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ナイジェリアで同性愛禁止法案が上院通過、違反者は禁錮14年 

2011年12月06日

 ナイジェリアの上院は11月29日、同性愛を禁じる法案を可決しました。
 この法案の内容は、同性どうしで結婚した(式を挙げた)カップルを別々に14年間投獄する、また結婚式の立ち会い人など、手伝いをした人も禁錮10年に処する、ゲイバーに行くことやゲイの権利擁護団体の活動への参加、同性愛を「ほう助」した者なども禁錮10年、という信じられない内容です。「公共の場所で直接的、間接的に同性愛を示すこと」も罰せられます。

 人口1億6千万のナイジェリアでは、ずっと同性間の性行為が禁じられてきました。英国植民地時代のソドミー法の名残です。それだけでなく、イスラム教徒の多い北ナイジェリアではシャリーア法(イスラム圏の宗教的な法律。同性愛者は死刑と定めるもので、イランやサウジアラビアはこれを国法としています)が適用されるようになり、同性愛者が投石で死刑にされる危険に直面しています。

 この法案の影響は、同性愛者の権利擁護運動の破壊だけでなく、HIV予防啓発の困難をももたらすと危惧されています。同国のHIV予防啓発団体は、「もし我々が何もできなくなれば、同性愛者は感染にさらされるだけだ」と語っています。

 この法案について、英国のキャメロン首相は「同性愛者の人権を侵害する国には援助を引き揚げると通告していました。これに対してアフリカ各国の指導者は「植民地政策的だ」と強く反発、ジンバブエのムガベ大統領はキャメロン首相を「邪悪」だと述べたそうです。
 しかし、政治家たちは、ゲイに対する支援を打ち切り、抗HIV薬で命をつなぐゲイたちを危険にさらそうと国に提案しているそうです。

 この法案は上院を通過しましたが、法律として制定されるにはグッドラック・ジョナサン大統領のサインが必要です。ゲイの権利擁護運動を展開するAll Outは、大統領にサインしないよう求める署名運動を開始しました。
「民主主義の尺度は、少数派の市民をどう扱うかということにあります。ナイジェリアのすべての人々は、憲法によって同じ権利を与えられる価値があるのです。お願いですから、この誤った法案にサインしないでください」
 数日間で約6万人もの署名が集まりました。
 12月5日、ナイジェリア政府はニューヨークでの国連の会議に参加しました。そこで、6万人の署名を携え、活動家たちが国連前に集まり、政府に法案の阻止を訴える集会を開きました。ナイジェリアの活動家、Ifeanyi Orazulike氏も駆けつけ、「ゲイたちを難民にするのをやめなくては」と語りました。
 彼が大統領に宛てて書いた嘆願書が、All Outに掲載されています。
「私の名前はIfeanyi Orazulike。私は違法ではありません。
 ナイジェリアの市民として、公衆衛生推進に携わる者として、苛酷で非人道的な、HIV予防啓発を妨げ、非民主的な法案の撤回を要求します。
 この法案が採用されたら、ナイジェリアは民主主義国家から総スカンを食らうでしょう。反民主主義的な内外の脅威に直面するのです。そして、ナイジェリアの人権擁護やHIV予防、民主主義の基礎固めに、とてつもない影響を及ぼすことになるでしょう。
 ナイジェリア国民の正統な選挙によって選ばれた大統領として、私たちの偉大な民主国家の多様性に敬意を表し、この法案のサインを断るよう、強く求めます」
 
 署名は目標の7万人にまだ到達していません。こちらから、とても簡単に(1分以内で)署名することができます。
 


同性愛禁止法案が上院通過、違反者は禁錮14年 ナイジェリア(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/30004770.html

Nigeria anti-gay marriage bill risks AIDS funding(EXAMINER.com)
http://washingtonexaminer.com/news/2011/12/nigeria-anti-gay-marriage-bill-risks-aids-funding/1973011

60,000 petition Nigerian President not to sign anti-gay law(PinkNews.co.uk)
http://www.pinknews.co.uk/2011/12/06/60000-petition-nigerian-president-not-to-sign-anti-gay-law/

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