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石原都知事がテレビに同性愛者が出ることを「野放図」と批判

 12月3日、都内のPTA団体などが、都青少年健全育成条例改正案の成立を求める要望書を都に提出しましたが、それを受けて石原慎太郎都知事は「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」とコメントしました。

 この都青少年健全育成条例改正案は、今年6月の都議会で「表現の自由を侵すおそれがある」と否決された原案を修正したもので、「法令に触れる性的表現などを過度に含む漫画やアニメを18歳未満が買えないよう、店頭で区分陳列する対象図書などを拡大」「児童ポルノ根絶に向けた都民全体の努力義務」「子供のインターネット利用に関する事業者や保護者らの責務の明示」を柱としており、今回は民主党も賛成に回る見通しで、可決の公算が大きいそうです。
 これに対し、学者や評論家、作家などからは「なぜ現代の日本の刑罰法規が漫画のキャラクターに適用されないといけないのか」「現実とフィクションを区別しない危険な発想だ」といった批判の声が上がっています。日本ペンクラブは「言論・表現の自由をゆがめ、プライバシー空間にまで行政・公権力の関与、介入を許すもの」と反対声明を発表。日本シナリオ作家協会の反対声明文では「行政が相変わらずフィクション創作の現場に、一方的に硬直した道徳・倫理観を押しつけようとする姿勢は前回と変わらず、むしろより強権的になり、決して見過ごす事は出来ない」「我々は、自由な創造の現場にあがり込んで、繰り返し汚れた靴で踏み荒らそうとする東京都に断固異議を申し立てるとともに、都議会において当改正案が永遠に葬り去られる事を切望する」と述べられています。

 一方、この都青少年健全育成条例改正案の成立を要望したのは、都小学校PTA協議会(都小P、加盟248校)、都私立中学校高等学校父母の会中央連合会(同246校)など、5団体。都小Pの新谷珠恵会長は「児童を性的対象にすることが野放し状態。子供を健やかに育てるため、社会の力を借りないと環境整備できない」と説明しました。
 
 この都青少年健全育成条例改正案が提出されるに至ったそもそもの争点(問題とされている表現)は、児童ポルノや近親相姦、性的凌辱描写、暴力的表現などであり、特に同性愛が問題視されているわけではありません(当然のことです)。にも関わらず、今回、石原都知事が、わざわざ「テレビに同性愛者が出ている」ことをあげつらい、「日本は野放図になり過ぎている」と語り、(その取り締まりに)「使命感を持って取り組む」と語ったことは、石原氏の私的な同性愛嫌悪感情(差別意識)の表明にとどまらず、都青少年健全育成条例の改正が成立した場合、条例を同性愛作品にまで拡大解釈して規制する可能性もあると言えるのではないでしょうか。本当に危険で、見過ごすことができない問題です。(後藤純一)


都青少年健全育成条例改正案:PTA団体など、都に成立求め要望書 /東京(毎日jp)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20101204ddlk13010267000c.html

都青少年健全育成条例改正案:再提案へ 性的漫画規制、都が対象作品を明確化(毎日jp)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101123ddm012010032000c.html

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