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3万人の熱い声!第八屆台灣同志遊行(1)
小雨の降る中台湾LGBTプライドパレードが開催されました。動員数なんと3万人。アジア最大の規模を誇る、台北の熱いパレードをレポートします。
10月30日(土)小雨の降る中、第8回台湾LGBTプライドパレードが開催されました。
13時を過ぎると、台湾の国会議事堂、総統府の正面の道路を封鎖して作られた広場に人が集まりました。ステージでは、主催団体による開会宣言が行われた後、Sexymaiというグループによるダンスが披露されました。6色のレインボーカラーに合わせた6つフロートの代表者が挨拶を終えると、いよいよパレードが開始しました。
昨年のパレードは、晴れ上がり、暑いくらいでしたが、今年は、傘を開いたり閉じたりしながら、歩くことになりました。気温も17度、この時期の台北にしては寒いくらいでした。
あいにくの気候だったにも関わらず、主催団体、台湾LGBTプライドコミュニティによると3万人が参加したそうです。
広場や通りを埋め尽くす人の多さに圧倒されます。台湾各地からはもちろん、シンガポール、香港、マレーシア、大陸からも参加者が集まっていました。日本からもたくさんの人たちが参加していました。
今年もあふれるくらいのメッセージの数に驚かされました。
台湾LGBTプライドパレードは中国語で「台湾同志遊行」と書きます。「同志」はもともと「仲間」という意味の言葉。転じて、ゲイ、もしくは性的マイノリティ全般を指す言葉として使われています。「陰陽人」はインターセックス、「跨性人」はトランスジェンダー、「多元」は多様性、「伴侶権」はパートナーシップの権利。「酷児」(クィア)のような漢字の音を当てた言葉は、少し難しいかもしれません。中国語ができない人でもこのようなプラカードを見て、意味を想像するのは楽しいものです。
登録されているものだけでも実に126ものグループが参加していて、それぞれ趣向をこらした主張を用意していました。パレードの前夜、台湾大学の近くにあるゲイのカフェH*oursでは、若者たちが楽しそうにプラカードを作っていました。大学生や高校生のグループだけでも数えきれないほどの数がありました。
今年は歩くコースが昨年より長くなりました。昨年は西門町エリア(東京の新宿のような繁華街)の手前の中華街を折れていたのですが、今年は西門町の中まで歩くコースに変わりました。
更に今年は2つの政治的なアクションが行われました。台北駅前では、パレードを停止し、参加者たちがシュプレヒコールをあげました。パレードが広場に戻る地点では、性的マイノリティに有利な人に投票しようと呼びかける模擬投票のパフォーマスンスが行われました。これらのデモンストレーションは間もなく行われる地方選挙において、性的マイノリティの課題を争点にするために行われたものです。
パレードが終了した後、「Rock in Hose」というグループによるショー、大炳(ターピン、ドラッグのスキャンダルで失脚していたタレントのまさかの復活でした)と紅綾(チンリン)によるドラァグショーをはさみ、様々なグループの代表者による演説が行われました。
少数民族の性的マイノリティ、障害のある性的マイノリティ、年配の、高校生の性的マイノリティが登場し、それぞれの立場について話をしました。複数のマイノリティ性を持つ人たちの可視化を進める試みです。
政治家による演説も行われました。北米で展開されている性的マイノリティの自殺、いじめをなくすための「It get’s better」(きっとましになるから)キャンペーンを引いて、「It does not get better unless you won’t fight!」(戦わなければ状況はよくならない!)と主張する人もいました。その主張の是非はともかく、政治家や聴衆が現在北米で何が起きているのかをよく把握していることに日本との状況の違いを痛感しました。
パレードの最後には台湾のみならず中華系の人々の間で絶大な人気を誇るアーメイ(張 恵妹)が登場。彼女がゲイの友人に宛てて作った曲といわれている「彩虹」を歌っているときには、涙を浮かべている人もいました。
8年前、たったの500人からはじまった台湾パレードが、今年はいよいよ3万人を動員するまでに大きくなりました。このことには、さまざまな要因があると思います。そして今年はその動員数に加え、昨年と比べて政治色の強いパレードになったことも大きなポイントの一つといえます。
性的マイノリティを政治的な課題にするために台北駅前で人々があげたシュプレヒコールに熱い意志を感じました。
次回は、パレードを主催した人のインタビューをお届けします。
パレードの写真を順次公開していきます。写真はギャラリーでご覧になることができます。(門戸大輔)
INDEX
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- レポート:「2030年までのHIV流行の終結に向けた道筋とは -最新のHIV治療と残された課題を専門医・関連団体が語る-」
SCHEDULE
- 05.18秋田プライドマーチ
- 05.18An Evening with ALASKA
- 05.18SPECTRUM vol.1
- 05.18GLOBAL KISS
- 05.18PIERROT OKINAWA 19th anniversary