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ヴィトー・ルッソを描いたドキュメンタリー作品がニューヨーク映画祭で上映

 今年のニューヨーク映画祭で、ゲイの活動家ヴィトー・ルッソを描いたドキュメンタリー映画『Vito』(原題)が上映され、プロデューサーのフィリップ・ハリソン、従姉妹のフィリス・アントネリス、弟チャールズ・ルッソ、ジェフリー・シュワルツ監督によるトークセッションが行われたのを、シネマトゥデイがレポートしてくれました。

 ヴィトー・ルッソは、映画『セルロイド・クローゼット』の原作を執筆した作家であり、テレビ司会者(ゲイのタレント)としても名をはせ、GLAADを創設し、80年代を通じてACT UP(政府のエイズに対する無策に対して抗議)でも活躍し、1990年にエイズで亡くなりました。わずか44歳の若さでこの世を去りましたが、亡くなった後もゲイコミュニティに多大な影響を与えました(GLAADメディア賞の最高栄誉賞はヴィトー・ルッソ賞と名付けられています)
 映画『Vito』は、ヴィトー・ルッソの波瀾万丈の生涯を描いたドキュメンタリー作品で、エグゼクティブ・プロデューサーとしてブライアン・シンガー(映画『X-MEN』などで有名な監督。オープンリー・ゲイです)が参加しています。

 ジェフリー・シュワルツ監督(ちなみに現在、伝説のドラァグクイーン、ディヴァインの生涯を描く『I am Divine』を撮影中です)は、ヴィトー・ルッソのドキュメンタリーを撮ることになった経緯について「ヴィトーは映画『セルロイド・クローゼット』の原作者だが、彼が関わったもっと大きなスケールの出来事や、彼と親密にかかわった人物を描きたかったということが、この映画の製作のきっかけになったんだ。さらにゲイの歴史上で重要な出来事となるストーンウォールの反乱、プライドパレード、エイズ危機など、すべての出来事に彼は関わっただけでなく、その中心人物となって彼が活動してきたからでもあるんだ」と語りました。

 ヴィトーと親しかった従姉妹のフィリスは「ヴィトーはゲイであっても、生まれてからずっと両親に愛されてきたわ。彼がゲイとして、いつ頃カミングアウトしたかは覚えていないけど、スポーツをするよりはむしろ図書館や博物館に通うほうが好きだったわね。彼が12歳〜13歳の頃、周りの生徒はあまり良くない噂を流してたけど、両親は彼をそのまま受け入れて無条件で愛してたわ」と語りました。さらにフィリスは「ヴィトーとの出会いが、私の視界を広げてくれたわ」と感謝を述べていました。

 リサーチの過程についてジェフリー監督は、「まず、ドキュメンタリー映画『ハーヴェイ・ミルク』や『セルロイド・クローゼット』を監督したロバート・エプスタインと連絡を取ったんだ。僕はこの『セルロイド・クローゼット』で初めて映画の仕事に携わった。そこでロバートと師弟関係になっていたから、ヴィトーの演説オーディオやインタビューなどの多くの素材を彼から借りることができたんだ。ただ、ヴィトーの詳細な活動については、かなり後で知った。唯一残念なのは、彼と親しかった人物やエイズで亡くなった人物にはインタビューできなかったことだ」と語りました。

 またヴィトーの弟、チャールズ・ロッソは「これは映画の中には含まれていないことだが、ヴィトーと親しかった女優のリリー・トムリンは、ヴィトーがエイズの末期状態に陥っていたときに、(ろくに動けない彼のために)数千ドルの小切手を長い間送っていたんだ。弟として感謝したいし、他の人にも知ってほしい」と語り、観客を感動させました。

 2年前の『ミルク』と同様、この『Vito』が日本でも公開され、ヴィトー・ルッソというゲイの先人のことが広く知られるようになったら…と期待します。続報を待ちましょう。


『セルロイド・クローゼット』の原作者で、後年のゲイの社会に多大な影響を与えたヴィトー・ルッソを描いたドキュメンタリー作品がニューヨーク映画祭で上映!(シネマトゥデイ)
http://www.cinematoday.jp/page/N0036251

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