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COLUMN

同性婚訴訟の方たちによる院内集会が大盛況、涙なしには見られない熱い会になりました

2019年11月19日(火)、国会議員の方々に同性婚を実現しましょうとお伝えするべく、衆議院第二議員会館多目的ホールで院内集会が開催されました。涙、涙の熱いイベントになりました。

同性婚実現を求める院内集会が開催

今年のバレンタインデーに全国で一斉に同性婚訴訟が始まりましたが(「MARRIAGE FOR ALL JAPAN -結婚の自由をすべての人に-」)、11月19日(火)、みんなで国会に直接「同性婚を実現しよう!」と伝えよう!という趣旨で、衆議院第二議員会館多目的ホールで院内集会が開催されました。平日の昼間であるにもかかわらず大勢の方々が詰めかけ、会場は超満員で、熱気を感じさせました。全国の原告の方々や、がんと闘っているレズビアンカップル、現役プロアスリートとして唯一カミングアウトしている下山田さんら、同性のパートナーがいる当事者の方々が切々と、結婚制度から排除されている理不尽さを訴え、国会議員の方々が涙する場面もあり、たいへん熱い集会になりました。


 
イベントレポート

 11月19日(火)、ピクニックでもしたくなるような、気持ちよく晴れた日でした。
 国会議事堂前駅から歩いてすぐのところにある衆議院第二議員会館の入り口には、「MARRIAGE FOR ALL JAPAN」の赤いTシャツを着た方がいらして(本当は受付で名前を書いたりという手続きがあるのですが)、通行証をいただけたので、スムーズに入れました(なかなかこういう所って敷居が高いイメージがありますよね。でも、そんなに怖がらなくても大丈夫です。中にトイレや喫煙所、授乳室やレストランもあります)
 イベント開始の20分前くらいに到着したのですが、すでにたくさんの方がいらして、熱気を感じさせました。

 13時にイベントがスタート。
 最初に「MARRIAGE FOR ALL JAPAN」共同代表の寺原真希子弁護士がご挨拶し、訴訟の概要や、ミッション、意義について語り、「これはセクシュアルマイノリティだけでなくすべての人が生きやすい社会、個人の生き方を尊重できる社会への試金石です」と語りました。

 続いて、在日米国商工会議所のクリストファー・ラフルア会長が登壇しました(在日米国商工会議所は日本での同性婚実現を求める提言を発しています)。日本はG7の中で唯一、同性パートナーの権利を保障する法律がなく(後塵を拝している、と日本語でおっしゃっていて、スゴいと思いました)、母国では認められているようなパートナーへの福利厚生が日本では認められないため、欧米のLGBTのビジネスマンは日本に来るのを嫌がっている、日本は優秀な人材の活躍の機会を逃していると訴えました。
 
 LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)の石黒徹理事は、「同性婚を認めることは、お金をかけずに国際競争力を高める魔法のような施策だ」と語りました。「『失われた20年』を打ち破り、自由な発想、イノベーションの源泉となるのがダイバーシティ&インクルージョンである」「現状は多くの優秀な外国人が日本に来たがらないが、それは、日本では同性の夫や妻の配偶者ビザがもらえず、病院で親族として認められないから。日本の恥ではないか」「人口の8.9%に上るとも言われるLGBTが、法の下に平等に扱われず、人権を疎外されている。法の下の平等に照らして、こんなことが許されるはずがない」「世論は7割超が賛成している」「すべての人が生きやすい社会を」

 それから、原告の大江さん&小川さんカップルがスピーチしました。
「四半世紀も活動してきましたが、私たちですら、原告となるのは覚悟が必要なことでした。人生を懸けた、これは最後の活動だと思っています。『同性パートナーシップ・ネット』を立ち上げた当時、同性婚と銘打つことはハードルが高かったのですが、今こうやって堂々と声を上げていることは、感無量です」
「みんなが着ている赤いTシャツは、怒りの赤でもあると思っています。なぜ結婚が認められないのか、と憤る仲間のためにも、闘っていきたいです」

 原告のおのはるさん。「私と、パートナーと、それぞれ前の夫の間に生まれた子どもがいて、一緒に育てています。今は大学生と高校生。あたたかな、ふつうの家庭です。でも、私ががんで入院したとき、制度的保障がないことのつらさ、経済的不平等を思い知りました。もし私が死んだら、子どもの親権がどうなるのかということも本当に心配です。こんなに悩まなくてはいけない理不尽さを、ぜひ解消していただきたいです」

