g-lad xx

FEATURES

「Rainbow Arts展」レポート

7月24日(土)、毎年恒例のRainbow Arts展がスタートしました。会場の全労済ホールにはさまざまな方たちが来場し、思い思いに作品展示を楽しんだり、交流を深めたりしていました。31日(土)まで開催されていますので、みなさんもぜひ、お出かけください。

「Rainbow Arts展」レポート
ゲイやレズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーをはじめとするセクシュアルマイノリティのアートグループ「Rainbow Arts」。毎年夏に「Rainbow Arts Exhibition」というアートの祭典を開催しています。会場は、新宿駅南口から徒歩数分の場所にある「全労済ホール スペース・ゼロ」。広くてちょっと立体的な作りになっているところも面白く、多種多様な作品の展示を楽しむことができます。7月24日(土)に開催された「Rainbow Arts展」オープニングパーティの様子をレポートいたします。(後藤純一)

 


 7月24日、東京は過去最長タイ記録となる4日連続猛暑日(35度以上)の記録を更新中、という暑さでした。たぶん日中プールなどに行っていた方も多かったのでは?と思いますが、会場の「全労済ホール スペース・ゼロ」は、タンクトップ姿のマッチョ兄貴やさわやか系20代など、さまざまな方たちでにぎわい、オープニングパーティということでソフトドリンクがふるまわれたりもして、ちょっとしたサロンパーティのような雰囲気になっていました。

 

 初日に作品を搬入してそのままオープニングパーティに移行、という流れなので、出展したアーティストの方々がほとんどその場にいて、お話することもできます。たとえば、「このテイストはいいなあ、好きだなあ」と思って観ていたら、作家さんがそこにいらして「この作品は誰々を描いたものなんです」とか「こういうことを表現してるんです」みたいな感じで会話が自然に始まったり。そうやって、アートを通じて交流の輪が広がっていったり、ゲイどうしで楽しい時間を過ごしたり…それはとても素敵な光景でした。

「Rainbow Arts展」はもちろん、アート作品の展示を楽しむ場なのですが、それだけでなく、セクシュアリティという共通項でつながれる場であり、パレードや映画祭などと同様、立派なコミュニティイベントでもあると思いました。

 展示されている作品も実に多様でした。絵やイラスト、写真のような平面作品だけでなく、フィギュア、陶器、ガラス工芸、衣装などの立体もありました。プロ並みの技術を持っている方もいらっしゃいましたし、技術的には素人であっても作品に込められた思いの切実さに感動させられることもありました。

 後藤は今回、作品だけでなく、作品を作ったアーティストさんにも極力、いっしょに写真に写っていただくという形で取材をお願いしました。その結果、たくさんの方々が快くOKしてくださいました。ご紹介していきたいと思います。


まずは「Rainbow Arts」の代表をつとめる悠さん。「くま絵」を描き続けている方です。今回は、身の周りの実在する人たちをモデルに描いていました。 


2001年の東京パレードのテーマ曲を作ったことで知られるYOSUKEさん。自作の音楽のほか、まるでTwitterのように街角で見かけたイケメンをレシートの裏にさらさら描いたイラストを展示していました。


雑誌『バディ』のモデル経験者でもあるイケメン、tobojiさん。現在は写真の仕事をしているそうで、ゴージャスにメークアップした男の子の写真がとてもゲイテイストで素敵でした。


どことなくシュールレアリスティックな作風が印象的な日下田さん。作品を区切る線がまっすぐに並ぶようなシンメトリーな連作を展示していました。


キャラクターっぽい男の子がカワイイKENTOさんの作品。今回はガラクタ(=自分にとっては大切な物)というテーマで「我」「楽」「多」の文字に合うイメージを描いたそうです。


圧倒的な画力を誇る世界さん。昨年までのフライヤーの絵を描いた方です。今回は人工と自然、昼と夜、太陽と月など、対立するものを組み合わせた幻想的な作品で魅せてくれました。


藤島茂雄さんは、友達の男の子や風景の写真を撮っていました。被写体へのあたたかなまなざしを感じさせ、観る人が癒されるような作品でした。


イマドキなテイストでB系の男の子やキャラクターを描いたK.Iさん。3Dメガネをかけると飛び出して見える、という意味でもイマドキでした。

 ここからは、ご本人の撮影はNGながらも作品が素敵だった方々をご紹介いたします。


ゲイシーンのさまざまなところで活躍しているjiroさん。今回は両面に作品をプリントしたバッグを展示するという素晴らしくオシャレなスタイルでした。


Кэнъя Симидзуさんは、和テイストのエロティックな作風で海外からも評価されている方ですが、今回はビリー人形に着物を着せたかわいらしい作品も披露してくれました。


武裸奴さんは、古代ローマの戦士や侍、ラガーマンなどのエロティックな姿をリアルなフィギュアで表現し、観客の度肝を抜いていました。


好きなタイプの男性を愛情を込めて描いたという悠次郎さんの作品。油絵に見えますが、アクリル画だそうです。

 

 今回の「Rainbow Arts展」には全部で30人くらいの方が参加し、いろんな作品が展示されていました。ここですべてを紹介することはできませんでしたが、ぜひ、実際にお出かけしてご覧になってみてください。

 

Rainbow Arts 11th Exhibition 2010
日時:~7月31日(土) 10:00〜20:00
※7月31日は13時よりクロージングパーティで、17時終了
会場:全労済ホール スペース・ゼロ(東京都渋谷区代々木2-12-10 全労済会館B1)
入場料:無料
出展アーティスト(ABC順):武裸奴、藤島茂雄、月槌と一角、はる、HiDE、日下田治久、Isee.、jiro、楓、加瀬世市、克、Kenji Ishii、KENTO、Кэнъя Симидзу、K.I、小林 世界、kow、正、nama、Noe、Re:Creation 日向燦太、Reo、サトルちゃん、シャム子、SuGuRu、龍谷 尚樹、飛助、鶴羽正高、安貴之、Yosuke、悠、悠次郎、Yuki Nishimura

 

INDEX

SCHEDULE