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イスラエル・テルアビブがゲイの旅行客を誘致

2010年12月26日


テルアビブで行われたパレードの様子
 イスラエル最大の都市であるテルアビブが、世界中のゲイ&レズビアンの名所になりつつあるそうです。市など行政は昨年から、同性愛者に照準を合わせた観光宣伝費を予算化し、今年は計34万シェケル(約800万円)を投じ、ドイツなどでPRしました。今年に入り、約4000人が海外から訪れたそうです。

 観光協会代表エティ・ガルギルさんは、「ゲイマーケット:彼らには消費できるお金があり、テルアビブのスタイリッシュな生活を心から愛している。彼らは良い暮らしが大好きなんです」と語りました。

 また、テルアビブのロン・フリダヤ市長の顧問であり、同市のゲイコミュニティを代表するヤニフ・ヴェイスマンさんはこう語りました。「テルアビブには生き生きとしたゲイシーンがあります。あとは、この街のイメージをどうプロモートするかです。それを変えるのではなくてね。テルアビブに来ればきっと、新しい何かを体験できます。きっと驚きますよ!」

 国際ゲイ・レズビアン旅行協会(ILGTA)のイスラエル大使をつとめるゲイのシャイ・ドイチュさんは、「テルアビブが人気の理由? それは(イスラエルを含む)欧州で、男たちが一番美しいから。もちろん女も」と明るく答えました。

 この街では、ゲイが好むナイトライフが充実しており、同性同士が手をつないでも違和感のない開放的な雰囲気があるといいます。市街の一角にあるバー「バイス」は、これまで火曜と土曜をゲイ・オンリーにしていましたが、近く、完全なゲイバーに衣替えするそうです。

 テルアビブにはデートに打ってつけの美しいビーチもあり、すでに市内のホテル25軒が同旅行協会に「ゲイ歓迎」と登録したそうです。

 行政や観光業界は、ゲイの誘致に経済効果を期待します。2001年の米同時多発テロを機に世界で旅行者が減少した際も、ゲイに限ってはほとんど変わらなかったそうです。ドイチュさんは「(同性愛者は)迫害の恐怖と日常的に闘っており、テロをも恐れない」と語りました。

 しかし、イスラエルでは、同性愛は88年まで違法でした。ユダヤ教導師(ラビ)は今も原則として認めていません。ゲイの間でHIV感染が多いことからテルアビブで98年に陽性者支援イベントが行われましたが、ゴム手袋着用の警官隊が暴力的に解散させ、社会問題になったそうです。その2週間後、抗議行動として初のゲイパレードが2000人規模で開催され、以後毎年行われ、今年は12万人にもふくれあがり、有力政治家が連帯の演説をしたそうです。こうした盛り上がりを受け、市当局は市内2カ所に専門の地域センターを設け、日常的にLGBTを支援するようになりました。とはいえ「夫婦」の法的地位などは今も未整備です。ゲイ専用の民宿「ピンクハウス」を経営するエヤル・ナアマンさんは「将来、法改正が行われ、同性カップルの権利が認められることを期待します」と語りました。

 スペインの高校教師でゲイのゴンザロ・セッラーノさんは「私たちは少数者として連帯意識が強い。どんな人たちとも手をつなげる」と語りました。

 

trend:イスラエル 同性愛者の経済効果(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/world/news/20101227ddm012030127000c.html

Tel Aviv to rebrand itself as gay destination(PinkNews.co.uk)
http://www.pinknews.co.uk/2010/07/22/tel-aviv-to-rebrand-itself-as-gay-destination/

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