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【リオ五輪】リオ五輪に出場するオープンリーLGBTIの選手は過去最高の53名【更新】

2016/08/20

OUTSPORTSほか

「OUTSPORTS」の記事によると、リオデジャネイロ五輪に出場が決まっている選手の中で、LGBTIのアウト・アスリート(公にカミングアウトしている選手)は、過去最高の53名に上るそうです。選手のほかにコーチも3名がカミングアウトしており、パラリンピックにも数名のアウト・アスリートが出場するそうです。
 2012年のロンドン五輪の際は23名のアウト・アスリートが出場しましたので、2倍以上に増えたことになります。ロンドン大会が終わってからカムアウトした選手も多いそうです。
 以前、無断でセックスチェックが行われて世界にインターセックスであると報じられ、自殺未遂まで図った南アフリカのキャスター・セメンヤ選手も、リオ五輪に出場します(ただし、今回のリストはインターセックスとしてではなく、レズビアンとして掲載されているそうです)

 オープンなLGBTの選手が増えている背景について、「OUTSPORTS」の設立者シッド・ジーグラー氏は「社会のあらゆるところでLGBTがより受け入れられるようになり、カミングアウトしても健康に幸せに暮らせると考える人が増えているため」と米メディアに語っています。

 今回、ヘレン・リチャードソン=ウォルシュ選手とケイト・リチャードソン=ウォルシュ選手のように同性婚している方たちもいます(写真右上)。お二人はイギリスのフィールドホッケーの選手です。

 以下は、現時点でリオ五輪出場が決まっているアウト・アスリートのリストです。ほかにも、予選会に臨み、惜しくも選に洩れたアウト・アスリートがたくさんいるそうです。(※スペイン水球選手団でイケメンと評判だったVictor Guttiérez選手は、5月にゲイであることをカムアウトしましたが、残念ながら今回のリオ五輪への出場を取りやめたそうです)


Tom Daley(イギリス, 飛び込み)

Ian Matos(ブラジル, 飛び込み)

Ari-Pekka Liukkonen(フィンランド, 水泳)

Jeffrey Wammes(オランダ, 体操)

Amini Fonua(トンガ, 水泳)

Nicola Adams(イギリス, ボクシング)
Seimone Augustus(アメリカ, バスケットボール)
Tom Bosworth(イギリス, 競歩)
Rachele Bruni(イタリア, 水泳)
Anne Buijs(オランダ, バレーボール)
Isadora Cerullo(ブラジル, ラグビー)
Tom Daley(イギリス, 飛び込み)
Carlien Dirkse van den Heuvel(オランダ, フィールドホッケー)
Lisa Dahlkvist(スウェーデン, サッカー)
Elena Delle Donne(アメリカ, バスケットボール)
Katie Duncan(ニュージーランド, サッカー)
Nilla Fisher(スウェーデン, サッカー)
Amini Fonua(トンガ, 水泳)
Larissa França(ブラジル, ビーチバレー)
Edward Gal(オランダ, 馬術)
Kelly Griffin(アメリカ, ラグビー)
Brittney Griner(アメリカ, バスケットボール)
Carl Hester(イギリス, 馬術)
Michelle Heyman(オーストラリア, サッカー)
Mélanie Henique(フランス, 水泳)
Jen Kish (カナダ, ラグビー)
Valentina Kogan(アルゼンチン, ハンドボール)
Stephanie Labbe(カナダ, サッカー)
Alexandra Lacrabère(フランス, ハンドボール)
Hedvig Lindahl(スウェーデン, サッカー)
Ari-Pekka Liukkonen(フィンランド, 水泳)
Robbie Manson(ニュージーランド, ボート)
Hans Peter Minderhoud(オランダ, 馬術)
Ian Matos(ブラジル, 飛び込み)
Angel McCoughtry(アメリカ, バスケットボール)
Eefje Muskens(オランダ, バドミントン)
Nadine Müller(ドイツ, 円盤投げ)
Marie-Eve Nault(カナダ, サッカー)
Ashley Nee(アメリカ, カヌー(スラローム)
Maartje Paumen(オランダ, フィールドホッケー)
Fiona Pennie (イギリス, カヌー)
Mayssa Pessoa(ブラジル, ハンドボール)
Jillion Potter(アメリカ, ラグビー)
Megan Rapinoe(アメリカ, サッカー)
Helen Richardson-Walsh(イギリス, フィールドホッケー)
Kate Richardson-Walsh(イギリス, フィールドホッケー)
Tessie Savelkouls (オランダ, 柔道)
Carolina Seger(スウェーデン, サッカー)
Caster Semenya(南アフリカ, 陸上)
Rafaela Silva (ブラジル, 柔道)
Martina Strutz(ドイツ, 棒高跳)
Susannah Townsend(イギリス, フィールドホッケー)
Sunette Stella Viljoen(南アフリカ, 槍投げ)
Julia Vasconcelos(ブラジル, テコンドー)
Marleen van Iersel(オランダ, ビーチバレー)
Linda Vilumsen (ニュージランド, 自転車)
Jeffrey Wammes(オランダ, 体操)
Spencer Wilton(イギリス, 馬術)


