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レポート:京都レインボープライド2025
4月12日(土)、梅小路公園で第5回を数える京都レインボープライド2025が開催されました。7000名超が参加したそうです。VENさんによるレポートをお届けします

2025年4月12日(土)、京都市で5回目を数える京都レインボープライドが開催されました。2025年のテーマは「おかえり、ただいま。~出逢ってくれてありがとう~」。「いつでも帰りたいと思える京都、誰でも迎えられる京都」を目指し、安心して暮らせる社会を創造していくために、今年も開催されました。
そんな京都レインボープライドですが、初回は雨に降られ、2回目は快晴、3回目でまた雨模様になり、昨年の4回目が晴れという天気でしたので、今年はどうかな、大丈夫かな…と心配していたのですが、見事に晴れました!
集合場所の京都梅小路公園に少し早めに行きました。桜が散り始めていて、とてもきれいでした。会場では、みなさんブースやステージの準備を急ピッチで進めていらっしゃいました。
初めに出展ブースをご紹介します。
11時にステージイベントがスタートしました。初めに実行委員の方々から開会のあいさつがありました。代表のLOYさんが「晴れてよかったです」とホッとしたように語っていたのが印象的でした。
京都市の吉田副市長、長岡京市の中小路市長のスピーチがありました。開催の祝福のお言葉、多様性への理解の必要性、世界情勢などタイムリーな内容でした。
性善寺の柴谷住職の法話。京都レインボープライドとのご縁などについて語る、素敵なお話でした。
JAPAN PRIDE NETWORKのみなさんがステージに。今回は札幌、名古屋、大阪、岡山、福岡のプライドの主催団体の方たちが登壇しました。今年も各地でプライドイベントが開催されます。
続いて、今年初参加の龍谷大学吹奏楽部による演奏&マーチングが披露されました。息がピッタリ合った迫力ある演奏でした。
ブース紹介の時間です。PLANET(HIV/エイズとともに生きる会)、学生ジェンダーサミットなどが活動内容の紹介やブースの告知をしました。
続いて名古屋を中心に活動している男装ユニット「Otto」が京都初登場。ファンの方もたくさん駆けつけ、ライトや団扇を持って声援を送っていました。キレのいいダンスがカッコよかったです。
前半最後のステージは、京都朝鮮中高級学校吹奏楽部のみなさんによる演奏&マーチング。民族音楽や映画音楽など多彩な曲を聴かせてくれました。指揮を務めた先生が京都レインボープライドの公式Tシャツを着てくださっていたのも素敵でした。
パレード出発の時間が近づいてきて、ステージ前で整列が始まりました。
今年はコースが少し変わり、京都梅小路公園駅→七条通→西本願寺→堀川通→塩小路通→京都駅前・京都タワー→烏丸通→東本願寺→七条通→西本願寺→京都梅小路公園というコースになりました。
整列後、梅小路公園駅まで隊列のまま移動しました。公園内ではマルシェも開催されていて、たくさんの人でにぎわっていました。こちらに注目する方たちもいらっしゃいました。
梅小路公園駅前でフロート(先導車)も合流し、14時にパレードがスタート!しました。
先頭では代表のLOYさんが横断幕を持って歩きました。その後に実行委員のみなさんや「いろどりスマイル」の方、「Marriage for All Japan」の方、JAPAN PRIDE NETWORKのみなさん、「ハピネスお茶会」のみなさん、「にじいろかぞく」のみなさんなどがフラッグやプラカードを持って続きます。先月京都家裁が申立てを却下した、性同一性障害特例法の非婚要件を違憲だと訴えた家事審判の申立人の方も参加していました。
今年初参加の龍谷大学吹奏楽部のみなさんはマーチングしながら盛り上げてくれました。演奏の合間に笑顔で沿道に手を振っていたのも素敵でした。Hiltonのみなさんも横断幕やフラッグを持ってたくさん参加してくれました。「STOP GENOCIDE」と印刷したプラカードを持っている方、「Smash Shukatsu Sexism」の方もアピールしながら歩いていました。
