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数十万人が観覧! KOBEふれんどりーマーチ

5月16日(日)、神戸まつりの1フロートとしてセクシュアルマイノリティのパレードが行われました。さわやかな晴天の下、オレンジのコスチュームに身を包んだ数十人の人たちが数十万人の観客の前を晴れやかに行進しました。その楽しさと神戸パレードの意義をお伝えいたします。

数十万人が観覧! KOBEふれんどりーマーチ

 神戸でのパレードは、東京や札幌、大阪のパレードとは全く異なるタイプのものです。毎年5月半ばに開催される「神戸まつり」という市をあげての大イベントの1フロートとして参加するというスタイル。歩ける人数は限られていますが(定員250名)、観客の規模が数十万人にも上り、TVや新聞などのメディアにも注目されます(実際、翌日の神戸新聞には、たった4人しか選ばれない参加者コメントの中にドラァグクイーンの方が登場していました)。それはシドニーのマルディグラや世界的なパレードにも匹敵するアピール力と言えるのではないでしょうか。
 また、1からルートや集合場所を確保し、行政や警察と交渉し、ファンドレイジング(協賛や寄付)を募り、ガイドブックを作り、ブースを出店し…というパレードの運営の大変さに比べ、地元のお祭りというステージの中に参加する形であれば、より少ないコストでパレードを行うことができます。この「神戸スタイル」は、大きなコミュニティがない地方でもパレードができるということを示し、2008年には福岡でも「博多どんたく」に参加する形でクィア・レインボーパレードが開催されました。
(パレードの代表、ふれんどりーKOBEのしゅんさんのインタビューがこちらに掲載されています)

 それでは、当日の様子をレポートいたしましょう。

 午後1時過ぎ、集合場所の「こうべまちづくり会館」多目的ホールにパレードの参加者が集まって来ました。地元神戸に住んでいる方だけでなく、大阪や、東海地方や、東京から来られた方もいました。セクシュアルマイノリティの当事者だけでなく、その親御さんもいましたし、ゲイバーのお客さんである女性の方もいました。そんないろいろな方たちが、真っ白い旗に思い思いのメッセージを書き、交流し、3時半頃、会場に向かって出発しました。

 ドラァグクイーンやコスプレをした男の子たちが商店街や中華街を歩いて行くと、街行く人たちは怪訝そうな顔でじろじろ見たり、笑顔で手を振ったり。すでにパレードは始まっていたのです。

 4時過ぎ、会場付近に到着。「おまつりパレード」に参加するいろんな集団が行き交ったり、待機したりしていました。阿波踊りな人たち、サンバカーニバルな人たち(写真右)、ミスコン優勝者…僕らのグループは衣装の統一性もいまひとつで(なにしろ多様ですから)、そういう意味では見劣りしていたかもしれませんが、それでもドラァグクイーンの人たちは写真をバシバシ撮られていました。
 
 オレンジに彩られたフロート(2tくらいのトラック)が合流し、参加者たちのテンションも一気に盛り上がり、5時頃になって、いよいよパレードがスタートしました。僕らのパレードを盛り上げるBGMはレディ・ガガの「BAD ROMANCE」。否が応でもアガります。

 フラワーロードという市内最大の目抜き通りを行進するのですが、予想してたとはいえ、その道幅の広さ(8車線くらいあります)と観客の多さには、やっぱり驚きました(正直、ビビりました)。地元サンテレビの生中継用カメラにも撮られていました(中継は5時で打ち切られるので、実際は放送されていないようでしたが)
 ふつうの格好で歩いてたら申し訳ないというか、ショーアップしなきゃ!と思わずにはいられない大ステージ。女装してトラックに乗らなかったことが本当に悔しかったです(笑)

 20分ほどゆっくりと行進し、フラワーロードを曲がると、ふつうの幅の道になり、沿道の人たちの顔がよく見えるようになりました(それまではごま粒のようでした)。おじいちゃんおばあちゃんからお子さんまで…すべての人が笑顔で見ているわけではありませんが、いつも誰かしら手を振ってくれる人がいたし、ガガ効果もあるのでしょう、ずーっと追いかけて来て盛り上がってる人たちもいました。

 約40分のパレードを終え、みんなでフロートの前で集合写真を撮り、「おつかれさまでした」と、晴れ晴れした気持ちで、控え室である「こうべまちづくり会館」に戻りました。メイクを落としたりしながら、あらためて「楽しかったね〜」と言いながら、余韻を楽しむような雰囲気になっていました。「同じ釜の飯を食う」ならぬ「同じ街のパレードを歩いた」仲間として自然と仲よくなれるような、素敵なアフターの時間でした。

 お祭りが大好きな方、スポットライトを浴びるのが生き甲斐な方、来年の5月はぜひ、神戸に集合しましょう!
(後藤純一)

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