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レポート:Tokyo SuperStar Awards 2013

12月7日(土)、今年も六本木のビルボードライブ東京でTokyo SuperStar Awards 2013が開催され、カルチャー賞を受賞したMAXによるサプライズ・ライブや、IMALUさん、東京椿油によるパフォーマンスなどでゴージャスに盛り上がりました。

レポート:Tokyo SuperStar Awards 2013

TSSAレポート

 12月7日(土)、会場のビルボードライブ東京(六本木ミッドタウン)にはスーツ姿やパーティドレス姿の方たちが大勢集まり、華やいだ雰囲気を演出していました。

 Tokyo SuperStar Awards(TSSA)の開幕を告げたのは、書道家のMaaya Wakasugiさん+篠笛奏者・ことさんのパフォーマンスでした。今年のTSSAのテーマ「夢を集めて、未来へつなぐ」にちなみ、6色のレインボーカラーで木に集まる鳥を描き、「集」という漢字を表現したMaayaさん(集まるという漢字は木に鳥がたくさん留まっている様子から生まれたんですよね)。ドラァグクイーンのパフォーマンスとしても素晴らしかったです(最後にウィッグを取って、頭に絵の具をつけて書を完成させたのには度肝を抜かれました)

 司会の東小雪さん&ジリ・ヴァンソンさんがご挨拶し、TSSAがスタート。二階席でパブリックビューイング向けのトークを行っていたブルボンヌさん&バブリーナさん(おそろいの和テイストの衣装がとても素敵でした)にもマイクが向けられました。

 続いて、今年1年のLGBTニュースが上映されました。

 そして、世界四大会計企業の一つであるEYの公共政策グローバル・バイスチェアをつとめ、経済誌『フォーブス』の「世界で最も影響力のある女性100人」に6年連続で選出されているというベス・ブルックさんが基調講演を行いました。最愛のミシェルさん(アスリートとして活躍後、起業した方だそう)といっしょに登場したベスさんは、ステージ上でキス&ハグをして、パートナーシップをアピールしていました。ベスさんはEYに「It Gets Better」の依頼が来た際、社内のダイバーシティ委員長として語るだけでいいのかと自問自答し、直前に台本を自分で書き換え、自身がレズビアンであることをカミングアウトしたのでした。多様性(人種やセクシュアリティだけでなく、違う意見をもつ人など)を尊重することがビジネスにおいても本当に重要であるといったこともお話されていました。素晴らしかったです。

 それから、このTSSAは収益をすべて、子どもたちを支援する3つの団体に寄付しているのですが、その中の一つである「CARE WAVE」という団体が支援している被災地・宮城の子どもたちが初めて会場に来てくれました。「私の家族は津波で流され…」といった語りもありつつ、子どもたちは本当に前向きに力強く、歌ったり踊ったりして、会場は大きな拍手に包まれました。なかなか子どもをもつことができない僕らからの子どもたちへのプレゼント、そして子どもたちからも(たぶんLGBTイベントだと理解したうえで)こうしてプレゼントを贈られ…ちょっと言葉にできないくらいの感動がありました(アゲハの吉田さんも、こっそり涙を拭っていました…)





 さて、TSSAのメインイベントである授賞式のスタートです。
 最初はカルチャー賞の発表。プレゼンターはわれらが吉田さん。受賞したのはMAX! 今年ゲイシーンで絶大な人気を博し、TGNでライブしたこともニュースになっていました。RINAさんがゴールド、MINAさんがブルー、NANAさんはブラックの上品なドレスで登場。もう本当にまぶしかったです!
 続いて、プレゼンターのMEGUMIさんからコミュニティ賞の発表がありました。今年は地方自治体初のLGBT支援宣言を行い、区役所にレインボーフラッグを掲示したことでも話題になった淀川区長の榊さんが受賞。
 東小雪さんが発表したのは海外賞。今年、勇気あるカミングアウトを果たした俳優のウェントワース・ミラーが受賞しました。なんと、本人からお手紙が届き、そちらもまた、素晴らしいものでした(全文がこちらに掲載されています)
 グッド・エイジング・エールズの松中権さんが紹介したのは、企業賞を受賞したLUSH。ロシアの反同性愛法に抗議しよう!というキャンペーンを大々的に展開しました。なんと、イギリスからわざわざ担当者のアレサンドロ・コミッソさん(イケメンさんでした)が来場し、熱く語ってくれました。
 それから、バブリーナさんがメディア賞を発表。NHK「探検バクモン」の特集「”性”をめぐる大冒険!」が受賞しました。Eテレ「ハートネットTV」の「多様な”性”と生きている」と合わせ、LGBT当事者にもたいへん高い評価を得ていました。爆笑問題からのビデオメッセージも届き、会場は盛り上がりを見せました。(ステージでは遠慮して何もコメントしていませんでしたが、ディレクターの丹野さんは二丁目の「akta TAG tour」などにもまめに足を運び、本当に親身にLGBTに寄り添うスタンスで番組を作られていた方です。本当にありがとうございます)
 そして最後に、佐藤かよさんが特別賞を受賞していました。(こちらに佐藤かよさんへのインタビューが掲載されています)

 受賞者のフォトセッションに続き、IMALUさんのライブがスタート。カバー2曲に続き、MCで初めてルームシェアしたのが外国人のゲイの人だったという素敵エピソードも披露し、そして最後に、マックルモア&ライアン・ルイスの「SAME LOVE」(PVが素晴らしく、全米のゲイたちに熱い支持を得てヒットしただけでなく、グラミー最優秀楽曲賞にもノミネートされました)を熱唱。難しい英語のラッブをカンペキに憶えて歌っていたIMALUさんの熱い思いが伝わってくるような、素晴らしいライブでした。