パレードは西本願寺横にさしかかり、人通りの多い京都駅方向へ向かいます。交通量も多くなり、バス停や歩道にいる方たちの視線が集まります。写真を撮る方、手を振ってくれる方、特に反応がない方など、様々でした。
今年初めて導入されたトラックのフロートには「Otto」のメンバーと名古屋レインボープライド共同代表の後藤さんが乗っていました。みなさん笑顔で楽しそうでした。その後ろにIKEAのみなさんや三洋化成のみなさん、かずえちゃん、チェリオのみなさん、そしてチェリオのフロート(スポーツカー)が続きました。
京都朝鮮中高級学校の吹奏楽部のみなさんも演奏や演舞をしながら参加していました。音楽と演舞がぴったりマッチして素晴らしかったです。ステージを観ているようでした。
石川大我参議院議員の秘書の方々も駆けつけていました。その後ろにはTransgenderJapanのみなさんがフラッグやプラカードを持って歩いていました。プラカードには「もう誰も殺さないで」というメッセージが書かれていました。関西クィア映画祭のみなさんも横断幕やプラカードを持って歩いていました。プラカードには「NO PRIDE IN GENOCIDE 虐殺にプライドなし」と書かれていました。
最後尾は撮影禁止ゾーンでした。金沢から参加されている方もいました。性善寺のみなさんのレインボーの横断幕が目立っていました。
京都駅前は地元の方や観光客の方で賑わっていました。外国人観光客の方は動画を撮ったり、パレードを背景に写真を撮ったり、笑顔で手を振ってくれました。人通りも多く、パレード参加者のみなさんもテンションが上がっていたと思います。
京都タワーの交差点を曲がり、東本願寺の方向へ進んでいきます。カフェなどが立ち並び、若い人たちも多くいました。東本願寺の前ではマルシェが開かれていて、たくさんのテントが並んでいました。東本願寺の手前を曲がり、ゴールの梅小路公園へ向かいます。その時、近くの路線バスの窓が開き、外国人の方が「何のパレードですか?」と聞きました。近くの人が説明すると、笑顔で手を振ってくれました。
再び、西本願寺の横へやってきました。あと少しでゴールです。梅小路公園が見えてきて、水族館側から公園に入りました。公園に入ると先にゴールしたり公園で待っていた方たちが「おかえりなさい」と出迎え、ハイタッチなどもしてくれました。なんとも温かい気持ちになりました。
★パレードのフォトアルバムはこちら
後半のステージは15時に始まりました。トップバッターはSheeekees!のみなさん。パレードから帰ってきた方々を歌で迎えてくれました。
続いてセビロジンのお二人の漫才が始まりました。昨年同様、笑わせてくれました。
続いて京都のまちづくり学生団体「ひと&コト」の方たちが登壇し、活動への思いを語りました。
続いてよーあつさんによるアコースティックライブ。懐かしいカバー曲や、オリジナル曲を披露してくれました。
続いてAlbaのみなさんのストリートダンス。キレッキレの迫力あるダンスでした。
ステージのトリは代表のLOYさんがつとめ、オリジナル曲2曲と新曲「なないろ」を披露。パワーをもらえる応援ソング「なないろ」は京都レインボープライドのテーマソングになるそうです。神奈川からもファンの方が駆けつけていました。
最後に実行委員の方たちがステージに上がってご挨拶。会場から「ただいま」、ステージから「おかえり」とかけ声をかけて、閉会となりました。
LOYさんがご自分のラジオ番組で「生活の中にあるパレードを目指す」とおっしゃっていましたが、まさにそれを感じるパレードになりました。実際にパレードに参加した方だけでなく、沿道から見ていた方、フェスに参加された方など、みなさんのそれそれの生活の中に今回のパレードが生きていくと感じました。
今回の参加者は、フェスの総来場者数が7000名強、パレードの参加者は約400名だったそうです。
みなさんお疲れさまでした。また来年、京都でお会いしましょう。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。2023年6月21日の朝日新聞「ひと」にも登場しました。
INDEX
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