 このリストにもあるビーチバレー女子ブラジル代表でロンドン五輪銅メダリストのラリッサ・フランカ選手は、2013年に女性のビーチバレー選手と同性結婚したそうです。彼女は、ともに白いドレスを身にまとった結婚式の写真をフェイスブックに載せ、地元メディアは「友人やファンから祝福を受けた」と報道。リオ五輪で、2大会連続のメダルを目指します。
 2004年アテネと北京五輪に連続出場した体操女子元ブラジル代表のライス・ソウザ選手もレズビアンであることをカムアウトした一人です。「私は性について語ることが好き。ずっとそうだった」と地元メディアに語っています。

 リオ五輪組織委員会は昨年9月、「LGBTの権利を尊重する」とした誓約書に署名しました。性の多様性を表すレインボーカラーのピンバッジやマグネットを作製し、リオデジャネイロ市内の大会公式ショップで販売し、理解の促進を図っているそうです。
 ロンドン五輪と同様、LGBTのための「プライドハウス」も設けられるそうです(2020年東京五輪でもぜひ、できてほしいですね)

 しかし、様々な人種と移民で構成され、異文化に比較的寛容な、そして2013年には最高裁判決で同性婚が認められたブラジルでも、LGBTへの差別は根強いものがあるといいます。
 今月2日、リオデジャネイロ連邦大学のゲイの男子学生が大学構内で殺害された。彼はホモフォーブ(同性愛嫌悪者)から脅迫を受けていたそうです。大学の友人パウロ・イナシオさんは「彼はゲイであることを隠していなかった。正義感が強く、同性愛者の友達が侮辱された時はインターネット上でそれを批判した。だが、大学内には過激な差別主義者の集団が存在している」と語ります。NGOによると、2015年に同性愛者を狙った憎悪犯罪で殺害された人はブラジル国内で318名に上りました。
 『NYタイムズ』の記事によると、ブラジルではゲイやトランスジェンダーはほとんど毎日殺されている、年間では1600名がヘイトクライムで亡くなっている、そしてこの数字は氷山の一角だといいます(警察がヘイトクライムと認知しないケースも多数)。アンチLGBTな憎悪犯罪は、国が寛容になったことへのバックラッシュという側面もあるそうです。
 こうした犯罪は特にリオデジャネイロでひどい、と「OUTSPORTS」は指摘しています。リオデジャネイロ警察が空港で「地獄にようこそ」と掲げたくらいだそうです。もしリオ五輪に行かれる方がいらしたら、十分お気をつけください。なお、「OUTSPORTS」が現地在住の人に「男性が手をつないで歩いていたらどうなる?」と尋ねたところ、「イパネマやコパカバーナ、ゲイエリアでは大丈夫。でもジロっと見られるかもしれない」という答えが返ってきたそうです。




Record 42 out LGBTI athletes already set to compete in Rio Olympics(OUTSPORTS)
http://www.outsports.com/2016/7/11/12133594/rio-olympics-teams-2016-gay-lgbt-athletes-record

LGBT選手が過去最多に(Yahoo!ニュース)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/inosehijiri/20160814-00061128/

(五輪が映す世界:下)多様な性、貫くアスリート(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12481428.html

LGBT travelers to Rio for Olympics need to be careful(OUTSPORTS)
http://www.outsports.com/2016/7/7/12110164/lgbt-travelers-to-rio-for-olympics-need-to-be-careful