アルバム『Born This Way』からの4thシングルとなる『You and I』のPVが公開されました。正直、『Edge of Glory』のような感じじゃないの?と思っていた方も多いと思いますが、いい意味で予想を裏切る、素敵な映像になっていました。
アルバム『Born This Way』からの4thシングルとなる『You and I』のPVが公開されました。『You and I』は正直、ガガがこれまで発表してきた曲のなかでも最もシンプルなカントリー調のバラード(ゲイ的にはあまりピンとこない感じの曲)で、この前の『Edge of Glory』がそうだったように、PVもあまり期待されてなかったのでは?と思われます。が、いい意味で予想を裏切るような、素敵な映像が届けられました。
『You and I』というカントリー調のバラードにふさわしい、映画『フィールド・オブ・ドリームス』を彷彿とさせる(アメリカ人の原風景のような)トウモロコシ畑のなかのロマンチックなシーンと、およそそうしたイメージとはかけ離れたファンタジックなシーンが交錯する今回のPVは、おそらく大きな支持を得ることと思います。 なぜなら、誰もが恋愛を経験するなかで感じてきたこと…燃え上がるような情熱、あふれる悦び、ただいっしょにいる時間の満ち足りた幸福感、そして、傷つけられ、怯え、囚われ、喪失感に苛まれ…そうした恋にまつわる記憶や感情を喚起させる表象(イメージ)に満ちあふれているからです。 このPVは、ニューヨークからネブラスカまで歩き通して愛する人を取り戻すというストーリーなのだそうですが、こういうふうに解釈することもできると思います。多感な思春期の時代を田舎で過ごした女の子が、都会に出て、子どもの頃には想像もできなかったようなメカニカルでフェイクでケミカルな恋愛を経験し、ひどく衝撃を受けたり、傷ついたりした…けど、彼女は、傷ついた心をサイボーグのように修復し、ゴージャスなファッションという鎧を身に纏い、一時の癒しを求めて田舎に帰って来るのです。大きなサングラスを外した彼女の顔は、あの純粋無垢だった頃のまま。そして彼女は、トウモロコシ畑を走り回った(その走り方の不器用さがたまらなくイイのです)少女時代と同じように、土埃の舞う田舎道を駆けて行くのです… 正直、音楽だけではそこまでの感動はなかったと思いますが、この映像が誰もが胸の奥に秘めている「恋のせつなさ」「失われた純粋無垢さ」といったイメージをかきたててくれたおかげで、泣けるような名曲へと昇華した気がします。 『You and I』という曲は、ガガが長年つきあってきた(くっついたり離れたりしてきた、いわば腐れ縁な)リュック・カールに捧げられたもので、歌詞に彼の故郷であるネブラスカが歌い込まれ(PVで描かれているのもおそらくネブラスカの田舎の風景です)、いわば私小説的な歌なのですが、ハウス・オブ・ガガ(ガガお抱えのファッション集団)が監督したこのPVは、ガガ・ワールド全開にして普遍的な恋愛絵巻になっているのです。