FEATURES

その他の記事

レポート:東北LGBT Weekend 2016 in GRANDECO 

2016年3月12日(土)〜13日(日)、裏磐梯のスノーリゾート「GRANDECO」で「東北LGBT Weekend 2016」というLGBTスキーツアーが開催されました。東北らしくとてもあたたかかったイベントの模様をレポートいたします。

レポート:東北LGBT Weekend 2016 in GRANDECO 

裏磐梯にある有名なスノーリゾート「GRANDECO」で昨年、東北初のゲイスキーツアーとして「GRANDECO GAY SKI&SNORBOARD EVENT/TOUR」が開催され、好評を博しました。今年はゲイだけでなくLGBT MIXに枠を広げ、2016年3月12日(土)~13日(日)に「東北LGBT Weekend 2016」が開催されました。震災から5年を迎えた東北を応援しよう!という方たちや、東北のLGBTの方、外国人の方などが集まり、また、グランデコのスタッフの方たちも優しく迎えてくれて、本当にあたたかく、素敵なイベントになりました。レポートをお届けします。(後藤純一)

 昨年は参加者の方たちのプライバシーに配慮し、ホテルのいちばん奥の宴会場を貸し切ってパーティが開催されたのですが、2回目の今年は、スキーセンターの2階というとても目立つ場所。スキーセンターは、グランデコでスキーやスノボをやる人が必ず行く場所(着替えたり、トイレに行ったり、ご飯を食べたりする所)。大勢の人たちが往来する、2階に上がる階段の入り口に大きなレインボー風船のアーチやレインボーフラッグ(子どもがさわって喜んでました)が飾り付けられ、イベントのポスターやフライヤーも置かれていました。また、館内放送でLGBTウィークエンドのこともアナウンスされました。 

 そんな感じでしたので、フタを開けてみると、スキー客の方もたくさん来られていました。茨城から来たヤンキーっぽい20代の集団もいれば、(特定秘密保護法に触れるといけないので基地名などは伏せますが)米軍とそのファミリーの集団(目がハートになってた方、多数)、宮城県在住の外国人のゲイの方とそのお友達、レズビアンの方、そして東北や新潟や東京から来られたゲイの方たちなどなど、いい具合なミックス感でした。

 今回素晴らしかったのは、バイキングでご飯が食べられるところ。18時のオープンとともにワーっとお客さんが入ってきて、DJ toHruさん(福島在住)&Asakoさんの音楽を楽しみながら、ゆったりとお酒やお食事を召し上がり、19時頃、GyuqoさんやGOGO BOYs(Ke1さん&MAKOTOさん)のショーを楽しんで(たぶんドラァグクィーンのショーとか初めて見たんだろうな、というノンケさんたちがものすごく喜んでました)、まだまだお酒を飲んで(20代の男の子たちがテキーラをガンガン飲んでました)、20時からまたショータイムで盛り上がって、酔っぱらった男の子たちがステージでシャツを脱いだり(牛子さんがキスしたり)、それを見てゲイのお客さんが興奮したり…なかなかのカオスっぷりで、いろいろ面白かったです。

 ふと、おばさんの集団が気になって見ていたのですが、中の一人が目を潤ませていて、ちょっと声をかけてみたら、「私は(あなたたちを)何も悪いと思わない。どんどん愛し合って。つらいことがあったらいつでもここに来てよね」と熱く語ってくれて…(グランデコで働いてる方でした)。ジーンときました。
 グランデコの従業員の方たちはとにかくフレンドリーで(ちゃんと会社からも了承を得てやっているので、みなさん理解しています)、イベントを心から楽しんでくれました。
 イベントが終わった後も、バーカウンターで働いていた男性の方が、残ってたお客さんにビールを振る舞ってくれたり、出演者のみなさんにお料理をタッパーに詰めて「食べて」と持たしてくれたり…。久しぶりに東北人気質なあたたかさに触れて、胸が熱くなりました。
 個人的に、18の時に「こんな保守的な田舎では暮らせない」と東北の実家を出た人間としては、まるで故郷の人たちに「おかえり」と言ってもらえたような気がして…。感慨深かったです。

 パーティのあとは、(ツアー参加者のみの特典として)ホテルの屋内温水プールでプールパーティが催されました。大きなバルーンでビーチバレーみたいにして遊んだり、いちゃいちゃしたり、ジャグジーであったまりながらお話したり。
 それから深夜のお風呂場に移動して、ゲイだらけで(GOGOさんもいっしょに!)雪景色を眺めながら露天風呂でおしゃべりしたり。
 クラブパーティだけだとそういうことってできないし、リゾート地ならではの醍醐味。本当に楽しかったです。

 翌日は、グランデコ自慢のパウダースノーなゲレンデで、スキーを楽しんだ方が多かったです。レインボーフラッグを持った方やコスプレした方などが一緒にすべる「レインボートレイン」という企画もあって、素敵でした。

 全体として、あったかくてアットホームで、とてもいい雰囲気でした。一般の方にLGBT(ゲイのクラブカルチャー)に触れてもらう機会にもなりましたし、福島のような(どちらかというとLGBTが生きづらい)地方でこういうイベントが開催されることの意義は計り知れないと思います。
 東北の人たちは本来、とてもあたたかくて、人懐っこい人たちです。昔は「ここじゃ生きていけない」と思っていましたが、心のどこかでは、いつか、東北の人のあたたかさがフレンドリーな方に変わったら理想的だなあと思っていました。その夢が叶った気がして、一人で感動していました。
 きっと、東北在住のLGBTのみなさんも、このイベントに来てみたら、心から歓迎され、受け容れてくれていることに感動し、人生観?世界観?と言うと大げさですが、世間との間に感じる壁が少し和らぐきっかけになるかな…と思います。来年はぜひ、一緒に過ごしてみませんか?



☆「東北LGBT Weekend 2016 in GRANDECO」のフォトアルバムはこちら