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南アフリカでレズビアン女性に対する性暴力が相次いでいます

 南アフリカ共和国でレズビアン女性に対する性暴力が相次ぎ、中には命を奪われた人たちもいるというショッキングなニュースがありました。AFPの記事からご紹介します。

 リカンバ・セキソさん(仮名、29)が従兄の部屋を掃除をしていると、従兄が部屋に入ってきました。従兄は戸を閉め、鍵をかけ、リカンバさんを暗闇と恐怖の中に閉じ込め、かかっていた音楽のボリュームを上げ、リカンバさんの「性的指向を矯正する」と称して性的な暴行を加えはじめました。「彼が私を暴行したのは、私がレズビアンだから。女は女とではなく、男とこういうことをするんだ、と言って」。この従兄に2度も暴行され、リカンバさんは妊娠し子どもを産みました。
 南アフリカのレズビアンたちは、常に女性に対する暴力にさらされています。中でもレズビアンを異性愛者に「矯正」するという口実で、レイプのターゲットにされるケースが多いといいます。リカンバさんによると「わが家に胸のある男は要らない」と実の父親にレイプされたレズビアンの方もいるそうです。
 リンデカ・ストゥロさん(25)は4回も襲われた経験を持っています。その都度、反撃したのでレイプはされずに済んできましたが、最初に襲われたときは足を折り、1か月入院しました。ストゥロさんは性暴力が年々ひどくなっていると感じています。昨年は友人がごみ箱に詰め込まれた遺体となって見つかりました。「毎年みんなに同じことを言われる。おまえはレイプされるぞ、レイプされるぞ、レイプされるぞって」。レズビアンはみな処女だと思われており、「美味しい獲物」と見られているのだと語ります。

 同性愛者の権利に関する南アフリカの姿勢は、法的な面では評価に値します。平等性は憲法で保障されており、2006年には世界で5番目に同性婚を認める国となりました。
 しかし、アパルトヘイト(人種隔離政策)時代に黒人居住区だった地域は、今も概して保守的です。伝統的にも宗教的にも「男らしさ」へのこだわりが強烈に存在し、同性愛は全くと言ってよいほど理解されていないそうです。
 レズビアンたちは家族から追放されるだけでなく、警察にも守ってもらえません。レズビアンに対するヘイトクライム(憎悪犯罪)に遭ったことを届け出ても、警官は同僚と笑っているだけといいます。
 一方、政府は対策チームを作り、レズビアンに対する暴力が横行する地域を中心に職員たちの教育を行い、性被害の撲滅に取り組みはじめました。
 「政府も非常に深刻な問題だと捉えている」とトラリ・トラリ法務省報道官は語ります。「ヘイトクライムを犯す者には、いかなる余地も与えるべきではない。わが国の憲法とその価値観を無視するものだからだ」と糾弾しています。また、トラリ報道官は「法の執行権限を持つ機関の一部に問題があることは承知している」と警察側の問題点も認めています。
 政府の対策チームは「同性愛者はアフリカ人らしくない」「同性愛者は男性から女性を盗む者だ」といった考え方を変える対処方法を奨励しています。

 キリスト教の施設で同性愛者のシェルター(避難所)ともなっている「iThemba Lam」のブレルワ・パンダさんは、「伝統的な考え方のせいで、旧黒人居住区に住む女性たちがより犠牲になりやすくなっている。その最たる脅威がレイプだ。さらに、同性愛者への理解がないコミュニティでは、周囲の人たちにその事実を認めさせるという大きなチャレンジにも直面する」と語ります。
 状況は少しずつ変わりつつあるそうですが、同性愛者に対して寛容なケープタウン周辺とは比べものもになりません。
「あそこ(ケープタウン)だったら女性どうし、人前で手をつないだり、キスをしてもなんでもない。けれど旧黒人居住区で同じことをすれば、身を危険にさらすことになる」とストゥロさんさんは言います。そこに暮らすレズビアン女性たちは、夜遅くは出歩かない、隙を見せることになるアルコール類は飲まない、女性らしい服や仕草を心がけるといった自衛策をとっています。家族を喜ばせるために、男性とつきあっているレズビアンさえいます。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、レズビアンやバイセクシュアル女性、トランスジェンダーが直面している暴力の脅威に対し、南アフリカの法律は全く意味をなしていないと批判しています。

 レイプ被害の統計のうち、同性愛嫌悪によるものがどれほどの割合を占めるかは明らかになってはいませんが、2010~2010年の1年間に警察に被害の届出があったレイプの件数は、男性の強姦被害者も含めて5万6272件でした。実に9分に1回、レイプが発生していたことになります。

 ケープタウンでは前々週、レズビアンの女性を殺害した男4人に対し、禁錮18年の刑が下りました。裁判が何度も遅れた事件でしたが、同性愛者権利擁護を訴える活動家たちは、同性愛者に対する暴力の重罰化の前例となるものだと歓迎しています。


性暴力の標的にされるレズビアンたち、南アフリカ (AFP)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2857149/8420088?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

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