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シャーデー・アドゥがトランスジェンダーの息子に捧げた「Young Lion」のMV

「Smooth Operator」で有名なShadeのシャーデー・アドゥが6年ぶりの新曲として発表した「Young Lion」は、トランスジェンダーの息子に捧げた歌でした。感動的なミュージックビデオをご覧ください

シャーデー・アドゥがトランスジェンダーの息子に捧げた「Young Lion」のMV

 Sade(シャーデー)が6年ぶりの新曲としてリリースした「Young Lion」は、トランスジェンダーの息子アイザックに捧げた曲で、「孤独を感じていたよね」「その苦悩や痛みに寄り添ってあげるべきだった」「許しておくれ、息子よ」と我が子に懺悔するような歌詞の、切なくも感動的な楽曲になっています。MVではホームビデオで撮影された子どもの頃の姿が映し出されるとともに、成長し、性別移行を終えて男性として生きるアイザックの姿も見ることができます。

 シャーデーをご存じない方のために簡単にお伝えすると、シャーデー・アドゥは1959年、ナイジェリアに生まれ、英国で育ち、モデルとして学費を稼ぎながらセント・マーチンズ・スクール・オブ・アートででファッションを学び、80年代初頭にバンドPrideで注目を集めたのち、自身のバンド「Sade(シャーデー)」を結成しました。1984年、スムースジャズにボサノバ等をミックスしたナンバー「Smooth Operator」とデビューアルバム『ダイアモンド・ライフ』の大ヒットで一躍有名になり、グラミー賞も受賞しています。
 
 1996年、ジャマイカの音楽プロデューサー、ボブ・モーガンとの間に子をもうけたシャーデー・アドゥ(モーガンとはのちに離婚)。この子はミカエラ(愛称アイラ)という女の子の名前をつけられましたが、性別違和に苦しみ、トランジション(性別移行)をして現在はアイザック・セオ・アドゥという男の子として暮らしています。昨年リリースされた「Young Lion」は、そんなアイザックへの謝罪の言葉で始まる歌で、MVでは、アイラという“女の子”として育てられていた幼少期の映像とともに、今は息子と母が幸せに暮らしている様子が窺えるシーンも映し出されていて、感動を誘います。
 子どものカミングアウトに狼狽えた親からの謝罪であるこの曲のリリースは、トランスジェンダーのコミュニティにとっても、子どもに謝罪できない親にとっても大きな意味を持つ、と息子のアイザックは語っています。
 親が自分の間違いを認め、子どもに謝罪することは、双方に大きな癒しをもたらすかもしれないという想いが込められたこの曲は、ポップ・カルチャーを通じてエイズと闘「Red Hot Organization」が企画したコンピレーションアルバム『TRAИƧA』に収録されています。このアルバムには、トランスジェンダーやノンバイナリーの人々を讃えるオリジナル曲やカヴァー曲が46曲も収録され、ギルバート・ベイカーが最初にデザインした8色のレインボーフラッグにちなんだ8つの章から構成されているそうです。
 アイザックは「Young Lion」のMVが公開された直後、自身のインスタグラムで「ママ、ありがとう。これは僕にとって本当に大切だし、他の人たちにとってもそうだと思う。いつも自分でいられる自由をくれて、狂おしいほどに愛してくれて、ありがとう。ママがいなかったら僕はやってこれなかった。あなたは素晴らしい人。愛しているという言葉では足りないくらい」とコメントし、感謝を捧げています。 

参考記事:
シンガーのシャーデー(66)が語る、永遠の美の秘訣とトランスジェンダーの息子への懺悔(VOGUE JAPAN)
https://www.vogue.co.jp/article/sade-birthday
シャーデー、6年ぶりの新曲「Young Lion」MV公開(MUSIC LIFE CLUB)
https://www.musiclifeclub.com/news/20241125_10.html

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