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愛と感謝の2days 〜「ArcH Last Place Party」レポート

2014年1月24日(金)・25日(土)、二夜連続でArcHのファイナルパーティが開催されました。愛と感謝の気持ちがあふれる、奇跡のような、夢のようなパーティになりました。

愛と感謝の2days 〜「ArcH Last Place Party」レポート

2013年10月9日、二丁目の「ArcH」が閉店することがアナウンスされました(「ArcH」が入居する第二早川屋ビルの建物上の諸事情によるもの)。1990年代の「Delight」「ZINC」時代、2000年代の「Ace」時代を含め、二丁目を代表するハコとして、数々の輝かしい瞬間、名シーン、伝説、そして出会いや笑顔や涙を生み出してきたあの場所が、なくなる…そのニュースはシーンにショックを与えました(#Arch_FINAL201401というハッシュタグに、たくさんの方たちのコメントが寄せられています)
そして2014年1月24日(金)・25日(土)、二夜連続でArcHのファイナルパーティが開催されました。「ArcH Last Place Party 1day "over the rainbow"」と「ArcH Last Place Party 2day "Last Dance for Love"」です。2日間でDJが約100名、DQ・GOGO・ダンサーなどのパフォーマーが100名超も出演し、有名ゲストも多数登場、愛と感謝と祝福があふれ、一生に一度あるかないかという、奇跡のような、夢のようなパーティになりました。レポートをお送りします。(後藤純一)

1/24「ArcH Last Place Party 1day "over the rainbow"」













 21:30頃、ArcHに到着。入場待ちの行列ができていました。いつもはエントランスの壁に新しいイベントのポスターなどが貼ってあるのに、1枚もなくて、いきなりさびしい気持ちに…。あの二重のドアを開けて中に入ると、ArcHはいつもの華やいだ雰囲気でした。お会いする方たちはみんな笑顔ながら「自分はArcHがデビューだったし、このハコに本当にお世話になった」とか、「無くなっちゃうなんて信じられない…ふとした瞬間に思いがこみあげてくる」とか、「もう無理! 泣いちゃう」などと口々に語っていました。

 22:00、ゲストの米倉利紀さんのライブがスタート。「NEXT」で田中ロウマさんとともに「RENT」の楽曲を披露してくれたり、何度かArcHのステージで歌ってくれた米倉さん。今回はダンサーさんを従え、セクシーにカッコよく魅了してくれました。

 今回はDJさんが100名超も参加、ということで、みなさん持ち時間が10分ずつ(前代未聞)。そんななか、TYMEさん、Take-3さん、大輔さんはJ-POPで盛り上げてくれました。Perfumeやハロプロ。のときは「じゃぱんぐ♪」のようにお客さんがステージで踊る光景も。

 23:00、ショータイムがスタート。旧メンバーも出演した「ドリーム二丁ハロ。」は、短い時間に「二丁ハロ。」のエッセンスをギュッと濃縮したショーで、素晴らしかったです。 そして永遠のアイドル、マダム・ピロガネーゼさん、ユーミンのモノマネで会場を沸かせたアルピーナさん、中森明菜のモノマネで会場を沸かせた生森明菜さん、大いに笑わせてくれたバブリーナさん、今話題の「魔女の宅急便」ネタで盛り上げたL子さん。そして「Delight」時代から二丁目を華やかに彩ってきた大御所中の大御所、HOSSYさんが締めてくれました。

 24:00にはGOGO TIMEがスタート。MANTAROさん、RIOTOさん、DONBURIさん、NAWOTOさんが出演し、SEXYに魅了してくれました。2:00にはメデューサさん、AKIさん、HOHさん、YASUTAKAさん、4:00にはマーガレットさん、ジャスミンさん、TOY BOYSのMASAKI&HIROSUMIさんが登場。ただただゴージャス!のひとことに尽きる豪華キャストの競演に、みなさん酔いしれていたようでした。。

