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ヴェネチア国際映画祭のオープニング『ブラック・スワン』でナタリー・ポートマンがレズビアンを演じました

2010年09月02日


レッドカーペットの主役となった
ナタリー・ポートマン
『レオン』のマチルダ役で世界を魅了し、その後も『スター・ウォーズ』エピソード2〜3のパドメ・アミダラ女王を演じるなど、正統派美女優としての存在感を確固たるものにしているナタリー・ポートマン(2008年には「世界一美しい顔」ランキングNo.1に輝いています)。そんな彼女が、1日に開幕した第67回ヴェネチア国際映画祭のオープニングフィルム『ブラック・スワン』に主演し、女性どうしのラブシーンを演じていることが話題になっています。

 映画『ブラック・スワン』は、『レスラー』(2008)でヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞したダーレン・アロノフスキー監督の最新作。こんなストーリーです。

ニーナ(ナタリー・ポートマン)は、ニューヨーク・シティ・バレエ団のバレリーナで、自らもバレリーナであった母の管理の下、日々レッスンを積んでいた。芸術監督のトマは、新シーズンのオープニング『白鳥の湖』のプリマをベス(ウィノナ・ライダー)から別のダンサーに替えようと考えており、その第一候補がニーナだった。しかし、彼女の前に突如、リリー(ミラ・クニス)という強力なライバルが現れる。『白鳥の湖』には、無垢と優雅さを持つ白鳥と、狡猾さと妖艶な色気を持つ黒鳥とを演じる資質が求められる。ニーナに似つかわしいのは白鳥の方だったが、リリーとライバル争いを繰り広げるうち、彼女の中にダークな部分が芽生えてくるのだった…


ナタリーとミラ・クニスのキスシーン
 白鳥と黒鳥の二役を完璧に演じ分けるために自分を心身ともに追い込んでいく…というサスペンス作品だそうですが、ニーナ(ナタリー・ポートマン)は監督のトマから「宿題」として自慰行為をするように命令されたり、ライバルのリリーに誘惑されてセックスするなど、ナタリーの今までの清楚なイメージを覆すようなシーンに挑んでいるということです。
 オープニング作品の主演女優ということで、レッドカーペットの主役ともなったナタリー・ポートマン。記者会見にも臨みましたが、そうした大胆なシーンについて記者から質問が飛ぶと、「最初にこの企画を聞いたのは8年前。自慰行為があると聞いて興味深いと思ったわ。なぜならこの映画は、さまざまな方法でアーティストのエゴの探究やナルシシストな部分や反発を表現していると思ったから」と優等生発言で切り返しました。が、隣にいたアロノフスキー監督がすさかず「僕の記憶とはちょっと違うな。セックス・シーンがあると話したら君は『Why?』って言ったじゃないか(笑)」とツッコミを入れ、ナタリーも思わず「本当はそうです…」と小声でつぶやき、苦笑していたそうです。

 この『ブラック・スワン』、アメリカでは12月1日に公開されるそうですが、日本での公開も楽しみです。



大女優ドヌーヴがジャージ姿に!
 それはそうと、今回のヴェネチア国際映画祭コンペ作品(グランプリ候補)のラインナップを見ると、『ノルウェーの森』などの日本作品だけでなく、ゲイに関係する作品もいくつかあります。

 まず、コンペ作品には、フランスのゲイの監督フランソワ・オゾンの最新作『ポティッシュ』が出品されています。カトリーヌ・ドヌーヴがオゾンと組むのは『8人の女たち』(2002)以来ということ、そして大女優ドヌーヴが赤いジャージ姿で登場することが話題になっています。70年代のプロヴァンスを舞台にしたコメディだそうで、日本での公開も決定したようです(『しあわせの雨傘』2011年正月公開。配給GAGA)


男どうしの愛も描かれる『DREI』
 それから『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督の最新作『DREI』。現代のベルリンに生きるアラフォーのカップルが、それぞれ別々に同じ男性に恋に落ちてしまう(つまり、ダンナはゲイだった)というストーリーです。


スタンリー・クワン最新作
 アウトオブコンペ部門では、『藍宇』で知られる香港のゲイの監督スタンリー・クワンの『Showtime(用心跳/Yongxin Tiao)』という上海を舞台にしたミュージカル・コメディが出品されています。 

 ヴァネチア映画祭では、2005年に金獅子賞を獲った『ブロークバック・マウンテン』の影響もあり、ベルリン映画祭の「テディベア賞」と同様、「クィアライオン賞」が設立され、昨年、『シングルマン』がこれを受賞しました。今年はどの作品が「クィアライオン賞」を獲るのか、そちらも楽しみです。授賞式は11日だそうです。
 


ナタリー・ポートマンが体当たり演技に挑んだ新作『ブラック・スワン』にヴェネチアが沸く!【第67回ヴェネチア国際映画祭】(シネマトゥデイ映画ニュース)
http://www.cinematoday.jp/page/N0026638

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