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『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが次に演じるのは、偉大なレズビアンのテニスプレイヤー

2017年09月01日

 『ラ・ラ・ランド』でオスカー女優の仲間入りを果たし、ゲイの間でも認知度が上がったと思われるエマ・ストーンですが、次に演じるのは、伝説の女子プロテニス選手であり、世界でも最も早く同性愛者であることをカムアウトしたプロアスリートでもあるビリー・ジーン・キングです。

 ビリー・ジーン・キングは1943年、カリフォルニア生まれ。お金を貯めて11歳のときに初めてラケットを買い、1961年(17歳)にウィンブルドン女子ダブルスで初優勝を飾り、1967年(23歳)にはウィンブルドンと全米選手権の2大会連続で「ハットトリック」(同一大会で女子シングルス・女子ダブルス・混合ダブルスの3部門をすべて制覇すること)を達成、世界ランキング1位になりました。そうして1983年に40歳で引退するまで、20年以上にわたり第一線で活躍しました。1970年代には男女プロテニス選手間の賃金や対応格差に声をあげ、1973年に男性が支配していたテニス協会から独立させる形で「女子テニス協会」を設立しています。女子テニスの歴史を通じての最大の偉人の一人に数えられています。
 彼女は1965年にラリー・キングと結婚して「キング夫人」と呼ばれるようになりますが、1981年にレズビアンであることをカミングアウト(この時期のアスリートとしてのカミングアウトは、本当にスゴいことです)、1987年に離婚が成立しています。女性や同性愛者の権利向上のために長年闘い続けた功績を認められ、2009年にはオバマ大統領から大統領自由勲章を授与されています。

 今年9月22日にアメリカで公開される『Battle of the Sexes』(男女の戦い)は、1973年9月20日にテキサス州ヒューストンで行われた、当時世界ランキング2位だったビリー・ジーン・キング(当時29歳)と、引退していたものの過去の栄光を取り戻したいと思っていた元世界ランキング1位のボビー・リッグス(当時55歳)との、歴史に残る男女テニス対抗試合を描いています。この試合は、テニスコートの上だけではなく、スポーツ界、そして社会全体における差別に女性が立ち上がり、そして勝利の一歩を遂げた歴史の1コマとして伝説になっているそうです。

 脚本は『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞に輝いたサイモン・ボーフォイ、監督は『リトル・ミス・サンシャイン』を手掛けたジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス、『トレインスポッティング』のダニー・ボイルがプロデューサーを務めます。ビリー・ジーン・キングをエマ・ストーンが演じ(ハマリ役だと思います)、ボビー・リッグスをスティーヴ・カレルが演じます。『チョコレートドーナツ』のアラン・カミングも出演します。
 
 予告編を見ていただくとなんとなく伝わると思うのですが、まだまだ男女不平等だった時代に、女性蔑視発言や奇抜な行動で知られていたボビーが、いきなり夜中に、フェミニストのビリーを挑発するかのように電話をかけて、対決試合を申し込みます。ビリーが女性と出会い、デートするシーンなども描かれます(この当時、彼女はまだ自身のセクシュアリティを受け入れようと葛藤している最中だったそうです)
 
 驚くべきことに、あれだけ活躍していた(賞金も稼いでいた)選手なのに、彼女は自分名義のクレジットカードを持つことができませんでした。理由は、既婚者だったからです(当時のアメリカでは、既婚女性は夫名義のカードを家族会員として使うしかなかったのです)。女性は夫に養ってもらい、お金は夫の監督の下で使うべしという、男尊女卑な社会への怒りも、ボビー・リッグスとの対抗試合に応じる動機になったようです。
 

 この映画、アカデミー賞レースをねらって9月公開となったそうです。全米で話題となり、アカデミー賞レースをにぎわせ、日本での配給(公開)も決まるといいですね。
 
 
エマ・ストーンが同性愛者のテニス選手を演じる。本当にあった「男女の闘い」(GLITTY)
https://www.glitty.jp/2017/08/064383battleofthesexes.html

エマ・ストーン主演の伝説の女子テニス選手ビリー・ジーン・キングを描いた伝記映画、公開日が決定(ガジェット通信)
http://getnews.jp/archives/1672153

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