 それから、現役アスリートとして唯一、カミングアウトしているなでしこ二部リーグに所属する下山田志帆さんがスピーチしました。「ドイツに行ってすぐ、同性婚が認められました。クラブのメンバーやトレーナーもレズビアンだったりして、クリスマスのイベントにも同性のパートナーを連れてきて、監督に紹介したりしていて、いい意味で衝撃を受けました。チームメイトの一人は、引退したら、指導者としてやっていきながら、同性パートナーと結婚し、子どもを自分のクラブに入れるのが夢だと語っていて、素晴らしい、うらやましいと思いました。国が結婚を認めるというのはこういうことなんだな、と実感しました。翻って日本では、世間の目を恐れて誰もカミングアウトしていません。友人のゲイのアスリートが、日常的に「ホモ」ネタやいじりがあるチームなので、絶対にカミングアウトできない、と言っていました。五輪憲章では性的指向による差別が禁止され、東京都でもLGBT差別禁止を謳った条例ができましたが、現状はこうです。国レベルで同性愛を肯定する制度が必要です。もっと胸を張って自分らしく生きていきたいし、パートナーといっしょに自分たちは変じゃないよね、いっしょにいていいよねと胸を張って生きていきたいからです。チームメイトたちも、他のスポーツ選手たちもそうなってほしいです」

 北海道の原告の女性カップルも、スピーチしました。
「もし異性愛者であれば、結婚して、周囲から祝福されて、家や子どもを持って…でも、私は、パートナーが同性であるというだけで、両親をはじめ、周囲から否定されてきました。結婚が認められてないことで、異性愛より劣っていると見られます」
「若いセクシュアルマイノリティの人たちからの相談を受けるボランティアをやっています。つい先日も、17歳の子から、幸せな未来が描けない、と相談がありました。結婚もできない、絶望しかない、と。そんな悲痛な叫びや、絶望が、たくさんの若者から寄せられています。こんな状況は私たちの世代で終わりにしたい」

 与党・野党問わず、多くの国会議員の方からの応援の言葉もありました。
 尾辻かな子氏は、嗚咽で胸を詰まらせながら「20年前から同性婚実現のために闘ってきて、ついにここまできたか、と。今日この場に集まってくださった方たちの顔を見ていて、こんなにたくさんの仲間が集まり、こんなにたくさんの議員の方たちが一緒に…。今日は、新しいスタートになる日だと思いました」と語りました(大きな拍手が贈られました)

 東京の原告の佐藤郁男さんのスピーチ。
「パートナーのよしとは16年一緒に住んでいて、ほとんど一緒にいる。私は還暦ですが、糖尿病とHIVを持っていて、人工透析もしている。もし自分が病気で最期を迎えることになった時に、病院で親族としてよしに会えるのか、一緒に居られるのか、心配です」

 同じく東京の原告のただしさんのスピーチ。
「16歳年下のかつというパートナーがいます。同性婚を認めたら、同性愛者が増えるとか、少子化が進むとか、びっくりするような意見を聞きましたが、性的指向は自分の意志で変えられるようなものではないし、うつるとか増えるようなものではありません。世の中は変わらず、伝統も維持されるし、子どもを育てるカップルが増えるし、同性婚によって出生率が上がった国もあります。同性婚は誰の権利も侵害しません」

 名古屋の原告のたかみさんのスピーチ。
「里親になりたくて、パートナーと児童相談所に行っています。たくさんの子どもたちが、施設での生活を余儀なくされています。うちに来てくれたら…と思います。人と人とが絆を、愛を感じて、素敵な家庭を築ける社会を、明るい未来を描ける、希望の持てる社会になることを望みます」

 香川の原告の田中昭全さんは、ずっとパートナーの川田有希さんと手をつなぎながらスピーチしました。
「12年一緒にいます。香川県の三豊市で2月に婚姻届を出しました。承認の欄があって、ずっと応援してくれてる友人たちにお願いしました。結婚するってこんなうれしい気持ちなんだ、男女のカップルはこのうれしさを自然に味わえて、国がさまざま保障してくれるんだなって、でも自分たちは拒否されて寂しいな…と思いました。僕は家を買って、一緒に暮らしていますが、共同名義にはできなかったので、彼より8歳年上の僕が先にあの世に行ったとき、彼はこの家に住み続けられるのか、どうなるのか…と心配です」
 
