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ノースカロライナ州のトランスジェンダー差別法案に抗議し、ブルース・スプリングスティーンが公演をキャンセル

 3月23日、米ノースカロライナ州議会は、男女別が明記されている公共施設について、出生証明書に記載された性別に応じて公衆トイレを使うよう義務付ける法案(公共施設のプライバシーと安全法)を通過させました。これは、自身の性自認に基づいてトイレを利用できるとした同州最大の都市シャーロットの条例を否定するものと見られており、トランスジェンダーの人をトイレから締め出すものです。
 現在、全米の州議会や市議会で、このような「トイレ論争」が勃発しており、他に少なくとも13州が似たような法律の制定を検討しているそうです(サウスダコタ州でも同様の法案が州議会を通過しましたが、知事が拒否権を発動し、不成立となりました)。いくつかの大都市では、トランスジェンダーの権利を拡大しようと動いています。ニューヨークのデブラシオ市長はこの3月、性自認に基づいた公衆トイレ利用を認める行政命令に署名しました。フィラデルフィア市は最近、民間企業に対し、1人用のトイレに「ジェンダー・ニュートラル」な表示をするよう義務づけました。
 ノースカロライナ大学法科大学院のマキシン・アイクナー教授は、LGBTに関する反動的な動きが相次いでいることについて、連邦裁判所で起きている変化、特に同性婚を認める判決への反発があるかもしれないと指摘しています。

 このトランスジェンダー差別法に対し、多くの企業や行政が抗議し、事業撤退などの対抗措置を始めました。
 ニューヨーク州のアンドルー・クオモ知事、首都ワシントンのミュリエル・バウザー市長、そしてジョージア州アトランタのカシム・リード市長が、自治体予算でのノースカロライナ出張を禁止したそうです。
 4月5日には決済サービス企業のペイパルが、同州最大都市のシャーロットで計画していた事業所の設立を中止すると発表しました(400人の雇用を生むはずでした)。IBMやリーバイ・ストラウス、AT&T、トヨタなども反対を表明しました。

 3月24日、NBAは、以下のような声明を発表しました。「NBAは、我々の試合、またはイベントに参加してくださる全ての方々にとって開放的な環境作りに力を入れています。我々は、この差別的な法が、NBAの指導原理である平等、相互尊重の精神に逆行しているのではないかと、深く懸念しています。今回の法が、シャーロットで開催される2017 NBAオールスターゲームを成功に導ける我々の手腕にいかなる影響を与えることになるのか、現時点では定かではありません」 

 3月25日、ノースカロライナ州ダーハムで開催される予定の音楽、アート、テクノロジーの祭典【モーグフェスト(Moogfest)】も、この法案を非難しました。
「【モーグフェスト】は本拠地ダーハム、アッシュビル(昨年までの開催地)の伝統、ノースカロライナ州全域の友人たちを誇りに思います。しかし、この法律、または排除や偏見を可能にしたり促すようないかなる法律に断固として反対します」
「【モーグフェスト】は、アーティストと力を合わせてクリエイティブな表現のための新しいテクノロジー・ツールを作りだしたエンジニア、ボブ・モーグ(Bob Moog)の遺産に捧げたものです。真のイノベーションは排除ではなく協調から生まれるというのが、ボブの生涯にわたる信念でした。【モーグフェスト】は全ての人が未来のビッグ・アイディアを探るために集う、誰もが参加できる環境を提供します。我々は多様性、自己表現、実験を何よりも尊重しています。この差別的法律は平等・公平・正義の基本原則に反するばかりでなく、信念に基づいた我々のミッションを侮辱するものです」
「我々はノースカロライナで一歩も引きませんし、ステージ・路上・ソーシャルメディアと、あらゆる機会を使ってこの法律に抗議します」

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差別に毅然と立ち向かうブルース兄貴、
カッコいいですね!

 4月8日、ノースカロライナ州のグリーンズボロで10日に公演を予定していたブルース・スプリングスティーンは、公演のキャンセルを発表しました。
「ファンの皆さん、ご存知の通り、私は今度の日曜日にノースカロライナ州グリーンズボロで公演することになっています。私たちがこれまた知っての通り、ノースカロライナ州では、『HB2』が可決されたばかりです。メディアでは『トイレ法』と呼ばれ、正式には『公共施設のプライバシーと安全法(Public Facilities Privacy and Security Act)』として知られるこの法律は、トランスジェンダーの人々がどのトイレを使用するかを指図するものです。また、LGBTの市民たちの人権が職場で侵害された場合、彼らが法に訴える権利を攻撃もするという意味でも同様に由々しき法律です。そのような重荷に直面するノースカロライナ州民たちは他にいません。思うにこれは、この国が国民全員の人権を認めていく中で遂げてきた進歩についていけない人々の試みではないでしょうか。現在ノースカロライナでは、たくさんの団体、事業、個人が、このマイナス方向の発展に抗い、克服すべく取り組んでいます。これらすべてを鑑みるに、今は私とバンドのメンバーたちがこれらのフリーダム・ファイター(自由を求めて闘う者)たちとの団結を示すときだと感じています。結論として、グリーンズボロの熱心なファンのみなさまには心からのお詫びを申し上げますが、私たちは4月10日(日)に予定されていたショウをキャンセルしました。世の中にはロック・ショウよりも大切なものがある。そして今私が書いている間も行われている、先入観や偏見との闘いはそのひとつなのです。私たちを前進させる代わりに逆行へと押しやり続ける者たちに反対の声を上げるには、これが私の持つ最強の手段なのです」

 また、ザ・ビートルズのドラマー、リンゴ・スターも4月13日、ノースカロライナ州で物議を醸している新法へ抗議する多数アーティストに加勢し、6月18日に同州ケーリーのKoka Booth Amphitheatreで予定していた公演をキャンセルしました。 リンゴは、「同地域のファンをガッカリさせて申し訳ない。ただ、我々はこの憎悪に対して明確な姿勢を打ち出す必要があるのです。愛と平和が広まるように」と語っています。
 



トランスジェンダーのトイレ問題、全米で論争(ウォール・ストリート・ジャーナル)
http://jp.wsj.com/articles/SB10406094258013494445204581620452057971980

NBA、ノースカロライナ州で可決された反LGBT法に関し声明を発表(NBA)
http://www.nba.co.jp/nba/nba-statement-regarding-legislation-recently-signed-into-law-in-north-carolina/4q4puvsflpyi1rlq8qvhgw6rk

【モーグフェスト】がノースカロライナ州のアンチLGBTQ法に反対表明(dot.)
http://dot.asahi.com/billboardnews/2016032800174.html

B・スプリングスティーン公演中止、LGBT差別の州法に抗議(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/springsteen-lgbt-idJPKCN0X809W

ブルース・スプリングスティーン、LGBTに差別的な法案に抗議し公演をキャンセル(ro69)
http://ro69.jp/news/detail/141593

リンゴ・スターもノースカロライナ州での公演をキャンセル(Billboard Japan)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/37011

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