 フロアの方は、TABOさん(心の名曲「Everlasting Love」などをかけてくれました)、OFF THE ROCKERの大沢伸一&上村真俊さん、レイチェル・ダムール&MONDOさん(「Survival Dance」でフロアも一気にヒートアップ!)、田中知之(FPM)さんといった豪華ゲストが盛り上げてくれました。そして、2:20から中田ヤスタカさんがプレイ。今か今かとまちかまえていたお客さん、「チョコレイトディスコ」とか「にんじゃりばんばん」とかで大熱狂!(そして、昨年の周年パーティに続き、サプライズでこしじまとしこさんが登場し、capsuleのライブ状態に)

 3:00のショータイムでは、メロウディアスさんは名作「Climb Every Moutain」で魅了。凛さんは安定の安室ちゃん。マダム・ボンジュールジャンジさんは「ここで会ったが一期一会、こんにちワンワン!」のラップを披露。LADY-Jさん、、ダンス素敵でした。むらっちさんは二丁目の伝統芸能とも言うべき、傑作ショーを。MAKOさんは電飾輝く衣装で。オナン•スペルマーメイドさんはいちごをお客さんに食べさせて「うーん、ナイス♡」 。この回のトリを飾ったのはバビ江さん。キラキラ輝き、クルクル回り、喝采を浴びていました。

 この日はゲストDJさんが多かったので、お客さんもノンケさんが多めだったのですが、それでも、ひさしぶりに会うゲイの友達もたくさんいて、まるで同窓会のようでした。また、大阪のKOBAさん(伝説のGOGO。「ZUMANITY」などのオーガナイザー)、名古屋のレスペランザさん、札幌のKENTAさん、元札幌のGUBITCHさんらの姿には、同窓会というレベルを超えた感激がありました(スゴいことです)
 
 3:40から須永辰緒さん、4:20からはあの小西康陽さんがプレイ。そして、5:00からは中村直さんの時間でした。未発表のREMIX音源のCDをかけ、あたかもそこで直さんが回しているかのようなていで照明やなんかも…という追悼の演出だったのですが、朝方なのに本当に大勢の人たちがフロアに残り、楽しそうに過ごしていて、でも、そこかしこで抱き合いながら泣いたりもしていて…。直さんがどれだけ音楽を愛し、クラブを愛し、ゲイを愛し、平和を愛したかが伝わってくるような、かけがえのない時間でした。

※「ArcH Last Place Party 1day "over the rainbow"」のレポートの画像は、「ArcH」さんからご提供いただきました(Photo by GENKI)。なお、g-lad xxで撮影させていただいた画像もあります→フォトアルバムはこちら

 

1/25「ArcH Last Place Party 2day "Last Dance for Love"」















 19:50、レインボー祭りなどにも出演していたab with HGM(ハイパーゴーメンズ)が久しぶりにライブを披露(2000年代前半を知る人たちにとって「3つ数えて」は涙モノだったハズ)。そして20:00からは星野晃代さんが熱く歌ってくれました(みんなで「ArcH! Forever!」と叫び、胸が熱くなりました)

 この日のArcHには、20年の歴史を語るうえで欠かせない人物・町田さんがいらして、感激しました。川口昭美さんといっしょに「Delight」を産み出した、そしてACE〜ArcHの、出演者がバーカウンターの中を通ってステージに行けるあのハコのカタチを作った町田さんです。いつものパワフルさながら、「このフロアの板ってずっと変わってないんだよね」「じゃあ20年間、のべで何百万人もの人たちが踏みしめてきたってこと?」「そうそう。これ、1枚持って帰りたいよね(笑)」などとお話していました。言いそびれましたが、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

 21:00からは末光篤さんのライブ(マッチョな体にタンクトップ…GOGOバリのセクシーさでした)。名曲「バタフライ」など2曲を熱唱。「ArcHのみなさんは、いつも優しくしてくれた。本当にありがとう」と語ってくれました。

 22:00からは相川七瀬さんのライブ。「二丁目で育った私です」と言いながら、「夢見る少女じゃいられない」の歌詞の一部を二丁目仕様に変えて歌い、場内大合唱。日本広しといえどもArcHでしか聞けないスペシャルなライブになりました。

 その後、ふいに「奇跡」は起きました。伝説のGOGO BOY、SOSUKEさんとTSUYOSHIさんがステージに上がり、一夜限りの夢の復活を果たしたのです。このパーティじゃなきゃ絶対にありえないこと。感激!でした。

 23:00からは藤井隆さんのライブ。ライブももちろん楽しかったのですが、その後、藤井さんがしばらくバーカウンターの中にいらして、ビールを注いでみたり、あまりのなじみ具合に「往年のスタッフかと思いました」と言う人も(笑)。そのサービス精神に拍手!

