました。開場は18:45からだったのですが、18:30にはすでに大勢のお客様が詰めかけていて、熱気を感じさせました。開場を前に、スタッフの方が「今年もみなさまのおかげで映画祭を開催することができましたことをお礼申し上げます。本当にありがとうございます」とご挨拶し、拍手が起こっていました。
 そして、気づけば300席超の会場は満員となり、立ち見も出たそうです(シネマート新宿では初だそう)。みなさんとても熱心に映画をご覧になっていました。上映後には拍手も起こりました。
 そこから14日(金)まで、連日19:00から映画が上映されていました。 

 今年も本編上映前に協賛企業のCMが上映されました。LGBTファイナンス(LGBTを支援する金融系企業のネットワーク)、ルピシア、TOOT、アルファロメオ、そして7/22から公開される『ダイ・ビューティフル』などでした。 
 

 14日(金)には表参道のスパイラルホールで映画祭の本祭が開幕しました。
 オープニングイベントとして、エスムラルダさん、映画祭代表の宮沢さん、田亀源五郎さんによるトークショーが行われました。
 エスムラルダさんはとっておきのゴージャスな衣装で、会場の中央のドアから登場し、スポットライトを浴びながら、お客さんに愛想を振りまきながら、前方へと歩いて行きました。
 宮沢さんは、名称が変わった今も、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭という旧名に思い入れがある、と語りました。20年くらい前からスタッフをやっているそうですが、当時は営業に行く際に「レズビアン&ゲイ」と言うことに抵抗がありました…という打ち明け話もしてくれました。 
 田亀さんは、『弟の夫』第4巻(最終巻)の発売について、軽妙洒脱なトーンで「電車で読んでも咎められない初の作品です」と冗談を交じえつつ、『弟の夫』を描こうと思った意図を「ゲイのことが可視化されていった結果、社会で生まれるいろいろなことを描きたいと思った」と語っていました(『私はワタシ』の中では、カミングアウトしたくない人を引っ張り出すわけにはいかないから、カミングアウトしても大丈夫なように「地ならし」しておきたい、とおっしゃっていました)。また、連載開始時には渋谷区の同性パートナーシップ条例もなかったしアメリカでも同性婚が州レベルだった、時代がどんどん進んでいって、感慨深いものがある、とおっしゃっていました。
 それから、この回の上映作品である『僕の世界の中心は』の紹介があって、とても参考になりました(観ている最中に、トークイベントで田亀さんがおっしゃっていたのはこの場面のことか!と納得したり)


L&G Timpaniのお二人

ルピシアのブースでは
お茶がふるまわれました

AIGは、社内でのLGBT施策も進み、
TRPにもフロートを出展したアライ企業
 ホワイエでは、いつものようにフリードリンクのブースがあったり(フレシネのシャンパンもふるまわれていました)、生命保険のAIGやお茶のルピシアのブースが設けられていました。
 また、シャーロット・ケイト・フォックスさん、三ツ矢雄二さん、尾木直樹さん、安冨歩さんら著名人からの応援メッセージが展示されていたり、HIV予防関連のさまざまなパンフレットが置かれていたりしました。
 また、今回は、KIOSKと呼ばれる映画祭が出店している共同ブースで、田亀さんの『弟の夫』の第4巻(一部、サイン入り)が販売されていたほか、うさきこうさんの『ぼくのほんとうの話』の発売記念サイン会も行われた模様です。今や映画祭で最も古くから出店しているブースとなったL&G Timpaniのレインボー・アクセサリーも、ひっきりなしにお客さんが訪れ、好評を博していました。
  

東ちづるさんと監督の増田さん

出演された方々
 16日(日)の『私はワタシ ~over the rainbow~』の上映の際は、企画・キャスティング・プロデュースを務めた東ちづるさんと監督の増田玄樹さんが登場し、トークショーでこの作品の誕生秘話や思い入れ、苦労話などを語り、増田玄樹さんがこの映画のために作ったテーマソング「life is beautiful.」を弾き語りで歌ってくれたりもしました。
 上映終了後、ロビーに出演者の方々が集まり、記念写真を撮る場面も。(また、出演はしていないのですが、三ツ矢雄二さんが駆けつけてくださいました)

 17日(海の日)には、恒例のレインボー・リール・コンペティション(今年の応募作品は、監督は全てストレートの方ながら、映像的にも内容的にも質が高かったそうです)の後、『17歳にもなると』でクロージングイベントが行われました。レインボー・リール・コンペティションに引き続き、あのブルボンヌさんと映画評論家のよしひろまさみちさん、映画祭代表の宮沢さんが登場し、とても華やかに盛り上げてくださいました。
ブルボンヌさん「レインボー・リール東京は今や、東京を代表する老舗の国際映画祭になりましたね」
宮沢さん「東京国際映画祭と同じくらいですね」
よしひろさん「LGBTが認知されるようになってきたのはレインボー・リール東京のおかげでもあると思います。スタッフの皆さんの尽力の賜物ですね」
 それから、上映作『17歳にもなると』の紹介が行われ(ブルボンヌさんが「10代の若さゆえの感情。私たちもシンパシーを感じますね」と言って笑わせてくれたり)、最後に、宮沢さんから「長い期間、映画祭に通ってくださってありがとうございます。皆さんのおかげで今年も無事に開催できました」とお礼のご挨拶がありました。
 
 レインボー・リール東京には、今年ものべ4000人超の観客が足を運んだそうです。シネマート新宿で初めての満員(立ち見の方も)が出たということもあり、盛況で何よりでした。
 25回を記念してOUT IN JAPAN展が行われたりレスリー・キーさんの作品がお披露目されたり公式パーティが開催されたりと華やかだった昨年に比べると、今年は地味に見えたかもしれませんが(正直、出展ブースも少なめでしたが)、それでも、ここでしか観ることのできないような良質なクィアムービーがたくさん上映され、同じところで笑ったり、泣いたり、最後に拍手が起きたり、あの映画よかったよね、などと友達と語り合ったり、そういう時間を過ごせることが何よりも素晴らしく、ぜひこれからも、30回、40回と続いていってほしいなぁと願うものです。
 毎年ボランティアでこの意義ある映画祭の運営に携わっているスタッフのみなさんに、感謝申し上げたいと思います。本当におつかれさまでした。ありがとうございました。

☆第26回レインボー・リール東京のフォトアルバムはこちら


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