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レポート:第16回東京レインボー祭り

2015年8月16日(日)、新宿二丁目の特設会場で、第16回東京レインボー祭りが開催されました。今年も神輿やエイサーやダンス・パフォーマンスが繰り広げられ、みんなで風船を空に放ち、楽しく、あたたかく、幸せなお祭りとなりました。

レポート:第16回東京レインボー祭り

いい感じのお祭り日和となった2015年8月16日(日)、新宿二丁目の特設会場で今年もレインボー祭りが盛大に開催されました。おなじみの野郎神輿やエイサー、二丁目のお店の関係者によるダンス・パフォーマンスやライブなどが繰り広げられ、ママさんのいる屋台を楽しみ、最後にはみんなで一斉に風船を空に放ち…今年も楽しく、感動的な、意義あるお祭りとなりました。レポートをお送りします。(後藤純一)


 8月16日(日)はジリジリ焼き付けるような日差しでもなく、雨も降らず、ちょっと蒸し暑いながらも、水をかけあったりするにはちょうどいい、お祭り日和でした。
 お祭りがスタートする15分くらい前に会場に到着すると、前夜の土曜日は二丁目で朝までお店を営業していてほとんど寝ていないだろう振興会のお店のマスター(ママさん)たちが力を合わせ、準備にあたっていました。なかでも、毎年音響関係の設営にあたっているangenさん(『ZETA TOKYO』)は(DJのKAZZさんもお手伝い)、汗びっしょりでした(本当におつかれさまです)

 会場には三々五々人が集まってきていて、パフォーマンスのリハーサルを見たりしていました。
 今年、いつもとちょっと違ったのは、新しくオープンというか、キレイになった新宿公園に本部テントが設けられていたこと。こちらでプレスの受付をしたり、会場やスケジュールを案内する紙を配ったりしていました。お客さんも、以前は歩道に腰をかけていたりしたのですが、公園のなかでゆったり座れたり休んだりできるようになってよかったのではないでしょうか。
 会場を回ってみると、ビールや酎ハイを売るいくつかの屋台に加え、今年もAiSOTOPE&ArcH&ALAMAS合同のパイ投げブースがあり(1回500円、指名料500円)、おばらさんやともちかさんが顔を真っ白にして(体を張って)盛り上げていました(素晴らしい)

 15時過ぎ、二丁目振興会会長のToshiさん(『Base』)お祭りがスタート。ほどなくして恒例の野郎神輿がスタートしました。出発地点では、法被&六尺姿のいなせなお祭り野郎たちが円陣を組んで気合のかけ声を上げていました(今年らしく「シャイニー!シャイニー!シャイニー!」でした)。スーパー神輿ムーン(あいぼんさん)と神輿ード仮面さん(『Gadget』のマスター)が軽やかに舞うのに続いて、野郎神輿が二丁目の路地を練り歩きます。屋台にさしかかるとママたちからバシャバシャ水をかけられ、みなさん「水もしたたるいい男」になっていました。

 続いて、パフォーマンスタイムその1。トップバッターはバー「Shoop」のみなさん。マリーアントワネットばりの巨大なスカートの中から4人も人が出てきて、歓声が上がりました。あの広いステージ(路上)を活かしたゴージャスなショー。レインボーの衣装も素敵でした!
 「今ふとりゆくアイドル」さんけたクローバーZのみなさんは、定番の「行くぜっ!怪盗少女」と「ココ☆ナツ」で元気よく盛り上げました。水鉄砲をお客さんに配って、サビの部分で水をかけてください〜って。楽しくて、涼しげで、夏祭りらしいパフォーマンスでした。

 パフォーマンスタイムその2のトップバッターはマヨレスク。平日はノンケさんも多い「XANADU」のお客さんによる、バーレスクダンスユニットです。アギレラの映画『バーレスク』の曲とかで、衣装もダンスもカッコよく決めていました。
 そして、この日の夜の「つんパラ。」にも出演していた「ほびっつ☆」の登場。360度どこからでも見えるようにという配慮が行き届いたフォーメーションが素晴らしく、ダンスの完成度も高く、カラフルな衣装もかわいかったです。
 トリを飾ったのは、おなじみの日出郎さん。今回は、今まであまり歌ったことのない「マッチョマンのおにぎり」という元気な歌(日出郎さん、坂本ちゃん、ずれやまズレ子さんのユニット「花中」の日本応援ソング)を披露。ピース!
 ちなみにショータイム中、日出郎さんもからんでいた3歳くらいの女の子が、うっかり持っていた風船を手放してしまい…それを見たマッチョな兄貴が自分の風船をあげていて、ちょっとジーンときました(惚れました)。考えてみると、風船自体もコミュニティセンター「akta」への寄付となるものなので、いろんな意味で意義深い光景でした。

 気づけばあっという間に最後のパフォーマンス、「新虹」のエイサーの時間になりました。ちょんだらー(道化役)の先導で、レインボーに色分けされた衣装で道じゅねー(練り歩き)してきた大勢の踊り手たち。太鼓の方、手踊りの方、何十人もの踊り手たちがずらりと並んで演舞する様は壮観でした。最後はお客さんもいっしょに、輪になって踊りました。ゲイもビアンもトランスジェンダーも、ノンケさんも、お年寄りも子どもも、外国人も、本当にいろんな人たちが笑顔で踊る様は、レインボー祭りならでは。これが平和というものだよなぁ…と(特に今年は)感動しました。
 
 フィナーレの、毎年恒例となっているバルーンリリースを前に、振興会会長のToshiさんが締めのご挨拶をしました。二丁目はゲイやレズビアンだけの街ではありません、町内会の方の理解も得られないとお祭りもできないのです、最近、新宿公園で夜中に騒いだり、ゴミを放置したりという人たちがとても多いと苦情がきている、みなさんの協力なしにはやっていけません、どうぞよろしくお願いします。そういうお話をして、Toshiさんは聴衆に向かって深々と頭を下げていました…。思わず、イベントが終わったあと、飲んだあとのビールの缶が道端に置かれていたのを片付けたりしました。

 二丁目は、ただの歓楽街ではありません。セクシュアリティのことを職場や地域、家族になかなか言えない(理解を得られない)人たちが安心して自分らしくいられる、心から楽しめる街であり、一生モノのパートナーや友人に出会える街であり、ゲイカルチャーのメッカであり、何か困ったことき相談できる人たちがいる(「akta」もそうですし、バーのママとかもそうでしょう)、かけがえのない意義をもっている街です。そして、川口昭美さんや隼人さん、ミッキーさん…先に天国に行ってしまった方々もいらっしゃいますが(レインボー祭りがお盆の時期に開催されるのも偶然ではないのかも?)、そうした先人たちの、二丁目をよりよい街にしていこうという思いの結晶がレインボー祭りです。初期の頃を経験してない若い子が「昔は花火が上がってたんですよね? 見たかったなあ…」と目を輝かせていましたが、このお祭りがもう16年も続いてきたことで「歴史=物語」になり、そのことで二丁目(コミュニティ)がもっと好きになったり誇りを持てるようになったりもする、次の世代に素敵なバトンを手渡す役割も果たしているのかもしれないな、とも思いました。
 
 今年も振興会に加盟するたくさんのお店の方々、大勢の出演者やスタッフの方々のおかげで、夏の日の楽しい一日を、素晴らしいお祭りを経験できたことに感謝したいと思います。本当にありがとうございました!

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