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アダム・ランバート来日記念特集
ゲイであることをオープンにしたうえでメジャーデビューを果たすという前代未聞のチャレンジを見事にクリアし、ポップスター街道を走り続けているアダム・ランバート。来日公演を記念し、ここ数ヶ月の動きを特集してみたいと思います
『アメリカン・アイドル』に出場するやいなや、全米を熱狂させ、すでにしてアイドルだったアダム・ランバート。シーズン8で準優勝に輝いた後、メジャーデビューを控えた重要な時期にゲイであることをカミングアウトし、センセーションを巻き起こしました。アダム・ランバートは「異性からの人気に支えられているポップスター(アイドル)はカミングアウトしたらやっていけない」という定説を覆し、超大作映画『2012』の主題歌『Times For Miracles』を歌うことになり、アメリカの紅白とも言うべきアメリカン・ミュージック・アワードでトリをつとめるというあまりにもゴージャスなメジャーデビューを果たし(「セクシーすぎる」とクレームが来てしまいましたが)、アルバム『フォー・ユア・エンターテイメント』をヒットさせ(アメリカでは予約枚数がマドンナやザ・ビートルズの記録を塗り替えて1位に君臨)、グラミー賞ではレッドカーペットのファッション・レポーターを務め、約4ヶ月間にわたる全米ツアーを成功させ、9月25日からはシンガポールを皮切りにヨーロッパやオセアニアをも含む文字通り全世界的なワールド・ツアーをスタート(現在ツアーの真っ最中)という、順風満帆な活躍を見せています。
現在発売中の『MOVIE STAR』
誌の表紙も飾っています
ここ日本でも、3月の初来日時には成田に1000人のファンが詰めかけ、『笑っていいとも』や『スッキリ!』に出演し、ファンライブに1万人が応募し、『RollingStone』5月号の表紙を飾り、『InRock』5月号でレディ・ガガと並ぶ扱いで特集が組まれたり、アダム・フィーバーを巻き起こしました。
そして、7月に来日公演決定のチケットが発売されるや、すべて即日完売となり、急遽10月6日(水)に東京での追加公演が決定しました。7月21日から配信スタートした『イフ・アイ・ハッド・ユー』のPVは、配信初日からiTunes storeミュージックビデオチャートで3日連続1位を記録! 9月22日から配信スタートした『キャント・レット・ユー・ゴー』がレコチョク洋楽フル9/22付デイリーチャートで1位を獲得! アルバム『フォー・ユア・エンターテイメント 来日記念グラマラス・エディション』がAmazonポップス・チャートで6位を記録! といった具合に破竹の快進撃を続けています。
また、先日発表された「ビルボートジャパン・ミュージックアワード」にもジャスティン・ビーバーなどとともにノミネートされています。ファンの方、ぜひ11月1日から投票を!
来日公演情報
3月のファンライブ
一夜にしてゲイ・アイコンとなったアダム・ランバートですが、7月にお伝えした通り、この10月に名古屋、大阪、東京で来日公演を行います。
3月の初来日時には、ファンのためのスペシャルライブを開催し、最後に「たとえ君が何者であろうと、何を望もうと、自信を持って」と(たぶん日本のゲイに向けた)素敵なメッセージをプレゼントしてくれました。
来日公演ではどんなメッセージを(日本のゲイに向けて)プレゼントしてくれるのか、楽しみです。
アダム・ランバート日本公演
名古屋 10月3日(日)@ボトムライン SOLD OUT
大阪 10月4日(月)@なんばハッチ SOLD OUT
東京 10月6日(水)@JCBホール チケット発売中!
10月7日(木)・8日(金)@JCB ホール SOLD OUT
お問い合せ先:ウドー音楽事務所(03-3402-5999 )
『フォー・ユア・エンターテイメント 来日記念グラマラス・エディション』発売!
