PEOPLE

その他の記事

東京プライドパレードの砂川さんにインタビュー

8月14日土曜日、東京プライドパレードが3年ぶりに開催されます! 翌日のレインボー祭りと合わせ、「ゲイでよかった」と思えるような感動を、ぜひごいっしょに! 東京プライド代表の砂川秀樹さんに、今年のパレードについてお話をお聞きしました。

東京プライドパレードの砂川さんにインタビュー

 2007年以来お休みしていた東京プライドパレードが、今年3年ぶりに開催されます! 2000年に初開催されて以来、10周年の記念すべき年にあたります。8月14日土曜日、太陽の下を約3000人の仲間たちとともにパレードしませんか? 「ゲイでよかった」と思えるような晴れやかなイベントは、きっと今年の夏の忘れられない思い出をプレゼントしてくれるはずです。翌15日の日曜には、恒例のレインボー祭りが新宿二丁目仲通りで開催されます。2010年の夏の2日間をぜひ、東京で楽しみましょう!
 東京プライド代表の砂川秀樹さんに、今年のパレードについてインタビューをお願いしました。2000年にパレードを立ち上げて以来、ずっと東京のパレードを支えてきた砂川さんの思いに迫ってみました。

東京プライドパレード
日時:8月14日(土)
会場:代々木公園イベント広場

パレードとは?

 プライドパレードは世界中で開催されているイベントで、コミュニティの祝祭であり、ともすると「いないこと」にされてしまいがちなゲイやレズビアンの存在を世間にアピールする機会でもあります。
 セクシュアルマイノリティのシンボルであるレインボーフラッグを掲げ、フロートと呼ばれる山車にドラァグクイーンやゴーゴーボーイ(SEXYな男性)が乗り、クラブミュージックを流しながらハデに行進する、というのが定番のスタイルです。

 ニューヨークやサンフランシスコ、シドニーでは数十万人~百万人規模で盛り上がり、有名人や政治家なども参加します。(昨年のワシントンD.C.での全米プライドにはレディー・ガガやオバマ大統領も参加しました)
 アジア圏では台湾が1万人~2万人規模のパレードを毎年行っていて(アジア最大です)、香港やフィリピン、インドなどでも行われています。
 日本では、1994年に東京でスタートし、その後、札幌や神戸、大阪、福岡などでも開催されました(国内でこれだけたくさん行われているのは、アジアでは日本だけです)

 今の東京プライドパレード(初めは「東京レズビアン&ゲイパレード」という名称でした)は、研究者でありアクティビストでもある砂川秀樹さんが始めたもので、2000年に数千人規模で華やかに盛り上がり、レインボー祭りも同時開催され、多くの人たちが感動の涙を流しました。しかし、公的な予算もなく、行政のバックアップも決して手厚いものではなく(札幌市長が来場してスピーチしてくれたり、大阪府知事がメッセージをくれたりするようなことに比べると)、ボランティアベースで毎年続けることには体力的な限界もあるため、何度かお休みをしてきました。今年は3年ぶりの復活ということになります。

昨年の東京プライドフェスティバル。「みんなでブラス!」のステージです。

実行委員長・砂川秀樹さんへのインタビュー

まずはパレード開催、おめでとうございます。昨年は5月に東京プライドフェスティバルという野外イベントが行われましたが、パレードとしては2007年以来なので3年ぶりとなります。今年のパレードのテーマとか目標があれば、教えてください。

とにかく3年ぶりのパレードを無事に開催する、ということが目標で。特にキャッチフレーズは用意してないんですよ。

前は「We Are Here, We Are Happy!」とか「みんなでパレード!」とか、キャッチフレーズがありましたよね。

毎年新しいフレーズを決めるのが大変ですし、正直、形式的になりがち…ということもあります。
以前とちょっと違うかな?ということでいうと、LGBTの問題だけでなくいろんな社会問題に関わる人たちとの連携。昨年のフェスティバルでは、不登校の人たちや障がい者のブースも出ていましたが、セクシャルマイノリティのことも考えつつ、ほかの人たちとも連携できて、力づけられるような場になれば、と思っています。

『BIG ISSUE』とかもブースを出してましたね。パレード自体は、フロートがいくつか出て、代々木公園から渋谷~原宿を歩くという、今まで通りな感じですか?

そうですね。パレードの形は変わりなく。今までと同じように華やかにやれたらと思っています。

ステージでイベントもあると思いますが、内容は決まってますか?

HIVに関するシンポジウムはやると思います。ゲイの間では深刻な問題ですし、行政の後援っていう意味でも、必要になってきます。あと、昨年のフェスではレズビアンの3人に出てもらってトークイベントをやりましたが、ゲイだけじゃなく、ほかのマイノリティの人たちにも出ていただけるような場を設けたいと思っています。
それと、終了後に、とある有名な方のライブ・コンサートをやる予定です。

出演者発表を楽しみにしています。アフターパーティなどの関連イベントも今まで通り?

はい。前日の交流会と、アフターパーティは今まで通りやりたいと思っています。とにかく、3年休んでいたので、今年はきっちり復活したい。そこが大きな目標ですね。

いろいろあって去年のフェスは5月開催でしたが、今年は8月に戻りました。やはり、レインボー祭りとの連携という意味が大きい?

