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ゲイ用語の基礎知識

ホモソーシャル

 ホモソーシャル(homosocial)は、女性と同性愛(ホモセクシュアル)を排除することによって成立する、男性間の緊密な結びつきや関係性を意味する社会学用語です。

 1976年にジーン・リップマン=ブルーメンが、性的な意味ではなく社会的な意味での「同性の仲間への選好」をホモソーシャリティ(homosociality)と定義し、イヴ・セジウィックの1985年の著書『男同士の絆』によって広く知られることとなりました。

 ホモソーシャルは体育会系な男社会に典型的に見られ、女性をモノのように扱ったり男に仕える存在として見下げたりするようなミソジニー(女性嫌悪)と、同性愛を盛んに侮蔑したり気持ち悪がったりすることで「自分はホモじゃない」と仲間にアピールするようなホモフォビア(同性愛嫌悪)を特徴とします。
 
 『男の絆─明治の学生からボーイズ・ラブまで』(筑摩書房)の著者であり、オープンリー・ゲイの研究者である前川直哉さんは「俺たちは男だ」という連帯感を得るために女性を必要とする」と指摘し、「男同士連れ立って風俗やキャバクラへ行ったり、男たちが下ネタで盛り上がったりするのは、ホモソーシャルの典型的な風景です」「これらが最悪の形になると、度々ニュースを騒がせている名門大学生による強制わいせつ事件のような惨事にもつながると思います」と語っています。(WEZZY「社会を“男の絆”で占有する強固なロジック 「ホモソーシャル」の正体とは?」より)

 マンガでわかるLGBTQ+ / パレットーク「ホモソーシャルってどういう意味? – "男性同士の絆"と"男性の生きづらさ"について」のマンガもわかりやすいので、読んでみてください。

 ゲイが長い間、世間から侮辱や嘲笑の対象とされたり、テレビに“男らしい”タイプの同性愛者がほとんど出てこなかったり、ゲイだとカムアウトすると「俺のケツは狙うなよ」などと言われたり仲間はずれにされたり職場に居づらくなったりするような偏見や差別が蔓延してきた要因のひとつに、社会のあちこちにホモソーシャルが幅を利かせていたことが挙げられるでしょう。

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