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雨にも負けず、600名が参加! 第5回関西レインボーパレード

10月9日(土)、大阪で第5回関西レインボーパレードが開催されました。おそらく日本のゲイ史上初めて、雨の中でのパレードとなりましたが、それでも参加者の方たちは笑顔で晴れやかに行進し、「雨でも楽しく歩ける」ということを証明してくれました。

雨にも負けず、600名が参加! 第5回関西レインボーパレード

 109日(土)、大阪で第5回関西レインボーパレードが開催されました。前夜からの雨の中、開催を危ぶむ声もありましたが、「警報が出ない限りはやります」という実行委員会からのアナウンス通り、雨天決行されました。

 これまでのパレードや野外フェスティバルでは、嵐だろうと台風だろうと、イベント開始直前には雨がやみ、その奇跡は「ゲイパワー伝説」として語り草になってきました。今回も「パレード直前にはきっと、雨がやんでくれるはず…」と誰もが願い、祈るように空を見上げていました。が、無情にも、雨がやむことはありませんでした。


若い世代らしく、Perfume風の挨拶で
トークをはじめるTOP☆STAR

 今年は、これまでの集合場所である中之島公園・女神像前(市役所前)が使えず、同公園のかなり東寄り(御堂筋から遠い場所)にあるバラ園奥の広場を集合場所とすることになっていましたが、これが実は、いい方向に作用しました。この広場は高速の高架下にあるため、始終ずぶ濡れになるということなく、パレードの準備を進めることができたり、プレイベントとして「Brass Mix!」による演奏と「新虹」によるエイサー演舞を行うことができたのです。


名古屋から駆けつけた緑区
カナコさんとISUZUさん

 しかし、楽器や衣裳が濡れてしまう(傘をさしながら演奏したり踊ったりすることができない)ため、両団体のパレードへの参加は見送られることとなりました。当初予定されていた「Brass Mix!」フロートと「関西新虹」フロートがなくなったため、先頭のTOP☆STARや最後の撮影禁止ブロックをのぞくと、「KOカンパニー&ZUMANITY」「MIXフロート」の2つに減ってしまうことになったのです。
 急遽フロート(隊列)の変更が生じたため、警察への申請書をその場で書き直し、再度申請を行わなくてはいけなかったそうです(警察では、デモがどんな艇団で区切られるか、その数を把握し、各所轄に伝達し、交通整理を行うのです)。ブラス演奏やエイサーの間、裏方ではそんな交渉が進んでいたのです。


第1回目の事務局長をつとめた尾辻さんも
自前のプラカードで参加

 パフォーマンスが終了すると、3人のTOP☆STARが挨拶し、府知事や市長からのメッセージが読み上げられ、いよいよパレードがスタートすることになりました。
 フロートの構成が変更されたこともあり、出発予定時刻から少し遅れましたが、たくさんの参加者たちが傘をさしたり、合羽を羽織ったりしながら、整列しました。
 やがて、一行は、中之島公園の例年の出発地点に向けて歩き始めました(事実上のパレードの開始?)。御堂筋との合流地点に着くと、警察の指示にしたがい、先頭のTOP☆STARから順番に、次々と御堂筋をパレードしはじめました。


毎回パレードを盛り上げてくれる
野郎系集団

 正直、参加者の方たちも、雨天でテンションが下がり、まるでお通夜のようになるのでは…と心配していましたが、決してそんなことはなく、みなさん傘をさしたりしながらも楽しそうに、気持ちだけは晴れやかに歩いていました。友達としゃべりながら歩いていく人、DJフロートの音に合わせて踊りながら歩く人、カメラに笑顔で手を振る人、沿道に積極的にアピールする人…それぞれ思い思いに楽しむ姿が印象的でした。
 たぶん日本のゲイ史上初めてとなる雨の中のパレードは、「たとえ雨でも楽しく歩ける!」ということを教えてくれたのです。(積極的に楽しもう!としてくれた参加者ひとりひとりのおかげだと思います)


ブラスやエイサーの方の中にも
個人参加で歩いてくれた方もいました

 ふだんより歩く距離が長く、全部で5キロ近いコースになったこともあり、雨ということもあり、けっこう道のりが長く感じた方もいらっしゃるかと思いますが、それでも、たくさんの伴走者(ずっとパレードの横をいっしょに歩いてくれる人たち)といっしょに、本町の緑あふれる道を歩き、心斎橋にさしかかると、沿道の人も増え、気持ちも高揚し、終点の元町中公園(なんば)に向けて元気よく行進しました。


「北欧館」にいた方も手を
振ってくれました!

 全員が公園に着くと、すぐにTOP☆STARがアナウンス(集会)を開始しました。終点まで歩いた方たちの人数が発表されました(スタッフの方が「野鳥の会」のように数えたそうです)。雨にも関わらず、553名もの方が参加したそうです。(歩いた方と、ブラスやエイサーの方、スタッフなどを合わせると600名超、沿道でいっしょに歩いた方なども合わせると700名近いのでは?と思います。昨年は約800名でしたから、大幅に人が減ることはなかった、と言えそうです)

 アフターパーティなどの告知が行われたあと、フィナーレとして恒例の風船飛ばしが行われました。カウントダウンとともに、雨にも負けず約5キロの道のりをパレードしたレインボーの風船は、雨空にゆっくりと浮かび上がっていき、拍手が公園を包みました。


雨にも負けず、よくぞ歩いて
くれました!

 こうして第5回関西レインボーパレードは、無事に終了しただけでなく、「雨でも楽しく歩ける」という実績を僕らに残してくれました。これから先、やはり「パレードに雨が降る」こともあるでしょうが、この経験を元に、きっと乗り越えていけるのではないかと思います。

 参加者のみなさん、残念ながら歩くことができなかったブラスやエイサーのみなさん、そして、計り知れない苦労をしただろうスタッフのみなさん、本当に本当におつかれさまでした!(後藤純一)

 

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