 ここでちょっと食事のためにArcHを出て(なので、AWAさんのライブを聞けませんでした。すみません!)、「doop tokyo」に。戻ると、1:00のショータイムが始まっていました。キムコ・ヒルトンさんの岡村ちゃん、ブルボンヌさんのナウシカ、ニコルさんのベリーダンス、そしてキムビアンカさんの「ArcH QUEEN」…涙モノの充実したショータイムでした。そこから間髪入れず、SILVAさん(SILVA姐さん)が登場し、「morning prayer」「ヴァージンキラー」を歌ってくれて…夢のようでした。

 2:30頃、YUTAKAさん、ちびヒロさん、ERICさん、DOさん、akさんによるGOGOタイムがスタート。ここで「Delight」時代を象徴する「Relight my fire」がかかり、ちょっと感涙…(そういう曲がたくさんありすぎました)。2:45頃、ショータイムがスタート。フーチ葉よもぎさん、チハルさんまで見て、中座しました(すみません、メイクに入らないといけなかったので)

 4:00過ぎのショータイム。トップバッターは二丁目ハイスクールのみなさんによるカッコいいダンス。それからドリューさんのSHO-YA(すごい迫力!)、チャーミー・ブリコさんの「リトルマーメイド」、メイリー・ムーさんのお色気ショー、ジュヌヴィエーヴの「人生は過ぎ行く」越路吹雪バージョン、エンジェル・ジャスコさんの和田アキ子ショー、そしてダイアナさんがダイアナ・ロス「Home」で締めてくれました(素晴らしかったです。ダイアンさんと手を取り合いながら感動していました)

 5:00過ぎ、AiSOTOPE LOUNGEで開催されていた「RUSH CRUISE」のGOGOの方たちが大挙してArcHに登場し、ステージやカウンターを埋め尽くし…それはそれは美しく、壮観でした。(主催者のRIOTOさんは「RUSH CRUISE」で、クラブという場所が僕らにとってどんなに大切な場所かということ、そして、若いみんなにこの素晴らしいカルチャーを受け継いでいってほしいという内容のスピーチをしていたそうです。拍手!)

 5:30過ぎのショータイム。ヲネコさんの激しいダンス、ジャッキーさんの「ビューティフル横浜」、すみれさんの美しいバラードショー、インガ&リンゴさんの不思議面白いショー、スカーレットさんのオペラのアリア風なショー、そして松坂牛子さんのシェール(似てたのもスゴいし、指からレーザーが出たのもスゴい)と、盛りだくさんな内容でした。

 ふだんだと、深い時間にはもう人が減ってきて、朝まで残ってるのは数十人ということも珍しくないと思いますが、こんな時間でも、まだフロアは超満員! 早い時間から「ArcH」にいる年長さんたちと「眠いね…」とか「そろそろ限界かも」と言ったりしてたのですが、もうちょっとだけ頑張ろう、とか励まし合ったりして。

