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ドラァグクイーンたちのバラエティショー「笑止千万」

9月11日(土)、新宿二丁目のclub ArcHで開催されたパーティ「笑止千万」。16名ものドラァグクイーンを集めた豪華なバラエティショーが一晩中繰り広げられました。

ドラァグクイーンたちのバラエティショー「笑止千万」

 

 ショーのはじまる時間を見計らって入場すると、すでにフロアは混み合っていました。さまざまな年齢の二丁目系の人たちが集まっているようでした。
 23時からのショーは“日本の音楽番組をリードし続けている長寿番組”(と番組ホームページに書いてある)「MUSIC FAIR」。司会にバブリーナさんとブルボンヌさんが登場しただけで、楽しい気持ちになります。アロム奈美江さんは加藤ミリヤに、エルさんは西野カナに扮したショー(これは最近の「MUSIC FAIR」っぽい!)、伊達ロザンナさんは恵比寿マスカッツのショー(恵比寿マスカッツは「MUSIC FAIR」に絶対出てこなさそう!)、マダム・ピロガネーゼさんは自作の歌(いつか「MUSIC FAIR」に出演できるといいですね!)、フーチ葉よもぎさんはAKB48(なぜか「MUSIC FAIR」というよりお座敷を思い浮かべました。)、最後は、生森明菜さんの生歌による中森明菜メドレー。見事な締めくくりでした。

 第2部のショーの前半は「女装選挙ステーション 2010」。テレビを賑わせたあの女性政治家たちをサセコさんが一人で演じわけました。
 第2部後半は、「格付けしたい女装たち」。ブルボンヌさんとナナ・ヴィクトリアさんが司会。綾女さん、エルさん、エスムラルダさん、キムコ・ヒルトンさん、胡蝶蘭さん、サセコさん、スミレさん、伊達ロザンナさん、ドリュー・バリモアさん、フーチ葉よもぎさんが格付けされます。ドラァグクイーンたちがずらりとステージに座って、格付け発表を待つ様子は壮観でした。ドラァグクイーンたちが、互いにののしり合う姿は更にすごいものでした。(「いざという時に、姑息な手段を使いそうな女装」のリストは、ドラァグクイーンの今後の営業に差し障りがあるでしょうから、ここに転載することは控えさせていただきます。)

  第3部前半は「女装万引きGメン24時」。「増加する女装高齢者犯罪」というテロップの入った犯罪ドキュメンタリー風映像でした。老婆に扮したサセコさんがスーパーで万引きしたものを次々と肛門(バック)に入れていく映像に、あんぐりと口を開けている人もたくさんいました。某スーパーマーケットでゲリラ的に撮影したのだそうです。サセコさん扮する老婆が万引きして捕まる一部始終は、とてもおかしいのですが、それでいてどこか哀れさや業の深さといったものを感じさせます。2006年8月「RUSH CRUISE」で上演された伝説的な演劇「嫌われサセコの一生」を連想した人もいるかもしれません。
 第3部後半は、「女装のから騒ぎ」。サプライズゲストは中村うさぎさんでした。ドラァグクイーンたちが、それぞれの恋愛話を開陳し、中村うさぎさんにダメだしをされていました。ホストを買った話をしたドラァグクイーンに、ホストからお金を盗まれた話をたたみかける中村うさぎさんに貫禄を感じました。

 ショータイムの間も盛り上がっていました。第1部と第2部の間には、K-POPに振り付けをつけて踊るお客さんがステージに上がり、フロアを湧かせていました。第2部と第3部の間には遊びに来たドラァグクイーンのホッシーさんがセクシーな男性三人を引き連れてステージに登場し、豪華な幕間となりました。


 歌を使ったショーは第1部のみで、第2部、第3部のショーは映像とトークを使ったものでした。
 「格付けしたい女装たち」「女装のから騒ぎ」といったトークショーでは、ドラァグクイーンの一人一人の個性がよく現れているように思いました。こうしたショーを通じて新しい人気者が登場しそうです。
 テレビ番組のパロディ映像は、これまで続いてきた二丁目ならではの笑いを受け継いでいるように思いました。マスメディアが繰り出すイメージをそのままと受け入れるのではなく、少しずらして受け止めるところに二丁目ならではのセンスを感じました。


 イベントの終わる17時頃、ドラァグクイーンたちも、最後まで残ったお客さんも、楽しそうに踊っていました。外はすでに明るくなりはじめていました。

 パーティをオーガナイズしたバブリーナさんのセンスが随所に行き届いた素晴らしいパーティでした。300人以上の集客があったそうです。
 バブリーナさん、出演者のみなさん、映像を用意したみなさん、お疲れさまでした! 次回の開催を楽しみにしたいと思います。(門戸大輔)

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