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レポート:「Gaysian Games」

2010年9月18日から9月20日、国立オリンピック記念青少年総合センターのスポーツ棟を貸し切って、ゲイのためのスポーツ大会「Gaysian Games」が開催されました。ゲイのスポーツコミュニティが持っている可能性を随所に感じさせた「Gaysian Games」をレポートします。

レポート:「Gaysian Games」

 

スポーツを楽しんでいるゲイは珍しくありません。スポーツサークルに参加しているゲイも多いと思います。楽しみとコミュニケーションの場を育んできたそのようなサークルが連携し、大きな大会が開かれることもしばしば行われています。
 そのような各種目のスポーツ大会を一つの会場に集めて「Gaysian Games」が開催されました。300人以上の参加者が、3日間熱戦を繰り広げる、という規模の大きいスポーツ大会でした。東京都福祉保険局、REAL-Living Together(エイズ予防のための戦略研究)が後援し、サントリーが協賛しました。
 5種目の試合がスポーツ棟の中の4つの会場で開催されました。
 バレーボール14チーム、バスケットボール8チーム。卓球シングルス参加者48名、ダブルスは25組、バドミントンシングルス13名、ダブルス41組、テニスが24名。

 スポーツとは縁遠い生活を送っている者としては、これほど多くの人たちがスポーツを楽しんでいることに驚かされました。
 ベンチでなごやかな表情を浮かべて談笑している人も、ひとたび試合になると真剣そのものです。試合中は、誰もが自分の人生の主人公になっていることがよくわかりました。見ていると、いつのまにか試合に引き込まれていました。


 数々の熱戦が繰り広げられる中、2日目の夜には国立オリンピック記念青少年総合センターの宿泊棟でレセプション・パーティが開催されました。約200人の出場者が参加したそうです。
 まずは大阪からの出場者の飛び入りで、AKB48「ポニーテールとシュシュ」Perfume「ワンルーム・ディスコ」のショーが行われ、パーティは最初から大盛り上がりになりました。
 乾杯が行われ、トランプを使ったゲームがはじまりました。負けたパーティ参加者はステージに呼ばれ、ブルボンヌさんとキムコ・ヒルトンさんから、過激な質問に答えさせられていました。
 新虹(あらぬーじ)によるエイサーで、更に会場は盛り上がったところで、LIVING TOGETHERによる「できる!」キャンペーンの紹介、灯さんによるライブと手記の朗読が行われました。
 各競技の実行部門長による挨拶や、キムコ・ヒルトンさん、ブルボンヌさん(Campy!ガールズ)によるショーも行われ、交流会は和やかに続きました。

 大会の3日目、会場外のベンチで寝ている人をちらほら見かけましたが、前日の交流会でついつい夜更かししてしまったのかもしれません。

 3日目には、それぞれの競技の決勝戦が行われました。すばらしいシーンをたくさん見ることができました。
 バドミントンダブルスの決勝戦は、とりわけドラマチックなものでした。試合中足を負傷した選手は立つのもやっとという状態でした。バドミントンのダブルスは、とりわけお互いを気づかうスポーツだと聞いたことあります。足を負傷した選手は、負傷していない選手を気づかいながら、負傷していない選手は負傷した選手を気づかいながら、動いているのがよくわかりました。そのような状態で優勝を掴みとったペアに心を揺さぶられました。惜しくも優勝できなかった対戦チームも、足を負傷した対戦相手の選手のことを気づかいつつ、全力で試合をしていました。すばらしい試合でした。

 選手を応援に来た家族も見かけました。スポーツ大会は、仲間とのつながりを育むだけでなく、自分の家族を呼ぶことのできるゲイイベントなのだと気づかされました。ときどき家族の元に立ち寄る選手の様子にあたたかいものを感じました。

 今回の大会では、日本各地からだけではなく、韓国、台湾、香港からも参加者がありました。日本のチームに対しても、海外のチームに対しても同様に熱い声援があがっていました。別れ際、選手同士の連絡先を交換し合う場面も、あちらこちらで見ることができました。ゲイの友情が言語を超えて広がっていく様子に、希望を感じることができました。


 複数の参加者から「3日間、あっという間だった!楽しかった!」という声を聞きました。試合の結果を残せなかった参加者も、自分が主人公となるような充実した時間を過ごすことができたと思います。
 見ているだけで、スポーツをはじめたくなるようなイベントでした。
 
 当サイトのインタビューに応じてくださったタイスケさん、カツミさんをはじめ、この大会の準備、当日の運営を切り盛りされたスタッフの方たちに拍手を贈りたいと思います。タイスケさんは、閉会式で、またやりたい、とおっしゃっていました。
 「Gaysian Games」は、ゲイ個人を楽しませ、励ますことにとどまるものではありませんでした。種目を超えたスポーツコミュニティ間の交流、海外のゲイコミュティとの交流がはじまっています。実際にスポーツ大会を観戦して、ゲイコミュニティが充実し、広がっていく様子が伝わってきました。
 次回開催時は、種目数、参加希望者ともに更に増えるのではないでしょうか。次回の「Gaysian Games」を楽しみにしたいと思います。(取材:Ka-SUN、門戸大輔 文:門戸大輔)

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