 最後のショータイムは7:00(の予定でしたが、たぶん7:30近くなっていました。この時間の出演者のみなさん、本当に大変だったと思います…おつかれさまでした)。サセ子さんの爆笑映像(AKAHIGEさん製作)、バンザイ恭子さんのショーやアロムさんのショーにゲラゲラ笑い、胡蝶蘭さんがAlicia Keys「If I Ain't Got You」で魅了しました。
 そして、最後のショー。最後というのは、この回の最後とか、この日の最後というだけではありません。「Delight」から「ArcH」まで、20年間のあの場所の最後を飾るショーです。リル・グランビッチさんが届けてくれたのは、ドナ・サマーの「LAST DANCE」。ゲイアンセムの名曲中の名曲であり、ゲイイベントのフィナーレとして使われる定番の曲でもあります(「PluS+」ではナジャさんが、「せれぶれぃしょん」ではニクヨさんが演じました)。なのですが、このパーティの「LAST」は20年を締めくくるLAST(重みが違います)。これまでにあのハコで経験した数々の思い出が走馬灯のようにめぐる、そのすべてを愛おしく思う気持ち、二丁目で20年、ゲイカルチャーとオシャレと歓びと愛を育んできたこの場所への感謝…そうした気持ちが一気に沸き上がってくるような…そして、リルさんの天才的なまでに素晴らしいリップシンクもあいまって、出演していたクイーンのみなさんもわーってステージに上がってきて(中にはスッピンのダイアナさんやエスムさんも)、もうもう、ただただ泣けてきて…(「and」の奏吉さんとかも号泣してました)。もうこれ以上望むべくもない、最高のフィナーレでした。

 頑張ってショーを最後まで見届けられて本当によかった(生きててよかった…とさえ思いました)、最高のフィナーレだった、もうこれで思い残すことはない、と思い、本当は朝10:00まででしたが、NANAさんにご挨拶して、「ArcH」を後にしました。後で聞いたところによると、結局終わったのは午前11:30頃(最後の曲は、SHINKAWAさんがかけた「Res Q Me」「Love Shine A Light」「Anything For Love」)、みんな笑顔で踊っていながらも実は泣いてたり…という感じだったそうです。

※「ArcH Last Place Party 2day "Last Dance for Love"」のレポートの画像は、ArcHさんからご提供いただきました(Photo by シバノジョシア)。それから、こちらの特設サイトに、2日間の全出演者のお名前が掲載されています。ご覧ください。

 

20年分のありがとう

 熊本からわざわざ駆けつけてくれたにしやんさん(「女装紅白」の審査員もつとめた方です)が、帰り道「涙が止まらない…」とツイートしてて、その気持ちよくわかる…って思ってました。僕も帰ってからもずっといろんなことを思い出して、涙ぐんでいました。

 g-lad xxはゲイサイトであって個人サイトではないということは重々承知しているのですが、ここで個人的な思いを述べさせてください。

 僕が初めてゲイナイトに行ったのは、たしか1995年(「Delight」でやっていた「ひげナイト」か「アイドルナイト」かどっちかだったと思います)。その後、縁あってジュヌヴィエーヴというドラァグクイーン(と言えば聞こえはいいが、ただの貧乏女装)になり、1996年の「CAMP'96」で初めてあのステージに立たせていただき(たぶん初めてやったショーは「異邦人」)、以来、公開フィストショーや引退公演(アキさんがワインをプレゼントしてくれて、泣きました)など、好き放題やらせていただきました(お目汚し、本当にすみません)。G.O.Revolutionという「男装」パフォーマーになってからも、数々のパーティやライブイベントに出演させていただきました。2007年にジュヌヴィエーヴとして復活してからも、やはりたくさん…この18年間でいったい何度あのステージに立たせていただいたことか…と思うと、いくら感謝しても足りません。

 最後の夜、ステージ脇の控えの50cm四方ほどのスペースをぐるりと見回しました(ここで北島マヤのように「仮面」をかぶるのも、これで最後なのか…って思って)。そして、ステージから見えるあのフロアのお客さんたちの光景。まぶたを閉じれば今でも、まざまざと甦ってきます。ずっとずっと、忘れません。きっと臨終の間際、あの光景を思い出しながら、「ああ、いい人生だったなあ」って思うと思います。
 あの場所は、間違いなく、僕の(えらく長い)青春の舞台でした。
 もしあの場所でゲイナイトの楽しさに出会ってなかったら、もしパフォーマーとしてステージに立つ歓び(Delight)を知らなかったら、僕の人生は全く違うものになっていたと思います。
 本当にありがとうございました。