悲願の単独初来日公演が実現したことを記念し、現在も大ヒット中のデビュー・アルバム『フォー・ユア・エンターテイメント』(『キャント・レット・ユー・ゴー』なども追加収録)に最新ミュージック・ビデオやライブ映像などを収録したボーナスDVDをプラスし、さらに豪華写真を14面にわたって使用した2011特製デスクスタンド・カレンダーや、ジャパン・ツアー各会場で行われる「ミート&グリート」(アダムに会える権)応募券を封入、というスペシャル・エディションがリリースされました。
DVDの内容は、これまで発表されたシングルのPV、「Clear Channel Stripped」「Sessions@AOL」からのライブ映像、そして『 イフ・アイ・ハッド・ユー』PVのメイキング映像だそうです。
まだアルバムを買っていなかった方、この機会にぜひ!(完全生産限定盤ですので、お早めに)
『フォー・ユア・エンターテイメント来日記念グラマラス・エディション』
アダム・ランバート/完全生産限定盤/CD+DVD+カレンダー/SICP-2920~2/3,990円(税込)
ニュース記事いろいろ
さて、アダム・ランバートに関する最近のニュースをもう少しお届けしましょう。
27日のMTV UKのニュースによると、アダム・ランバートは、レディ・ガガとマドンナという2人のビッグ・スターにアドバイスを求めていたことがわかりました。
「ガガは僕に過去の3年間の試練のことを教えてくれた。彼女はあの成功に至るまでに本当に本当にハードな努力をしてきたんだ。見た目を気にするヒマもなく、ろくに眠ることもできず、安定した社会生活なんて送れない…やるしかないんだと。元気が出たよ。そして彼女は正しかった」
レディ・ガガの「賢者の言葉」がもし十分ではなかったとしたら、「クイーン・オブ・ポップ」のアドバイスはいかがでしょうか。
「マドンナはこう教えてくれた。メディアや掲示板の言葉に惑わされてはいけない、誰もが意見を持っているのだから、と。人々は絶好調の時こそ、叩きたがるもの」
「僕は本当にたくさんのチャレンジがあるってこと、がんばれば行きたいところに行けるってことを学んだ」
シンガポールのF1グランプリの20,000人の観客の前でパフォーマンスを披露し、ワールドツアーの華やかなスタートを切ったアダムは、シンガポールの「RazorTV」のインタビューで、カミングアウトについて語りました。
「僕はいつでもアウトしていた」
「高校を卒業してすぐカミングアウトして、オープンリーに、プライドを持って生きてきた」
「『アメリカン・アイドル』に参加してたときも、秘密になんてしてなかった。みんな知ってたよ」
「オーディションが進むにつれ、だんだん僕の私生活に、僕がどんな人間なのかってことに興味が集まりだした。でも、いったん番組が始まると参加者はマスコミとの接触を禁じられるんだ。だから、ゲイかどうかってことに対して説明の機会が与えられてなかった」
「番組が終わるやいなや、幸いにも『Rolling Stone』誌が僕に話す機会を与えてくれた。僕はオープンに、正直に話したいと思ったんだ」
シンガポールではまだソドミー法(英国植民地時代からの、同性間性行為を禁じる法律)が残っています。アダムの活躍が、少しでもシンガポールの社会を変えるきっかけになれば、と思います。
一方、オーストラリアのニュースサイトのインタビューでは、このように語っています。
「自分のセクシュアリティに関しては満足してるよ。それについてやましいところは一つもない。正直にいたいんだ。ポップの世界ではカミングアウトしてる人はほとんどいないよね。僕はその役割を担うことに幸せを感じてるよ」
「だけど、インタビューと言えば、ゲイってことばかり…。正直に言えば、僕はゲイのスポークスマンってわけじゃない。たまたまゲイに生まれたエンターテイナーってだけなんだ」
また、公式サイトによると、アダムは約4ヶ月にわたる全米ツアーのかたわら、チャリティ活動も精力的に行ってきました。
8月24日、アダムとバンドメンバーは公立学校教育を支援する「DonorsChoose.org」のオフィスを訪れ、中学生のジャズバンドと触れ合ったり、教師たちから教材がどれほど足りてないかという実情を聞いたりしました。生徒たちは一行のために2曲を演奏し、また、ツアー中の生活や歌のインスピレーションについて質問しました。アダム・ランバートからは曲の指導とサイン入りCDがプレゼントされました。
音楽教師のキャンディスさんは「生徒たちだけでなく、私にとっても忘れられない経験になったわ。生徒たちのたくさんの笑顔を見れて、本当によかった!」と、アダム・ランバートの協力に心から感謝していました。
ゲイであることをオープンにしている人物が(公の歓迎を受けながら)中学生と接するというのは、よく考えるとスゴイことです。その生徒たちの中にもゲイやレズビアンの生徒がいたかもしれませんし、このニュースを知ったゲイやレズビアンの中高生がどれだけ励まされるか…と考えると、感動させられます。
アダム自身も語っているように、(たとえスポークスマンじゃないにしても)時代を象徴するような、本当に重要なロールモデルになっているんだと思います。これからも様々に活躍してくれることを期待します。
(後藤純一)
INDEX
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