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史上初のオープンリー・ゲイのアメリカ大統領になるかもしれない人物が現れました

2019年01月29日

 米インディアナ州サウスベンドのピート・ブティジェッジ市長(37)が23日、2020年米大統領選に民主党から出馬すると表明しました。可能性は低いものの、もし本選で勝利すれば史上初のオープンリー・ゲイのアメリカ大統領となります。

 ピート・ブティジェッジ市長は『OUT』誌が「まるで大統領選候補の実験室で培養されたかのような、極めて印象的な経歴の持ち主」と称する人です。
 生まれも育ちもサウスベンドで、ハーバード大学で歴史の学位を取得したほか、ローズ奨学生として英オックスフォード大学に留学。29歳の若さで市長に当選し、「神童」の異名をとります。そして、米海軍予備役で、市長の役職を休職してアフガニスタンに従軍した経験を持ちます。中規模都市のサウスベンドを復興したことで、ミレニアル世代の支持を厚くします。
 2015年、『サウスベンド・トリビューン』紙のオプエド(論説)でゲイであることを公にしました。
「地方でセクシュアリティゆえに苦悩している学生にとって、オープンリー・ゲイの市長は、ちゃんと自分が生きていく場所が用意されているというメッセージになる。そして保守的な住民にとっては、誰がゲイかわからないということが不審感の一因となっているとすれば、たぶん親しみを持った顔が、私たちは同じ街で一緒に暮らしているということを思い出させるだろう」
 そしてピートは昨年、教師のチャスティン・グリーズマンと同性結婚しました。

 オバマ前大統領も「これからの民主党をリードしていく人物」として彼の名前を挙げていましたが、以前から将来の大統領候補としても名前が挙がっており、『ニューヨーク・タイムズ』紙が2016年6月、「初の同性愛者の大統領?」との見出しとともにブティジェッジ氏を紹介していました。

 そんなブティジェッジ氏は23日、大統領選に向けた準備委員会を立ち上げ、次期米大統領選への出馬を正式に表明。インターネット上で公開した約2分の動画の中で、自身を実行力のある改革主義者だと表現し、「今まさにわが国は新たなスタートを必要としている」と訴えました。「現実の世界には、やり直しなどない。過去の素晴らしさにすがることはできない」「われわれは学校での銃乱射を生き延び、9.11後の戦争に従軍した世代だ。親世代より少ない収入に甘んじなければならない最初の世代でもある──われわれが何か違うことをしない限りは」

 PinkNewsは、『彼はこのレースにおいて、勝ち目の薄い(一か八かの)大穴候補となるだろう」と評しています。すでに、マサチューセッツ州のエリザベス・ウォーレン上院議員、カリフォルニア州のカマラ・ハリス上院議員、フリアン・カストロ元住宅都市開発長官らが立候補を表明し、前副大統領ジョー・バイデン氏、そしてバーニー・サンダース氏も立候補するのではないかと見られており、すでに大混戦状態となっているからです。
 しかし、トランプ氏がまさかの当選を果たしたように、選挙というものは蓋を開けてみなければわからないところがあります。素晴らしい経歴と若さ、真面目さ、才気、史上初のゲイの大統領になる可能性とが有権者のハートを掴み、もしかしたら大統領候補への切符を手にするやもしれません。
 今後もピート・ブティジェッジ氏の動向をお伝えしていきたいと思います。
 

同性愛公表の「神童」市長、米大統領選に出馬表明 37歳ブーティジェッジ氏(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3207898

Mayor Pete Buttigieg Wants to Be America's First Openly Gay President(OUT)
https://www.out.com/news-opinion/2019/1/23/mayor-pete-buttigieg-wants-be-americas-first-openly-gay-president

Gay mayor Pete Buttigieg might be running for US President in 2020(PinkNews)
https://www.pinknews.co.uk/2019/01/20/pete-buttigieg-2020-first-gay-president/

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