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ゲイカップルの宿泊を断るという違法行為に対し、大阪府がラブホテルに行政指導を行いました

 10月24日、大阪府池田市のラブホテルでゲイカップルが宿泊を拒否され、同市の保健所がホテルに行政指導を行っていたことが明らかになりました。
 大阪府によると、このカップルは10月上旬、池田市内のラブホテルを訪れましたが、男性どうしという理由で断られました。彼らから相談を受けて保健所が立ち入り、行政指導を行いました。ホテル側は「対策を考える」とのことです。
 府は「男性2人であることを理由に拒否はできない」としています。

 宿泊拒否に遭った当事者の方がblogを書いています。
 こちらに利用を断られた時の話が書かれています。「恥ずかしいみたいな気持ちになって、その次に、あ、差別されたんだなあって気がついて、全身を墨で塗ったみたいに重たくて暗い気分になってしまった」「なんとなく、自分は差別されても論破できるだけの理論武装してるつもりだったけど、実際に差別されると、脱力して、すごく落ち込んだような気分になって、戦う怒りも気力もぜんぜんでなかった。情けなかった」
 これを読みながら、胸が痛んだり、怒りが湧いてきたりした方もいらっしゃるかと思います。
 彼らは、泣き寝入りするのではなく、ホテルがあった池田市の保健所に相談したところ、迅速に対応してくれて、ホテル側への指導が行われたそうです(こちらに書かれています)

 今のラブホテルの多くは1985年の風営法改正以降、ビジネスホテルとして建てられ、旅館業法の適用範囲で営業しているため、同性どうしの宿泊を断るのは旅館業法違反なんだそうです。

※回転ベッドや大きな鏡、ガラス張りの浴槽、アダルトグッズ自販機などを備え、フロントで対面せずに入れる、入り口にのれんがかかっている、食堂がホテルのように広くないなどの細かい要件を満たした店舗を風営法上のラブホテルと規定し、届け出(許可)を義務化。これにより、風営法での新規開業が困難に。(それまで営業していた全てのラブホテルの営業許可を取り消すことは不可能だったので、一代限りの営業に対してOKを出したそう。そういう意味で、昭和のラブホテルは消えゆく運命にあります)
 
 弁護士ドットコムによると、「旅館業法は、ホテルなどの営業者は一定の場合を除いて『宿泊を拒んではならない』と規定しており、そのため、客の宿泊申込みをホテル側が拒否できるのは、法の定める宿泊拒否理由に該当する場合に限られます。この中に『同性どうしでの利用』は挙げられていません。単に『男性カップルだから』という理由で宿泊を拒否したのであれば、このようなホテル側の対応が旅館業法に違反することは明らかです」。しかし実際には、多くのラブホテルが男性カップルの利用を断っているのが現状です。「ネット上では、男性どうしがラブホテルを利用すると、窃盗や盗撮、または違法薬物を使用する可能性があるという意見がありました。しかし、そのような抽象的な可能性は、男女カップルや女性カップルにもあるでしょう。ある特定のグループについてのみ、抽象的な危険性を強調して宿泊を拒絶するというのは、その人たちに対する偏見に起因するのではないかと思います。また、『男女でラブホテルに行ったときに同性カップルと廊下ですれ違ったら困惑する』『ほかの宿泊者に迷惑なら拒絶もやむを得ない』という意見は、マイノリティの存在自体が他の宿泊客にとって迷惑だという発想です。こうした発想は、ハンセン病元患者の宿泊拒否事件(2003年・熊本)と同じように、偏見と差別に基づく人権侵害といわざるをえません。現代のわが国では、理解を得にくいでしょう」

 おそらくこれまで、ラブホテルは男女で入るものという「社会通念」が施設側にあって、僕らの側も、二丁目の近くの「NUTS」とか「AIM」とかはゲイでも入れるのは知ってるけど、あとは…道玄坂とか入る勇気ないし…そういえば「男どうしで利用できるラブホ情報サイト」があったっけ?みたいな感じだったと思います。たとえ断られても、仕方ないか…と思ってしまったり。
 しかし、実は男性2人が利用するのを拒む根拠は施設側にはないのです。「汚される」「他の客が困惑する」などという理由は言いがかりでしかなく、これが差別でなくて何なのか、という話です。今回、弁護士サイドからの後ろ盾も得られ、男どうしでもラブホテルを堂々と利用してよいし、もし断られたら、それは違法行為であり、保健所に通報したら対応してくれる、ということが明らかになりました。
 
 大阪では2006年にも、ダブルルームに男性2人で宿泊するのを断ったホテルに対して、大阪市の保健所が改善を指導したという出来事がありました。
 また、2015年には豊島区議会で、石川大我区議が、区内のダブルルームのある宿泊施設143ヶ所のうち同性どうしの宿泊を拒否する施設が30ヶ所あるとして、法律違反であり指導すべきだと訴え、区が指導することになりました。
 ラブホテルのゲイ差別に関する行政指導は、今回が初めてなのではないでしょうか。

 2006年のダブルルームの時もそうでしたが、今回のラブホテルに関しても、勇気を持って保健所に訴え出たカップルのおかげで明るみになり、世間の人たちも僕らもそれが違法であると認識できるようになり、いろんな意味で前進するきっかけとなりました。感謝申し上げるとともに、拍手を贈りたい気持ちです。

 




「男性カップル」ラブホテル宿泊拒否、背景に「マイノリティの存在が迷惑」という発想(Yahoo!ニュース 弁護士ドットコム)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161101-00005296-bengocom-soci
男性カップルの宿泊拒否、大阪府がラブホテルに行政指導(産経WEST)
http://www.sankei.com/west/news/161024/wst1610240071-n1.html
「男同士」という理由で宿泊を拒否 ラブホテルを行政指導(livedoorニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/12192346/

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