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「もう1つのパレード」〜フライングステージ初日レポート
フライングステージ『トップボーイズ』の初日を観てきました。腹を抱えて笑えるシーンもあれば、身につまされるシーンもあり…「ゲイの幸せとは何か?」をめぐる、深く突き刺さるような、熱い舞台でした。レポートをお届けしたいと思います。

ビックリしました。ハッピーエンドを信条としてきたフライングステージが初めて、決してハッピーではない、観客に問いかけるような形で劇を終えたのです。しかし、観客たちは、気まずくなるどころか、大きな拍手を贈っていました。それはとりもなおさず、この演劇が(関根さんが)伝えようとしていたことへの共感の表明であり、演劇としての充実度(脚本の魅力)に対する拍手だったと思います。
ああ、フライングステージはついに、新しい地平に飛び立ったんだな、と思いました。
『トップボーイズ』は、公式サイトやフライヤーに書かれている通り、陽樹と鷹雄の「結婚」を祝うために、歴史上の有名なゲイたち…オスカー・ワイルド(キャラが立ってました)やハーヴェイ・ミルク(似てました)、フレディ・マーキュリー(セクシーでした)、三島由紀夫『仮面の告白』の主人公(このシーンの要でした)などが次々にやってきてパーティを開くというシーンで始まります。華やかでにぎやかなパーティの中で、投獄されたり、殺されたり、エイズで亡くなったりした歴史上のゲイたちがその生き様を語るシーンもあります(胸を打つものがありました)。そして後半、陽樹と鷹雄のリアルな関係性、シビアな現実が描かれていくのです…
そうした歴史上のスターたち以外にも、途中、いろんな魅力的なキャラクターが登場して楽しませてくれました。特にOLのしのぶちゃん(女装)にはゲラゲラ笑わせてもらいました。昭和な香り漂うゲイバーのママ(イカニモ)や、陽樹と鷹雄のゲイ友たちのゆるい感じ(リアル)、人気ホスト(男前)、ちょっと影のある知的な雰囲気を持った会社の上司(美形)などにも惹かれるものがありました。
で、そんなドタバタを楽しんでいると、いつの間にか、え?という展開に進んでいき、そして、まさかのラストシーンを迎えるのです。
ある意味、フライングステージは、ずーっと同じことを追求してきた、同じメッセージを表現してきたと思います。でも、今回は、違う表現方法を取ったのです。もしかしたら賛否両論あるかもしれません。苦々しく思う方もいることでしょう。でも、きっと、メッセージはより強く観客に届いたし、胸に突き刺さった。そんな気がします。
終演後、たまたま加藤裕さん(客演)とお話する機会があったのですが、関根さんが(出来上がりは遅いけど)役者への愛がある脚本を書いてくれること、人と人との関係性をとても丁寧に描いていること、などを語ってくれました。
今回の舞台は、まさにそんな関根さんの良いところが発揮されていたのでは?と思います。
僕ら世代のゲイなら多かれ少なかれ経験するような、ゲイだからこその関係の難しさ、「もしも、こういうタイプの人とそうじゃないタイプの人がつきあったら…」みたいなことが、本当にリアルで(まるで昔の自分を見ているようでした)、気持ちがひしひしと、痛いほど伝わってくるのです。
この『トップ・ボーイズ』は東京プライドパレードの協力イベントとなっていますが、本当にパレードにふさわしい、ある意味「もう1つのパレード」とも言うべき、ゲイのリアリティが表現されていました。素晴らしかったです。

劇団フライングステージ第35回公演「トップ・ボーイズ」
日程:8月5日(木)~15日(日)(詳細はこちら)
会場:下北沢OFFOFFシアター
京王井の頭線・小田急線「下北沢」駅南口正面徒歩0分
(世田谷区北沢2-11-8 TAROビル3F、03-3424-3755)
料金:全指定席3,500円、ペアチケット6,500円、トリプルチケット9,000円、当日券3,800円
作・演出:関根信一
出演:石関準、羽矢瀬智之、岸本啓孝、しいたけを、松之木天辺、坂本穏光、ますだいっこう、加藤裕(クロカミショウネン18)、久米靖馬(クロカミショウネン18)、岡田梨那、関根信一
チケット予約:
WEB予約 https://ticket.corich.jp/apply/21098/
MAIL予約 yoyaku@flyingstage.comまで
TEL/FAX予約 048-999-6528
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