g-lad xx

EXTRA

ゲイ用語の基礎知識

MSM(エムエスエム)

 Men who have Sex with Men(男性とセックスをする男性)の略。HIVなどの性感染症について、医療関係者や予防啓発に関わる方たちの間で専ら使われてきた海外由来の言葉(疫学用語の一つ)です。

 なぜゲイ・バイセクシュアル男性と言わず、MSMという言葉を使うのかというと、男性とセックスをする男性はゲイやバイセクシュアルというアイデンティティを持つ人に限らないからです。
 ゲイビデオに出演している方や、俗に「ウリセン」と呼ばれるゲイ風俗で働いている方、ゲイ向けの(ヌキあり)マッサージをしている方のなかには、ストレート男性の方もたくさんいらっしゃいます。
 同性愛が違法であるような国では、男性とセックスしていながらゲイまたはバイセクシュアルであると自分自身で受け容れることができない方が大勢います。
 宗教的・文化的に女性との性行為が厳しく制限されているような地域で代替行為的に男性どうしのセックスが行なわれることもあります。
 軍隊や刑務所などの特殊な環境下で同様に男性どうしのセックスが行なわれることもあります(ちなみに米軍で起こっているレイプのほとんどはストレート男性によるものです
 
 HIVなどのウイルスの感染は、性的指向ではなく、どのような行為を行なったか(体液や粘膜の接触があったかどうか)が問題ですから、ゲイ・バイセクシュアル男性かストレート男性かという「アイデンティティ」で区分けすると、感染経路などを見誤る場合があります。そういう意味で、MSM(Men who have Sex with Men)という言葉が用いられるようになったのです。(決してゲイ・バイセクシュアル男性を差別するような意味合いはありません、念の為)
 
 LGBTやSOGIなどとは使われるようになった背景や理由が異なりますし、そもそも専門家の間でしか使われていない言葉ですので、「みんなもMSMという言葉を使うべき」などということはありません。

索引

その他の用語

その他の記事

SCHEDULE

    記事はありません。