 九州の原告のまさひろさん&こうすけさんのスピーチ。
「福岡でパートナーシップ宣誓をして、これで夫婦同然だとうれしく思っていました。しかし、小さな家を購入したいと思った時に、法律で結婚が認められていないからと、共同でローンを組むことができませんでした。自動車保険の配偶者特約も、ほとんどの保険会社で認めていないというのが現実です。いつも壁にぶつかります。私たちの次の世代にこの状況を引き継ぎたくないと思います」
「クローゼットと言いますが、以前は周囲にカミングアウトしていませんでした。しかし、父が他界して相続やなんかの問題を間近で見て、思うところがあり、結婚したいと強く思うようになりました。同性婚訴訟の記者会見の翌日、職場で何と言われるか本当に緊張しましたが、みんなに『頑張ったね!』『応援してるよ!』と言ってもらえて…一生懸命隠してたのは何だったんだろうと思いました。私たちは幸せですが、しかし、不平等、不利益は変えていきたいです」

 2014年に初めて青森で婚姻届を提出し、世間にインパクトを与えた(パレードの主催者でもあった)翔子さん&おかっちさん。翔子さんががんと闘っているため、原告にはなっていませんが、国会議員の皆さんに思いを伝えるべく、スピーチを行いました。
「がんの治療のために病院に行くときに、青森では同性パートナーシップ証明がまだ認められていませんので、自分たちで公正証書のような書類を作り、見せたのですが、それでも『緊急時に連絡が行かないかもよ』『それがイヤなら違う病院に行けば?』と言われました。誰もが等しく受けられるはずの治療に、専念することができませんでした。パートナーシップが認められているような自治体なら大丈夫かもしれませんが、青森はまだ…私たちは生きる場所を制限されているのです。これは、命の問題です。早く同性婚を決めてください。私の命が尽きる前に」
 このスピーチには、涙を拭う議員さんの姿も多く見られました。(私も泣きました)
 
 杉山文野さんもスピーチしました。
「僕はFtMトランスジェンダーです。見た目はこんなですが、事情により戸籍上の性別を変えられないままなので、彼女とは戸籍上は同性になります。彼女とはもう10年一緒に暮らしていますが、一度だけ、5年目に『結婚できないのは辛い』と別れ話を切り出されたことがありました。周囲が次々に結婚していくなか、自分は結婚できない、不安に耐えられないということでした。これだけお互いを大好きなのに…。僕にはどうすることもできず、ただ二人で泣くしかありませんでした。今は、精子提供を受けて子どもを授かり、その子も1歳になりました。最初は僕に『頭がおかしいんじゃないか。病院に行け』と言うくらいだった両親も、孫ができて、もうメロメロです。僕らを法的にも家族と認めていただきたいという思いです」
 
 最後に、「MARRIAGE FOR ALL JAPAN」共同代表の三輪晃義弁護士が、締めのご挨拶。
「多くの激励のメッセージをいただいています。この不平等は、看過できない問題です。正直、私は怒っています。皆さんと共に闘っていきます」という、力強い言葉を贈ってくださいました。


イベントを振り返って

 2月14日の訴訟が始まった日に、永田町のGRIDで開催された応援イベントに参加したのですが、勇気を出して原告になってくださったゲイカップル、レズビアンカップルの方々に拍手を贈るようなパーティで、笑顔あふれるアットホームな雰囲気でした。
 今回の院内集会は、尾辻さんが「今日は、新しいスタートになる日です」と語ったように、与党・野党の国会議員の方も多数参加して(議会と重なっていたにもかかわらず会場に28名が駆けつけ、事前にメッセージを寄せてくださった方も35名)、当事者の方もアライの方も一丸となって、結婚の平等への思いを届ける、熱いイベントになりました。

 5年後か、いつになるかわかりませんが、将来、結婚の平等がきっと実現すると信じますが、振り返ったとき、「あの時の院内集会は熱かったなぁ…」と思い出されるようなイベントだったと思います。
 
 裁判は、まだまだ続きます。最高裁まで行くだろう、そうすると5年くらいかかるだろうと見込まれています。
 こちらに今後の裁判のスケジュールが載っています(直近だと、福岡の第1回目が12/2に予定されています)。行ける方はぜひ、傍聴にお出かけください。関心の高さが裁判所に伝わりますし、原告や弁護団の方たちの応援にもなります。

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