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ゲイ用語の基礎知識
ゲイゲームズ
メキシコ五輪(1968)に出場した十種競技選手で薬学博士でもあるトム・ワデル氏によって「同性愛が禁じられているような国の人も安心して参加でき、世界中のゲイやレズビアンが自分を肯定的に受け容れられるようになり、一般社会の理解やリスペクトを促すような」ゲイ・オリンピックとして「ゲイゲームズ」が提唱され、1982年、サンフランシスコで第1回大会が開催されました。初めは「ゲイ・オリンピック・ゲームズ」という名称でしたが、アメリカのオリンピック委員会から訴えられたこともあり、「ゲイゲームズ」と名称を変えることを余儀なくされました。
ゲイゲームズは回を重ねる毎に着実に参加者を増やし、94年にニューヨークで行われた第4回大会では競技参加者が世界44カ国から1万5000人、観客動員50万人を記録し、アマチュア・スポーツ大会としては本家オリンピックを抜いて世界一の規模を誇るまでに成長しました。98年のアムステルダム大会では競技参加者も2万人に上りました。
そして、2006年、第7回ゲイゲームズがカナダのモントリオールで開催されることになっていましたが、ゲイゲームズ連盟(FGG)と主催者モントリオールとの間で、開催の規模や内容についての方針をめぐって交渉が決裂し、モントリオールは別組織「ゲイ&レズビアン国際スポーツ連盟(GLISA)」を立ち上げ、独自の大会「アウトゲームズ」の開催に踏みきりました。ゲイゲームズ側は、ほぼ同時期にシカゴで第7回大会を開催しました。(ほぼ同時期にゲイオリンピックが重なったことで参加者が分裂し、どちらの大会も赤字になったそうです)
もともとゲイゲームズの無い年にはヨーロッパで「ユーロゲームズ」という大会が開催されてきましたが、モントリオール(フランス語圏のケベック州)は欧州との結びつきが強く、ユーロゲームズ(EGLSF)との連携によってアウトゲームズを開催したということも背景にあるようです。ちなみに、欧州でのユーロゲームズと同様に、2008年から「アジア太平洋アウトゲームズ」が開催されるようになりました(第1回はオーストラリアのメルボルンで行われました。来年、第2回大会がニュージーランドのウェリントンで開催される予定です)
アウトゲームズが4年に1度のサイクルを続けると完全にゲイゲームズと重なってしまうため、1年サイクルを早めて2009年に第2回大会が行われました。が、現状、1年ずれて2つのゲイオリンピックが並行して開催される形となっています。
2010年、英国のマンチェスターで欧州ゲイ&レズビアン・スポーツ連盟(EGLSF)の会合が行われた際、ゲイゲームズ連盟(FGG)とゲイ&レズビアン国際スポーツ連盟(GLISA)の代表も同席し、別々に4年ごとのゲイオリンピックを行っている現状に終止符を打つことに大筋で合意しました。World Out Gamesは2017年のマイアミ大会で最後となりました(しかし、経済的事情から、一部の競技を除き、ほとんどのイベントがキャンセルとなったそうです)
【年表】
1982 Gay Games @サンフランシスコ(USA)
1986 Gay Games @サンフランシスコ(USA)
1990 Gay Games @バンクーバー(カナダ)
1994 Gay Games @ニューヨーク(USA)
1998 Gay Games @アムステルダム(オランダ)
2002 Gay Games @シドニー(オーストラリア)
2006 World Out Games @モントリオール(カナダ)
2006 Gay Games @シカゴ(USA)
2009 World Out Games @コペンハーゲン(デンマーク)
2010 Gay Games @ケルン(ドイツ)
2013 World Out Games @アントワープ(ベルギー)
2014 Gay Games @クリーブランド(USA)
2017 World Out Games @マイアミビーチ(USA) →キャンセル
2018 Gay Games@パリ
2022 Gay Games@香港 →2023年に延期
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