 休憩時間をはさんで、おまちかねの東京椿油のショーがスタート。ビルボードライブ東京から見下ろせる東京を代表するイルミネーションを背景に、HOSSYさんの衣装やダンサーのみなさんの見事な(ある時は力強く、ある時はゲイテイスト全開な)パフォーマンスが映え、また、次々にシーンや衣装が変わっていく息もつかせぬ展開は、本当にゴージャスでカッコよくて、見惚れました。マドンナなど、選曲の妙も光っていました。どうだ、これがゲイシーンの最高峰パフォーマンスだ!という気概や自信に満ちていました(マスコミの方もきっとビックリしていたことでしょう)


 最後に、サプライズとしてMAXのライブが行われます!とアナウンスされた瞬間、会場からは悲鳴にも似た大きな歓声が上がり、パフォーマンス用の衣装に着替えたMAXの3人がステージに登場。「Tacata’」と「Ride On Time」を堪能し、あまりに盛り上がった観客は、アンコールのかけ声をあげ(TSSA始まって以来だと思います)、もう一度「Tacata’」を歌うことに。今度は、1階に降りてきた人たちがいっしょに手を挙げたり、いっしょにあの振りを踊ったりして、最高に盛り上がりました。

 ほかにも、ニュージーランド国会でのある議員による同性婚支持スピーチの映像(詳しくはこちら。本当に傑作で、ゲラゲラ笑いながら、反対派をも納得させてしまう力をもっています)や映画『アイム・ソー・エキサイテッド!』のハビエル・カマラさんからのビデオメッセージが上映されたり、また、猪瀬都知事からもメッセージが届くなど、見どころ・楽しみどころ・うれしいサプライズがたくさんで、祝福感に満ちた、あっという間の2時間半でした。
 正直、この日はあまり体調がよくなかったのですが、2時間半立ちっぱなし(飲まず食わず)だったにもかかわらず、終わる頃にはすっかり元気になっていたくらい、本当に楽しくて充実した一夜でした。

 こうして、この1年のLGBTシーンの総決算(もしかしたら頂点)とも言うべきTSSAは、今年も華やかに、美しく、あたたかく、幕を閉じました。

TSSAの意義

 TSSAは今回も、ソフトバンクモバイル、ビルボードライブ東京、アルファ ロメオ、EY、ブルームバーグ、ベアフット・ワインほかから協賛を集めました。

 また、msn産経ニュースVOGUE JAPANBillboard Japan日刊アメーバニュースクランクイン!デイリースポーツなど、多くのメディアで報道されました(当日も2階のマスコミ席には多くの取材陣が詰めかけていました)

 TSSAは1月のLGBT成人式、GWのTOKYO RAINBOW WEEKなどとともに、社会と密接につながる(コミュニティと一般社会の架け橋となるような)イベントになっています。よりダイレクトに「セクシュアルマイノリティの肯定(祝福)」と「同性婚をはじめとするLGBTの権利擁護」のメッセージをマスコミの方や企業の方、セレブの方などに伝えることに成功していると思います。
 同時に、ゲイやレズビアン、トランスジェンダーの方たちが見ても同じメッセージを受け取れて、しかも心から楽しめるイベントになっているところが本当に素晴らしい。洗練されたオシャレさ(セレブ感)、クオリティへのこだわりなども群を抜いていると思います。
 LGBTも一般の方も、誰もが楽しみながら良質なメッセージを受け取れるという、本当によく考えられたスゴいイベントだとあらためて感じさせられました。
 これからもきっと、よりよいかたちで社会にアピールできるイベントとして、LGBTの未来を担っていくことでしょう。

クラウド・ファンディングも実施

 さて、今回のTSSAでは、初めてパブリック・ビューイングが開催され、全国の会場でイベントの模様の生中継をみんなで楽しむことができました。そしてもう1つ、大きな「初めて」が行われました(というか、今も行われています)。それが、クラウド・ファンディングです。

 クラウド・ファンディングとは、「2ndアベニュー」などもそうなのですが、インターネットを介して不特定多数の個人から資金(支援金)を集めるサービスです。新しい資金調達の手段として注目されており、世界中で広がりを見せています。
 
 TSSAのクラウド・ファンディングは、ただの寄付ではなく、支援金額によってさまざまなプレゼント(一例:都内ラグジュアリーホテルでのディナーペアチケット)が用意されています。
 目標金額を100万円に設定しており、イベント終了後、集まった金額がなんと倍以上になりました(12月12日現在、586,000円)。なのですが、まだ目標には達していません。終了期限の12月16日(月)23時までに目標額を達成しなければ、プロジェクトが成立せず、流れてしまうしくみになっています。
 
 今回、TSSAがクラウド・ファンディングを行ったのは、単に資金集めをしたいということではなく、LGBTがただ自分のために生きているのではなく、子どもたちのためだったり、未来につながることのために何かできるパワーがあることを示したい、また、ファンドレイジングを通して誰もが(NPOなどに参加する余裕がなくても)気軽にTSSAに参加できるという意味もあるそうです。そうしたすべてのことが、「夢を集めて、未来へつなぐ」アクションになります。

 みなさんもぜひ、こちらをご一読のうえ、ぜひ、支援にご協力ください。
(その後、見事、期日までに目標金額を達成したと発表されました。おめでとうございます!→詳しくはこちら ご協力くださったみなさんに拍手&握手)



☆TSSA2013のフォトアルバムはこちら

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