 もちろん、客としてもいろんなパーティに遊びに行きました。「Delight」の「RAINBOW」に行ったとき、初めて六尺野郎のGOGOショーを見て鼻血が出そうになったのを強烈に憶えています。「ZINC」になり、「ACE」になり、「ArcH」になってからもさんざん遊びに行きました。キラキラの照明やミラーボール、オネハがかかってみんな手をあげて盛り上がる時のハッピー感、ドラァグクイーンやGOGO BOYのショータイムに感激したり、笑ったり、興奮したり。恋こそ生まれなかったけど、友達としゃべったり、ハグしたり、キスしたり(もっとスゴいことをしたり)。数えきれないくらい、楽しい夜を過ごしました。たくさんの輝かしい瞬間を経験しました。
 
 その場所が無くなると聞いたときは、寝耳に水というか、にわかには信じられませんでした。「ArcH」は新しい場所で再開を目指すというお話だったので、じゃあ、あそこはまた別のお店になるのかな?と思っていたのですが、どうやらそうではないと、もう僕らの遊び場ではなくなるというのです。それを聞いてから、じわじわと、悲しみが襲ってきました。二丁目で20年間、青春時代を過ごしてきた(あるのが当たり前だった)場所が無くなる…それはまるで、長年連れ添った恋人や親友を亡くすかのような喪失感でした。
 1月末までだというので、じゃあ、それまで「ArcH」に行きまくろうと思いました。平日開催でなかなか行けなかった「二丁目ハイスクール」にもおじゃましました。「PINKHOUSE X(まさかの「ジューシー!」16周年とコラボ)」にも行きました。「レベッカナイト」にも「女装紅白」にも初めて行きました。「じゃぱんぐ♪50回記念」にも「笑止千万」にも。でも、10月以降、本業がひどく忙しくなり、それ以上にはなりませんでした…(残念です)
 そうこうしているうちにファイナルが近づいてきて。なんとかあの場所に、そしてたくさんよくしてくれた「Arch」のみなさんに恩返しができないかと思っていて。で、僕は実は生まれてこのかたシャンパンというものを入れたことがなかったのですが、最後の日、感謝の気持ちでシャンパンを入れよう!と思いました。小原さん、ダイアンさん、NANAさん、おーいしくん、それからお名前は知らないけどからんでくれた若いスタッフさん(あと、ダンナと、お友達のDJさんたち。それと、まさかの藤井隆さんも加わってくださって)、みんなでいっしょに乾杯できて、よかったです。

 あらためて、「ArcH」のみなさんが、ファイナルとして、あんなにスゴい、夢のようなパーティを開いてくれたことに心から感謝したいと思います。あれだけの豪華ゲスト・大勢の出演者が集まってくださったというのは、ハコへの思い入れもあるでしょうが、小原さんをはじめとするスタッフのみなさんの人柄によるところも大きいと思います。人は「最高の一夜」のためにこんなにも全力でがんばれるんだ…という感動。大勢の「心意気」が瞬間、重ねられた一夜限りの奇跡。あんな素晴らしいパーティ、もう二度とないと思います。
 感動をありがとう。もう、ただただ、感謝のひとことです。
 
 それから、「ArcH」のみなさんだけでなく、かつて「ACE」や「ZINC」「Delight」に携わっていたみなさんにも、感謝を申し上げたいと思います。とりわけ、アキさん(「Delight」〜「ACE」のオーナーだった川口昭美さん。2000年にレインボー祭りを初開催。2002年に逝去)、本当に大きなプレゼントをありがとうございました。あの素晴らしいファイナルパーティ、きっと天国で喜んでくれてたんじゃないかと思います。
 
 これから、きっといつか、新たな地で「ArcH」が再スタートすることと思います。決して終わりではないよ、という気持ちで「Last Place」なのでしょうし。しかし、(90年代後半からの、あのゲイシーンがダイナミックに動いた感動的な時代を共に走っていた)僕らのあの場所は、もうありません。とうとう「伝説」になってしまったのです。
 これから二丁目に出てくる方にはぜひ、「あのローソンの向かいにクラブがあってね…」というところからお話してあげましょう。きっと、それが何よりの恩返しなんだと思います。

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