それがいちばんかな。あとは、夏休みの時期のほうが、学生さんとか、ボランティアで動ける方が多いんです。お盆の時期にぶつかってしまうと、帰省する方もいるし、地方から来づらいということもありますが…。代々木公園の使用に際しては公的な性質の高いイベントのほうが優先されるので、どうしても8月末は難しく、みんなが取りたくないお盆の時期になってしまうんです。

なるほど…。紆余曲折あって今年やっとパレードを開催できるようになったわけですが、苦労とか、パレードにかける思いなどをお聞かせください。

まだこれからなのですが、単に労力的な問題として、本業をやりつついろんな仕事をやらなければいけないので、大変ではあります。でも、今のところ、去年のフェスに関わってくれた人が大部分残ってくれたので、スムーズに動いていると思います。去年もなるべくバーンアウトする人を出したくないと思っていたので、そこはよかったです。

僕も2001年に実行委員をやりましたが、1年で燃え尽きました…毎年となると、本当に大変ですよね。

疲れきってしまわないように、続けていきたいですね。僕もずっと関わっていましたが、自分が実行委員長になるのは2000年以降初めて。今年はがんばって、うまくほかの人たちにバトンタッチできれば、と思っています。若い人たちも自主的に動き始めているので、経験を積んで、後を担ってくれたらと思っています。僕自身、最初にパレードをやってから10年になるので…

10年! 節目ですね。

そうなんです。これから先の10年でまた新しい展開があればいいなと思います。

2000年はパレードがあるっていうだけでお祭り的な高揚感がありました。レインボー祭りも初開催されて、感動的な…ゲイムーブメントの頂点というか、メモリアルな年になりましたね。その時代と今とでは、パレードに対する熱さとか、みんなの受け取り方とかもちょっと違うのかな?と思ったりしますが。

たぶん、2000年は「コミュニティが凝集した点」だったと思います。その頃に比べると、熱さには欠けるかもしれないけど、その代わり、周りのいろんな人たちにも認知されるようになって、広がりが生まれた。

去年、NHKが協力してくれたように。内輪ではなく。

そうですね。最近はいろんな社会問題に関わる人たちに話してもすぐにわかってくれるし、認知は広がっていると思います。裾野が広がった分、山の盛り上がりがわかりにくくなったかもしれないけど、いろんな可能性はある。

垣根が低くなって、世間で有名な人なども来てくれる可能性があるのでは?

当事者でなくても来てもいいんだ、ということが伝わっていったらいいですね。ゆるやかだけど、楽しめる、つながれるものになりつつあるかな、と思います。

とはいえ、ボランティアで、事務所の運営もしながら…大変だと思います。協力をお願いすることがあれば。

いろんな参加の仕方があります。当日来て歩いてくれるだけでもうれしいし、ボランティアで動くとか、事前の準備でもいいし。資金的な応援もとてもありがたいです。その時々に合わせて、どういうスタイルでやるかというのは変わっていくと思います。

フロートとか、スポンサーとか、スタッフとかいろいろあると思いますが、特にここがほしい、みたいなところはありますか?

今はボランティアもスポンサーも足りないです。スタッフは直前に集まったりするけど、今は資金面が危うい。不況ということもあり、以前に比べてどこも厳しいので、広告のサイズが小さくなったり、出したいけど出せないとかいうことも多い。もともとパレードって、広告をもらう事業収入と、寄付と、東京プライドの会費で賄っているのですが、その3つがバランスよくあれば安定するのではないかと思っています。

さっきのお話と関係すると思いますが、今後、一般企業からの広告がもらえる可能性がもっと広がる、そういうポテンシャルを持ってると思うんです。映画祭とかはけっこう取ってますよね。

そこは難しいところがあって。一般企業から広告を出しやすくしようとすると、ゲイのセクシャルなサービスをしているところを切り落とす必要が出てきてしまう。LGBTの問題とかではなく、性的なことを前面に出すと引いてしまう企業はまだ多い。2007年のパレードで、当日新聞みたいなペーパーを配布しましたが、それは一般企業のための媒体だったんです。今回もそういう、一般企業が出してくれるような別の冊子を作ろうかと考えています。

2007年のときは、台湾など、海外からのお客さんがたくさん来られていたのが印象的でした。海外の方に対して何かアピールすることがあれば、教えてください。

それぞれの地域の特色があるので、それを楽しんでもらえたらと思います。

去年のフェスにたまたま来ていたアメリカの人が「こんなに社会に受け容れられてるのはありえない」と感動したという話を聞きました。そういう、日本ならではのあたたかさ、みたいなところが魅力なのかな?と思ったりします。欧米のような宗教的なアンチは日本には皆無で、とても平和的。

そうかもしれないですね、街を歩くのに規制はあるけど、敵対する感じはない。沿道のお店にもだいぶ認知されていて、「楽しみにしてます」と言ってくれたりして。地元の商店の人たちにも協力してもらえたらいいなと思っている。

今後、パレードは毎年開催する予定ですか? それとも2年に1回ペース?

来年以降は、フェスティバルをやってパレードをやってという、隔年での開催にしようと思っています。

わかりました。では、何か最後に一言メッセージをお願いします。

3年ぶりの開催ですし、次のパレードは2年後になると思います。これまで来られていた方も、来られたことがない方もぜひ、おいでください。